夏の野菜と言えば、きゅうり、オクラ、かぼちゃ…などなど。青みのあるものが実においしい。食感や、あじわいにも涼味がある。
そんな夏野菜、見た目も涼しげに調理したい。
そんなこんなで、衝動的に購入した賀茂茄子を、見た目にこだわって調理したいと思う。
賀茂茄子は、丸みをおびた姿が特徴的な、茄子。
コロコロした見た目で、愛らしい。
皮ごと揚げだしにすることが多いと思う。
というよりも、それ以外で食べたことないかも。
今日は、見た目にこだわりたいので、中をくりぬいて、器にしようと思う。
完成すると、こんな感じ(ヘタの部分を盛りつけるのを忘れてしまった。ヘタが少しかぶさっていると、なお美しい)。
くりぬいた茄子と海老に軽く粉を打って揚げ、冷やしたダシをかけまわして、生姜のすり下ろしをちょこんと盛る。
揚
げ物に生姜が効いて、夏らしい味わいになる。
さて、それでは作り方。
まずはダシをとる必要がある。なぜかというと、冷やすから。水に一晩つけて、ダシをとる方法もあるけど、僕はあまり使わない。やっぱり、火にかけた濃いめのダシが好きだ。
■ダシのとりかた
水をはった鍋に、昆布を入れる。水につける時間は、一晩つけておいてもいいとも聞くけど、ダシがにごってしまうので、僕はあまりやらない。
このまま1〜2時間つけておく。昆布の量は、どんぶり1杯分に対して、1枚半くらい。
といっても、1畳で購入したものを自分で切り分けるので、枚数換算は参考にならない。
だいたい、iphoneのサイズで2枚くらいと覚えておけばいい(画像では、ほかにもダシを使うため、水多め。そのため、昆布も多め)。
強火で煮立たせるとダシがうまく出なくなるので、中火でクラクラと煮る。
煮たってしまわないよう、火加減に注意する。
煮始めてしばらくすると昆布が浮いてくる。
料理屋なんかでは、一番だしとして、この辺で上げてしまうようだけど、そこまで繊細なダシとなると、僕のような素人にはとれない。
とにかく、グルタミン酸出ろ〜って思いながら、浮き上がってきてもしばらく煮る。
蒸気をかいで、昆布くさってなるくらいがころあい。あまり長くやり過ぎると、昆布の周囲がふよふよして、えぐみがでる。
取り上げた昆布は、お米を炊くのに使用したり、刻んで、山椒、醤油、酒、ミリンで煮て佃煮にするとか、利用法は結構ある。
昆布を摂りだした後のダシは結構くさみがある。
今度は火加減を強火にして一気に煮立たせよう。これで昆布のくさみはなくなる。
そこにカツオを加える。
これもまた、火をとめてから、とか、弱火だ、とか、水をほんの少し加えてから、とか、料理屋ではいわれていますが、別に2番ダシとるわけでもないので、火加減を弱火にしてカツオを突っ込んじゃいましょう。
大きな握りで1掴みと、その半分くらい。そのまま弱火で煮る。
アクが出れば軽くとる。昔はカツオの加工が悪く、結構アクが出たよう。
今は加工・保存技術が昔の比ではないので、アクはとらなくてもいいくらい(スーパーで売っているもので、時間が経っているモノは注意。というよりも、乾物屋さんで買ったほうがいい。
スーパーの袋詰めは充填剤と一緒に包装してあり、香りが落ちている。
しかも、高い。乾物屋さんなら、朝削られたカツオ節でも、3分の2くらいの金額で買える。
しかも、こちらのが断然おいしいし、量り売りなので量も調節できる)。
しばらく煮て、煮汁が濃いめの黄金色になったら、カツオを濾す。
ザルの上にキッチンペーパーを敷いて、上から流し込む。
濾したカツオも、菜箸で軽く絞る。
しばらく放置してあら熱をとったら、ラップをかけて冷蔵庫に入れ冷やす。
ボウルとか、熱伝導のいいものを使用すると、早く冷める。
画像は、2時間ほど冷蔵庫で冷やしたもの。
冷やしが足りなかったので、雪平鍋に氷水をはって、ボウルをひたしておいた。味付けは、後でする。
■加茂茄子の調理
賀茂茄子は全体的に丸みをおびている。
器として使用したいので、立つようにしたい。
賀茂茄子の下部を切り取り、平らにしましょう。
次に賀茂茄子の上部を、ヘタごと切り取る。
今回、このヘタを盛りつけるのをわすれましたが、こちらも油で揚げるなどするとヘタ以外の部分は食べられるので、結構厚めに切りましょう。
あまり浅く切ると、賀茂茄子の中に具材を詰める際に、ぎゅうぎゅうになってしまうので。

