広告制作を内製化するときの基本ツールはアドビのイラストレーター

不景気ですね。

本当に、さまざまなものが値上がりし商品の仕入れ価格は高く、さまざまなサービスも値上がり。

毎月の経費の計算が見たこともない数字に…。

マジで…、困る…。

自分で書いていて軽い言い方に聞こえて笑ってしまいましたがw(今も苦笑いしながら書いています)、「率直に困った」と思う機会が増えました。

なにせどうすることもできませんからね。

お客さんからの満足度が低いとか、近隣に競合店ができたとかなら自分の努力で解決できることもあるでしょうが、原材料やエネルギー価格の高騰などを起因とする値上げには、あたふたあせってその場でクルクル回りながら困った困ったと言うほかありません。

が、しかし、それでも商売を続けていかなければいけないのが仕事というもの。

値上がりしていようが新商品は出るし、新サービスに変わるし、なんなら値上がりに対応して変えねばならないし。仕入れしないと売るものないし。

すると発生するのが、広告。

新しいモノ・コトはお客さんに情報が伝わりません。そのためどのマーケティング手法をとろうがなにがしか広告を打たねばなりません。

しかしながら広告費というのは高いモノ。しかも必ず成功するとは限らないので、これまたどの方法をとろうが丁半博打のようになります。

そこで考えたいのが自主制作、つまり広告制作の内製化です。

自分で制作すれば1つの方法がうまくいかなくてもすぐに次の施策も打ちやすくなります。

外注は自身の会社や商店のこと、サービスや商品のことの専門化ではない人にお願いすることになるので立案から制作、公開までにタイムラグが発生します。

このラグがなくまた外注費を削減できれば、時間にもお財布にも少しばかり余裕ができます。

ということで、広告制作を内製化するときに必要なことを書きます。

それは考え方でも、やり方でもありません。

ソフトです。

WEBでも紙媒体でも必要なのはデザインソフト

SNSでのマーケティングというのはお金や時間をかける方向性が通常の広告制作とはまったくちがうので割愛します。そもそも外注していない人もたくさんいらっしゃいますし。

ここで記すのは主に広告制作会社にお願いするような広告制作の内製化についてです。

あ、あとあくまで僕の意見です。やり方はたくさんありますので。あくまでここ4年ほどで実際にすべての制作を内製化してみての感想ということでご覧ください。

 

最も重要なのがWEB、紙、などの媒体を問わずデザインソフトです。

手書きのものをスキャンしてWEB上で公開する、という場合には必要ありませんがそもそも手書きでデザインするというのはかなりハードルが高い。

実際私たちもしばらくの期間ニュースレターや手書きマップ、商品説明資料などの制作を手書きで実施してみましたがちょっと書き間違えてやり直し。なんか変なスペースが余って書き直し、下書きの鉛筆書きならよく見えていたのにペンで濃く書いたらしっくりこないので書き直し。

20文字程度のものならまだしも、ちゃんと説明したり告知したりする資料では文字数なども多くなりやり直すことが多くなります。

手書きは一度書くと修正というものがほとんど効かないので本当に手間でした。

そもそも大量の文字を一球入魂よろしく、机の前で書くのが手書きから離れて久しい現代人には至難の業で、人件費と時間という部分を考えると費用対効果がよいかはかなり悩みます(手書きにしか出せないよさもあるのでケースバイケースですが)。

また、WEBなら1枚スキャンするのみでも、紙媒体をたくさん印刷して店頭に置いたりお客さんに配る場合にはプリンターで印刷すると紙代とインク代はかなりの額に。

大量印刷であれば印刷会社にお願いしたほうがかなり安い(このへんの価格差の根拠や仕組みはかなりの参考記事がWEB上に存在するのでこちらも割愛)。

そうなるとやはり修正しやすく、印刷所にお願いするときに出しやすいデザインソフトの出番です。

正直、さまざまなデザインソフトがあり無料から安いものまでありますが、一番楽なのはアドビのイラストレーター(略:イラレ)とフォトショップ(略:フォトショ)です。

どちらを選んでもWEBでも紙でも使用できますが、WEBデザインでは主にフォトショを使用し、細かいパーツなどをイラレで制作紙媒体ならフォトショで画像を調整し、主にイラストレーターでデザイン、ということになります。

ただ、この使い分け、結構高度です。それぞれに得意・不得意なことがあるので解説すると長くなるし、1つのソフトだけでも慣れるまでには時間がかかるので、とりあえずイラレのみで構いません(フォトショはドット、イラレは印刷時に曲線をそのまま描けるなど、違いはありますがそこまで細かいことを初心者は気にする必要ほぼないです)。

