名城、名跡、お好きですか。私は別に好きではありません。
が、平日は毎日、神奈川県小田原市にある、小田原城の城址公園の中を通り、仕事に向かいます。
名城観光と聞くと、すぐに思い浮かぶのは天守閣ではないでしょうか。
もちろん、小田原城にも天守閣はあります。最近リニューアルされ、連日多くの観光客で賑わっているようですね。
そこでご提案したいのが、夜の名城観光です。昼間は、多くの人で賑わっていますが、夜の名城とはまた乙なもの。
今日は、毎日のように小田原城近辺を通りかかる地元民が、普段の観光では見ることのできない、夜の名城をご紹介しましょう。
と、言っても、夜間、天守閣には入れませんし、立ち入り禁止となっている箇所も多数。
正確に言うならば、夜の城址公園散歩のご紹介となるでしょうか。いずれにしろ、良かったら最後までお付き合いください。
夜の小田原城周辺は、静かで、施設や樹木のライトアップは情緒的です。
ベンチなどに座ると、虫の音や、時折響くお堀の鯉が飛び上がる音。
統制のとれた人工的な自然に身を任せれば、スーっと体が闇に溶け込んでいくような感覚を味わえます。
周辺にある施設も、小田原城周辺の雰囲気を壊さぬように外観に気をつかっています。
画像は私の母校でもある三の丸小学校。子供達の喧噪もなく、どことなく漂う、人気のない学校の持つ独特の不気味さが、暑い夜に涼しさを与えてくれます。
この時期、お堀の周辺を提灯が彩ってくれます。
編集部注)この記事の撮影は提灯掲示(小田原ちょうちんアートフェア)の最終日でした。そのため、記事公開前に提灯の掲示は終了しています。2017年は7月29日〜8月6日まで掲示されいました。
市内の小学生達が、提灯に思い思いの絵を描いたものに火が灯されます。私もずっと昔に、同じようにちょうちんに絵を描きました。
この提灯を見る度に、当時の私の姿や、仲間達のはしゃぐ姿を思い出します。美しい記憶です。
提灯にともった灯りに、幻想的、という言葉をよく見かけます。
しかし、これは幻想的というよりも、賑やかと言えるのではないでしょうか。
子供達が、大騒ぎしながら描く姿を想像するだに、カラフルな色合いも、大きく描かれた文字や絵も、ここから伝わるのは落ち着き、ではなく賑やかさです。
ここはお堀端通りと名付けられています。その名の通り、左側にはお堀が続いています。
休日の昼には、観光客や地元住人で通り抜けができないようになっていることもあります。
夜はこの通り。静かで、木の葉のこすれる音は涼やかです。
ライトアップにより、闇にぽっかりと浮かんだように見えます。
お堀に映るゆらゆらと揺れる反射も、また美ですね。
小田原城址公園内で一番大きな橋“学び橋(まなびばし)”の上まできました。
ここからの眺めは最高です。
きれい…。
古めかしさもまた良し。
(撮影を担当している“のじ”に、命の息吹を感じる、みたいな写真を撮ろうと言われましたが…)
(恥ずかしい!)
ここは、その昔三の丸小学校があった場所です。今は、三の丸広場として解放されています。
白色の街頭と、暖色の街頭が入り交じり、なんとも言えぬ光景です。
こちらは歴史見聞館。夜間はもちろん閉館していますが、趣のある見た目です。
確か、三の丸小学校の体育館だったような。私の学舎でもありました。
通行止めなので、近づくことはできません。
この歴史見聞館の脇にある石段を上がると、天守閣方面です。
こっちに行きましょう。
天守閣までは行けないので、今日はここまで。
ここを左折して、出口に向かいましょう。
お堀に蓮が群生しています。
ここだけは、日中に見た方がキレイですね。蓮の花は、暗いと見えません。
小田原城址公園の観光スポット“御感の藤”です。
説明は長くなるのでこちらをご覧ください。
以上です。
夜の小田原城、昼とは違うこの魅力。とにかく人が少ない、静かというのが最大の贅沢です。
日中は暑い! 人混みがいや! そんな人は、昼は港や箱根で温泉を楽しみ、夜は小田原で地場の魚を楽しんだ後に小田原城周辺を散歩してみてはどうでしょう。
かなり、いいですよ。
それではさようなら。
今晩は月がきれいでした。
いえ、夏目漱石は関係ありません。