ヘタを切った断面に、ぐるりと切れ目をいれます。
後で切れ目からスプーンをつかってほじくり出すので、深めに。
ただし、包丁を貫通させてしまうと揚げたときに型崩れしてしまうので、慎重に。
心配なら、浅めに切れ目を入れて、スプーンをギザギザのついたものにするなどすれば安心。
切れ目を入れた円を半円にするように真ん中にも包丁を入れます。
切れ目完了。このあと、僕はうっかり画像右のヘタ部分を見失いました(鍋の影に落ちていました)。皆さんはお気をつけを。
スープを飲むときに使うようなスプーンで、切れ目を広げます。
ぐいぐい。
すぽーん。
みたいなことをして穴を空けます。
うまく固まりでほじくりだせなくても、後でまとめて揚げてしまえばいいので、気にせず穴ポコをあけましょう。
周囲をあまり薄くすると、揚げたときに形が悪くなるので、ある程度実は残して大丈夫。
ほじくり出した茄子の身に片栗粉を軽く打ちます。
ぱふぱふ、
熱した油にイン! 茄子は漬け物とか醤油和えとかを見れば分かるよう、生でも食べられるので、そんなにしっかり揚げなくてもOK。
油の温度も適当です。だいたい、180度くらいかな。
油の温度は低すぎるとべっちゃりしてしまうので、気持ち熱めくらいの心持ちで。色がよさげだったら油からあげちゃいましょう。
いっぱい揚げて、
小さくほじくり出した茄子にも片栗粉を打ち、

かき揚げみたいにしちゃいましょう。
片栗粉は、油にいれたばかりではくっつきやすいので、簡単にできます。
茄子だけだと味が寂しいので海老も揚げました。画像は冷凍庫に入っていたちっちゃこい冷凍ボイル海老。
もしも大きめの(車海老が一番合う。高いけど…)海老を使う際は、小さく一口大に切っておきましょう。
揚げ物終了。
ではなく、今度は器にする賀茂茄子を揚げます。くりぬいた中と、外に片栗粉を打ち、
底の部分から揚げます。別に上からでもどっちでもいいです。
底から揚げるとうまくいくような気がする。
逆さまにして引き続き揚げます。皮は少ししなっとしてしまうんですが、大丈夫。
あんまりしっかりした皮を残すと、食べるときに固く感じる。結構しっかり揚げちゃってください。
火が通りすぎてもぐずぐずになってしまいますが、火が通っていなさすぎると、食べるときに固くて箸できれないので。
菜箸ではさんで、全体がちょっとやわかくなってきたくらいが目安。
■カツオダシの味付け
どのタイミングでもいいのですが、カツオダシが冷えたら味付けをしましょう。
なぜ冷えてから味付けするかというと、冷やすと塩味を薄く感じるからです。
別に、あたたかい状態で冷えたときを想定し、濃いめに味付けても大丈夫です。
僕は心配性なので、冷えてから味付けます。
ここで一工夫。そのまま冷えたダシに塩を入れると、溶けません。
そこで、冷やしているボウルから少しダシをとり、ソースパンなどにうつしましょう。
そこに、塩で9割、
薄口醤油で1割のイメージで塩味をつけます。
オススメのうすくち醤油は、ヒガシマルのもの。
京料理の先生も、ヒガシマルのものを使っていたようです。
味付けしたカツオダシを、ボウルに冷やしたものに入れます。
この際、ダシの味見をしながら、小分けにして入れれば塩が強すぎたり、薄すぎたりを調整できます。
味の濃さは、お好みで。天つゆより少し薄めくらいに。後で、ダシも飲めるようにしたいので。
ソースパンのダシは、人肌よりぬるいくらいのあたためでOK。
単純に、塩が溶ければ問題なし。あまりあたためたものだと、せっかくボウルで冷やしたダシがぬるくなってしまいます。
揚げた茄子と海老を中に詰めます。お皿は少し、深さのあるものにしましょう。ダシをたっぷりかけたいので。
余った茄子を器の横に盛りつけ、上からダシをかけます。茄子の横にすった生姜をあしらって完成。
調理終了。
昼に汗をかいて、少しおなかに溜まるものにしたいときはいいお料理です。茄子の天ぷらの食べ応えと生姜の香り、ダシの香りが実に合います。
冒頭にも書きましたが、ヘタ部分を盛りつけるのを忘れてしまいました。賀茂茄子と同じ要領でヘタも揚げ、蓋として少しずらして盛りつけると、より華やかになります。
良かったら、夏の夜の冷酒のアテにでも。さーて、僕は瓶ビールでも開けていただきまーす。
それでは、また次回。