のちのち画像をレタッチしたりWEB用に解像度を設定したい、WEBサイトのデザインをいじりたりたい、画像を切り抜きたい、ということまで理解できるようになったらフォトショ導入でいいでしょう。

正直、WEBサイトのサムネやデザインの細かいところはいくら内製化といっても無闇にさわると取り返しが付かなくなったり、現在依頼しているWEB制作の会社から管理権を移譲となるとかなり猥雑です。

初心者には無理。サイトの構造は複雑ですので。

ワードプレスなどCMSの場合も、デザインテンプレートの細かな部分までいじれるようになったらそれはもうWEBデザイナーへの第一歩となりますので今まで通りフリー素材の画像やご自身の撮影画像をそのままサムネや記事内の画像として使用してください。

僕は使い慣れているので画像をフォトショでいじって、デザインするときはイラストレーターを使用しています。イラストを描くのはイラレなので、フォトショはあまり使用しません。

両方使えるにこしたことはありませんがWEBではできない、というよりもやらないことがいいほうが多いのでイラレで十分です。

イラレでやること

こまかな使い方はネット上に腐るほど、という言葉がこれほど適切に使用されていることはない思うほど落ちています。これこそがさきほど“一番楽”と書いた理由です。

分からない部分や、やり方を細かく文章として検索してもピシャリな解説記事が結構な割合で出てくるので、誰になにを聞けばいいかまったく分からなくなる、ということが極端に少なくなります。

基本的なところは提供会社のアドビ公式の動画が分かりやすいのでそちらをチェック。

これで十分。

無料ソフトやニッチなデザインソフトは少し詳しい解説になると参考が少なくなるので困る場面がどこかのタイミングで出ます。

アドビの製品はここ10年ほどはデザインや広告制作の第一線を張り続けていますので、正直ほかの選択肢はあまり考え至りません。

イラレではチラシ、小冊子、ニュースレター、メニュー表、商品説明資料、WEB上でのイラストやサムネ作成、営業用資料、図版の作成などなど、かなりのことができます。

ページ数が40ページを超えるような冊子や書籍については別途インデザインというソフトが使い勝手がいいです。が、これも割愛。

ページ数が多いものはあまり向かない(やれない訳ではありませんが)、ということだけ覚えておいてください。

印刷するときは特に気をつけて注意事項を読む

WEBでサムネや画像、図版、イラストなどを公開する場合にはプレビュー機能があれば問題はないと思います。

特にCMSなどではイラレでの「書き出し」の方法に注意すればなにもトラブルはないでしょう。

書き出し、というのは作ったデザインなどをアップロードできる形に変換すること。

この変換の何に注意するかというと「容量」についてです。

単純に書き出しをしたら5MBある図版だった、なんてことにならないようにWEB用に軽いデータで書き出す方法だけ検索してください。MBの単位のデータはWEBに公開するには重すぎるのでKBという単位の容量に変更します。

初心者ならば、そこまでレイヤー重ねて重い、なんてこともないと思います。むしろ、そんな力作に挑戦できたらすごいです。

印刷する場合に注意が必要なのは印刷物をプリンターでなく印刷所に入れる場合。ご自身のプリンターで印刷する場合はとくに注意点はありません。

プリンターで印刷するときに10MBあっても印刷できます。時間はかなりかかると思いますが。

やってみてダメならやり直しすればいいだけ。「イラレ プリンター 印刷できない」で検索してください。

印刷所に入れるときは容量制限がありますがMBのさらに上のGBまで対応していることがほとんどなのでそこまで気をつけなくても大丈夫です。

ただし力作に挑戦したならばデザインデータがどの程度の容量になっているか途中でチェックしましょう。

そのため気をつける必要がある、と書いたのは容量についてではなく「加工指示」についてです。

印刷物はイラレでただデザインをするのではなく、印刷した後の加工指示をデータ上に記してあげる必要があります。

簡単なところではトンボ、というカッコ書きを重ねたようなものを入れなければいけません。

トンボについては「印刷 トンボ」などで検索すると解説する記事がたくさんでてきますので詳しく知りたい方は検索してみてください。

広告製作費を安く済ませたい場合、印刷にはネット印刷を使用するとかなり安く仕上がります。

印刷所の営業の方とやりとりなどをせず、ネット上から紙の大きさや厚さなどを選んで自分で作ったデザインを直接入稿(入稿とはデータを印刷所へ送ること)するやり方です。

余談
印刷所の営業の方とやりとりをして入稿する場合、手書きのものをそのまま渡しても先方でデザインデータにしてくれたり、そもそもデザイン自体を依頼できたりと、本当に親切に対応していただけます。僕も印刷所の方に何度助けていただいたことか…。今回は経費を落とす、というテーマなのでネット印刷を挙げていますが、ハッキリ言って印刷物に関しても仕上がりは段違いで比べものになりません。いろいろ検討してやはり経費削減はあきらめ印刷所に依頼する、というのは経費削減をしないのであればクオリティの面から言っても最高の選択肢です。

