なんとなくお久しぶりです。なかもらです。
さて、人と文字(※編集部注 モジカル前身メディア)の新しいオフィスが設置され、せっせと仕事をしている訳ですが(私は遊んでいるだけですが)、ちょっと気になることがあります。
これ、当サイト編集長 のじさとしがオフィスで仕事をしているところを隠し撮ったものです。
よーくご覧ください。
手元です。
ボンクラ三流編集者のクセに、いっちょまえに万年筆なんて使っているんですよ。
いつも洒落た筆記用具を使用していて、ぶってんな〜、と見下しています。
が、そういえば、私は万年筆というものを使用したことがありません。
ちょっと書かせてもらいましょう。
お〜い、自称編集者。
わりと本気で怒られましたが、持っている万年筆から3種出してきました。
なんか説明してくれるらしいです。
これ、値段別になっているらしいんですが、どれが高いやつか分かりますか?

左から高い→安いの順だそう。
万年筆の価格はピンキリで、100万円を超えるような貴重な品から数百円のものもあるそう。
ちなみに、画像の左の黒いのが1万5千円くらい、真ん中が2千円少しくらい、右が数百円だそうです。
100万円て…、数百円ので十分じゃないの?
のじ いや、バカ、おめぇ! ちげーんだよ、万円筆っつーのはコレクターズアイテムであり実用品であり、芸術作品でもあるんだよ。世界に数百本しかないものや、ハンドメイドのもの、貴重な素材を使用しているも
の、機構のちがい、そういったデザインの違いやバックグラウンド、こういうものを感じながら文字をつむぐ、それが醍醐味なんだ。コレクターズアイテムなのに、実務に使用できる。書けた文字は同じ人間が同じ筆圧
で書いているのに、ちょっとちがう、あたたかみもあれば、無機質なこともある。いいぜ〜。
なかもら ふ〜ん、長くて途中から聞いてなかったけど、書くならコンビニのボールペンでいいんじゃねえ?
のじ バッカ! おめぇ! こんな業界の末席にいるような俺でも、やっぱり文字書く仕事だからこそ、ちゃんと気持ちの入るもんを使いてーじゃねえか! それが人情ってもんよ。
なかもら よく分かんないっすね−。スマホでいいんじゃないっすか(スマホ持ってないけど)、そもそも字とかワードで打って印刷すればいんじゃないっすか−、現代っ子なんでー。
のじ (怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)
なんかまくしたてられていますが、御託はいいのでとにかく万年筆を使ってみましょう。
高いのからいくほうでして。
万年筆はペン先の種類によって太さや書き心地がちがうそうです。
のじ 俺はわりと太めのが好きだけど、まあ、とりあえず書いてみなよ。
ペリカンというドイツ発祥のメーカーだそう。かなり一般的なブランドなんですって。
のじ このモデル自体が非常に多くの人が使っているモデルだよ。ただ、装飾がダイヤ型な分、ちょっとだけ珍しい。
なかもら え、なに? 聞いてなかった。
のじ もういい!
