紙媒体のノート、使っていますか。
編集ライター and カメラマンとして、ディレクションもライティングも、あと撮影もする身としては、打ち合わせ・取材・撮影時と、メモをすることが多いのでノートを多用しています。
最近ではデジタルデバイスの普及により、ラップトップやタブレット端末などでメモをする人も多くなりましたね。
自分も一時期はiPadやMacBookでメモをとるようにしていましたが、いろいろ使い勝手が悪い部分があるのでノートに戻ってきました。
当初は使用するノートにこだわりはなく、文房具屋さんでなんとなく選んでいたんですが、20冊を越えたあたりで取材や撮影時にぴったりのノートがあることに気づきました。
それが、リングノートです。
ノート綴じとリング綴じが主流
ノートの背の綴じ方は大体2種類です。

こういうやつ(ノート綴じ)と、

こういうやつ(リング綴じ)。
手帳など携帯性に優れた小さいサイズのものもありますが、僕は圧倒的にB5サイズのリングノートを支持します。
理由は後述しますね。
リングノートは折りたたんで使用する
最近では自身でライティングを行う以外に、撮影をするライターも増えていると思います。
編集者であれば、カメラマンの撮影の同行をすることも多いですよね。
僕は編集、ライティング、撮影、それぞれを単品で、かつ合わせ技で、なんてこともあり、わりとあるのが現場での立った状態での作業。
撮影や取材をする場所はクライアントオフィスであったり、屋外であったり、レンタルスタジオであったり、さまざまなシチュエーションがありますが、そのほとんどでずっと座った状態であることはありません。
撮影を例にとると、オフィス内の撮影であれば、まずは被写体の方の位置を調整して、周囲にペットボトルやティッシュ箱、ゴミ箱など余計なものがないか確認していざカメラを。
ときには三脚や外部ストロボの設定も加わり、1つの構図で何枚も撮影するので、ワンカットで10〜20分くらいかかります。
この時間、わりと暇なため被写体の方がしゃべっていることがよくあります。
その中に、出てくるときがあるんです。
これ、記事に入れたい言葉だ、というとき。
取材中であればボイスレコーダーで録音していますが、上記の状態で録音している人はほぼいないでしょう。
そのため、立った状態でメモをします。
このときに、リングノートが役に立ちます。

なにせ、2つ折りにできるので。
これがノート綴じだと今書いていない方がペラペラしている上に、ノートの始めの方と終わりの方だと厚みがなくて書きにくいんです。
無理矢理2つ折りにすると背が割れてしまったり、変なクセがついてしまったりもします。
リングノートはどの部分を使用していても、くるんと2つ折りにできて、ノート丸1冊分の厚みを作れるので安定させられ、非常に楽。
そのほかにも、撮影項目や撮影済みのカットの確認、その後のスケジュールの調整、デザインラフの画像と合っているかなど、メモしたり確認したりすることが多いときに、リングノートの上にラフやスケジュールなんかを載せて書き込みをすると、立った状態でも問題なく書けます。
余談ですが書きやすいと思って、立った状態で長時間メモし続けると腰をやります。
体験談です。お気を付けて。
打ち合わせ時に紙芝居のように使用する
紙媒体にしてもweb媒体にしても、ましてノベルティグッズの制作にしても、クライアントの悩みを聞いてその解決策となるものを提案しなければいけません。
それと同時に媒体独自のできること・できないこと、使えるカラー、投入できる費用、近年のトレンドなど、いくつもの要素を加味して考える必要もあります。
この考える部分、慣れてくるとおおむねのアウトラインがほんわか浮かんできます。それは打ち合わせ中であることが多いですよね。
これをすぐに頭から取り出してクライアントに見せることができれば、先方の求めるものに近いのか、また遠いのか、ずれているならどのようなずれなのかを後から探るというステップを回避できます。
対面で話を聞きながら修正するのと、メールでもらった修正を反映するのではだんちがいですから。
そのため、クライアントからの話を聞いたあとにとにかくすばやく、こういうのかな、というラフを作って先方に見せる必要があります。
ここで活躍するのがリングノート。
広告制作の打ち合わせはクライアント側が数人いらっしゃることが多いため、リングノートで紙芝居のようにお見せするほうが分かりやすいんです。

こんな感じで。10秒くらいで書きました。
ええ、下手です。でも、おおざっぱなものでいいんです。なにせこれ、編集やっている人でないと頭に浮かぶこともないので。
テキストをもっと入れたいとか、画像の点数をどのくらいにしたい、というのを口頭で説明して想像してもらうのは無理があります。
なにせ、クライアントは広告制作の素人です。
説明すれば分かる、という部分も実際には伝わっていなかったりします。
だからこそ、雑でも汚くてもいいので、形にしてお見せすることが必要です。
とりあえず今想定している画像の点数がどの程度か、テキスト量はどのくらいか、人が写った画像は何点くらいか、イメージカットはあるか、をおおざっぱに想像してもらいましょう。
そうすると、中には「この店舗ならこういう背景で撮影できる」「オフィスのこのあたりなら取材しながら撮影できる」など、編集側では分からない部分にアドバイスをもらうこともできます。
これ、ほんとに大事。
そして、複数人に見せることを考えるとB5サイズがちょうどよく感じます。
もっと大きいサイズだと普通にメモをとるのにかさばるし、手帳サイズだと小さすぎて見せずらいし。
また、ここちょっとちがう、なんてときは赤ペンを入れて再度掲示するのに、B5くらいのが手早く赤を入れられます。
この使い方、その後の制作がほんとに楽になるのでオススメです。
こんな感じで使用することが多いため、リングノートが非常に使い勝手がいい。

ちなみに、中面の罫線などにこだわりはありませんが、僕は表紙のカラーが濃く特徴的なものを選んでいます。
なぜかというと、撮影でクライアントオフィス内をウロチョロしたり、屋外撮影なんかをすると、ほかの作業に必死になってノートをどこに置いたか忘れるからです。
オフィス用品などで使用しなさそうな、濃い色の表紙だとすぐ見つかるのでオススメです。
あとは、リング部分がやわらかいものだと、なおいいです。

リングが固いワイヤーのようなタイプと、

やわらかいタイプがあります。
やわらかな方はコクヨのノートで、意外と売っているのをみかけません。
ぱらぱらめくるのにも、2つ折りにするにも、紙芝居っぽく使用するにもやわらかい方が取り回しが楽です。
ノートを開いて書く際にも、固いモノはペンを持つ右手の底面にあたって書きにくかったりするんですが、やわらかい方は気になりません。
編集系でこれからノートを購入する、という人には是非一度使用してみてほしいアイテムです。
みなさまの、円滑な制作を(円滑な…なんていい言葉だ…)祈って。
さようなら。