加工や部数にもよりますが10分の1近い費用差が出ることもあります。

この際に便利なのがネット印刷会社が用意しているテンプレート。

いまのところこのテンプレートを用意していないネット印刷会社さんは見たことがありません。

上記のトンボ、や、イラレ側での設定などを初めから行ったテンプレートを用意してくれているので、それをダウンロードしてデザインすれば専門知識がなくてもある程度の手間を省いて作業ができます(100%ではないですよ、自分でCMYKに設定しないといけないときなどもあります)。

テンプレートにはイラレやフォトショ、ワード、パワーポイントなどが用意されていますが、印刷会社さんによって用意されているデータの形式がちがうので注意が必要です。

また、イラレ、フォトショにはVer.があるので、ご自身のVer.に合ったものを選択してください。

ワードやパワポはビジネス面では必須ソフトに近いのですでに持っている方がほとんどだと思います。

これらでも制作はできますが、イラレの方がどうしてもできることが多いので今後も広告制作を内製化していくならばイラレを使用することをオススメします。

ワード、パワポの場合制限が出てしまうこともあって、仕上がりに満足いくようにするには修練が必要だと思うんですよね。

昔のお客さんで某社の部長さんがパワポの達人で。雑誌の見開きのようなデザインを制作されていました。これが本当によくできていて、そのとき組んでいたデザイナーさんもパワポでこの出来は初めて見た、と驚いていました。

社内でも有名な資料づくりの達人だったようですが、なかなかその技術を他人が習得できずにいつも大切な資料づくりを任せられていつも疲れていたのは懐かしい思い出です。

ああいう仕上がりを見せられると「無理」とは言えません。チャレンジしたい人はパワポでがんばってみてください。僕にはできません。

細かな部分はネット印刷会社の注意事項をよく読んで

ネット印刷の場合はトンボ以外の注意事項をよく読んでください。

カラーをCMYKに変換、なんていう文言も出てきますがこのあたりは印刷会社さんが特に詳しく解説していますのでちゃんと読んでいれば問題ないでしょう。

ネット印刷の入稿システムも一昔前から進化している会社さんもあって、間違いがあっても入稿時にエラー表示で知らせてくれたり、一部システム上でいじれるようになっていたりしています。

初心者はエラーなどにびっくりすることもありますが、このあたりもさまざまな失敗談や、やり方の解説記事がWEB上には各会社別にごまんとあります。

いくつか事前に読んでおくと大体大丈夫です。

 

と、いうような感じでイラレがあるだけで省略できる広告製作費がたくさんあり、経費削減をしたい方には導入をオススメします。

すべてをできるようになる必要はありません。作りたいものの作り方を検索すれば大体やり方が出てきますので。僕もいつも円グラフの作り方を忘れて検索しています。

もう1つだけ注意点を挙げるならばPCとタブレットのこと。

WEB上にアップする、もしくはご自身で印刷をする場合にはどちらを使用しても大丈夫ですが、印刷会社に入れる際のデータは正直タブレットのほうはまだやりにくい部分があります。

そのうち解消されていくのでしょうが、初心者はPCで作業するほうが楽に感じる部分が多いと思いますのでいろいろ調べてご自身に合いそうだ、と思うほうを選んでください。

そう、このPCかタブレットか、ということもWEB上にものすごい数解説されていますから。

とにかく最初は分からずにミスすることもあると思いますがほとんどの人が同じ壁にぶつかっていますので、あまりニッチなソフトよりも情報の多い人気のものを使用したほうが内製化して経費削減するには便利です。

今回はここまで。さようなら。



ABOUTこの記事をかいた人

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大学卒業後に新聞社に入社、その後ビジネス書の制作を得意とする編集プロダクションに転職。フリーでWEBや紙媒体での企画、編集、執筆、撮影などを担当し、現在はモジカル編集長。趣味の料理が高じてレシピ記事なども制作。