オタクってこういうときめんどくさいですよね−。
万年筆はボールペンなどと違い筆圧はほとんどいらないそうです。紙にペン先が触れると万年筆内部のインクが染みるように出てくるとか。
ちょっと寝かして書く姿勢が独特ですね。
あと、ボールペンなんかより重い。なんて書こうかな〜。とりあえず上司の悪口にしとくか。
サラサラ。流れるような書き心地。筆圧をかけないので疲労感が少ないですね。
ただしペン先にカリっとした感触があるので、書いているという感覚が気持ちいい。
完成。人生で初めて万年筆を使用して書いた文字です。
いいんじゃない? ただし水分に弱いそうで、書き終わった後に水にぬらしたり、手で触るとにじんでしまうとか。
なんかうるせえのが横で騒いでいますが、全無視しましょう。
さあ、続いて数百円の万年筆。
ペリカンの万年筆は鉄っぽい、ひんやりした重量感があったんですが、こちらはプラスチックで軽い。
ちなみに、さきほどのペリカンのインクはブルーブラックという、万年筆では非常に一般的なカラー。
今回の万年筆のインクはブラック。こうやって並べてみると色味が全然違いますね。
のじ 万年筆といえば、ほとんどこのブルーブラックだね。この文字を見て、青いボールペン使っているなんて言っちゃったら…。ふふふ、ちょっと恥ずかしいね(キリッ)。
だって。
かっこつけてんじゃないよ。
さあ、最後にこちらの万年筆。
パーカーというメーカー。最初はアメリカで創業して、のちにイギリスに移ったブランドだそうです。今はEUだとか。
ペリカンとどちらが有名かと言われると、かなり悩む部分だそう。
カートリッジ式といって、このインクの入ったカートリッジを挿して使用します。
ちょうどインク換えのタイミングなのでやらせてくれるそうです。
今回もブルーブラック。
ペンの先の方をクルクル回して取り外し、カートリッジをさしこみます。
カチッと音がするまで力強く。インクをねじったりせず、まっすぐ入れるのが大切とか。ちょっと力いるな。
ちゃんと入るとカチッと音がします。
書き心地またちがうわー。ペリカンのものほどしっかりとしたグリップ感はないんですが、プラスチック製のものよりも手首の動きを反映してくれる。
たしかにブラックよりもブルーブラックのほうがいい発色ですね。
しかし、同じブルーブラックでもペリカンとパーカーでは随分ちがう。
のじ 最初のはペリカンのブルーブラック、最後のはパーカーのブルーブラックで、ほかにもメーカーによって微妙に特色があんだよね。あとはインクも古くなってくると黒くなってしまって。最初のペリカンのインクは
結構長く使用しているから、徐々に黒っぽくもなっていると思う。とのこと。味がある、って訳かい。
なかもら なんか万年筆の豆知識的なのないの?
のじ 急にご無体な…。俺ライトユーザーだからな…。基本的なことしか分からんけど…。
なんて言いつつ少し教えてもらいました。
万年筆のちょっとだけ豆知識
さきほどのパーカーのカートリッジ式インク。
インクを使い終わった後にも、お尻の部分に予備インクが入っているそう。少し白くなっている部分、通常のインクを使い切ったら、ここを指などでパチッとはじくと、インクが出てくるそうです。
パーカーの万年筆ユーザーでも、意外と知らない人もいたとか。
ちなみに、半分ほどのサイズのミニカートリッジというものもあるそう。
のじ 最近ほとんど見ないね。
だってさ。
最初に書いたペリカンの万年筆は、カートリッジ式ではなくインク吸い上げ式というものらしい。
こちらがペリカンのインク瓶。こいつに、万年筆のお尻の部分を回して緩めた…
ペン先を浸けて…
さきほど緩めたところを巻くと、内部にインクを吸い上げて…、
インク充填完了。これで書けるようになります。
吸い上げたインクがブルーブラックの場合、1週間少しくらいからだんだん黒くなっていくらしい。
そんなに使用しないときはあまりたくさん吸い上げる必要はなさそう。
ちなみに、ほとんどの場合このコンバーターというものを装着して吸い上げるそうです。
カートリッジ式の万年筆にとりつけるタイプもあるそう。ただし、違うメーカー製のコンバーターは付かないそうなので注意。
のじがもっているペリカンの万年筆は本体吸入式という、最近なかなか見ないタイプらしい。
こういうの選ぶところがまたぶってるよな、コイツ。
あー、かっこいいかっこいい、みんなとちがってかっこいいね。
のじ なんって憎たらしい顔なんだ…。
飛行機に乗るときは、少しすくなめに吸入しないと気圧でインクが漏れる、という豆知識もいただきました。
ご注意を。
いろいろ書いたり触ったりしてみて、文字を書くということ以外にも、インクを充填したり手間をかける楽しみというのを見つけたような気がします。
のじ さて、一番気に入ったのは?
なかもら そうですねえ、値段も含めて考えると、
パーカーのやつですね。そもそも、万年筆独特の書き心地にまだ慣れていないので、ボールペンタッチな使用感に惹かれたね。金額的にも数千円で、最初の1本にしたいかも。
ものを書く、という行為は大分少なくなってしまいました。でも、たまにこうやって書いてみると、いつもの仕事も楽しくなるような。
最初の1本、手にとってみるのもいいかもしれないですね。