ジャズドラマーなら抑えておきたい! レジェンドのイントロ4選

(以前にもドラムイントロについてピックアップした記事があるのでこちらこちらまだ読んでいない方はご覧ください)

今回はレジェンドジャズミュージシャンのドラムイントロを参考に「自分ならこんな風にできそう」というイントロを考える機会になればと思います。

というのも以前取り上げたドラムイントロは参考にできるものもあるのですが、どちらかといえば有名なイントロや特徴的なイントロをピックアップしたものが多かったので、今回はもっとドラマーの方にタメになる、を基準に選んでみました。

私自身もドラマーですから、イントロを出す時が一番緊張感が高まりどういう風にしようかな。。みたいになるのは少なからずあるというのはよく存じておりますw。

レジェンドのアイデアを少し参考にするだけでその時の緊張感や余計なことを考える負担が減ってパフォーマンスに集中できると思うので、今回は4つドラムイントロをピックアップして軽く解説していこうと思います。

王道なプレイヤーのドラムイントロを選抜

今回選んだプレイヤーはマックス・ローチ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ジミー・コブ、アート・テイラーの4人です。このプレイヤーの共通点は、

  • 分かりやすいタイム
  • はっきりしたフレーズ
  • バップフレーズ

というところです。

タイムがわかりやすいと拍を数えやすいのでフレーズやリズムを参考にしやすいですよね。

練習するときもレジェンドのタイム感を参考にするので自然といいタイムがついてくると思います。

フレーズがはっきりしているとモチーフになるリズムがわかりやすいですし気に入ったフレーズをいくつかピックアップしての練習もしやすいですね。

バップフレーズが大事になるのは言わずもがなという感じですがジャズのフレーズを知っておけば1フレーズ2拍だったり、長いものだったら2小節かせげます(こういう考えではあまり上手になれませんが)。

大体イントロは8小節です。覚えたフレーズを上手く活用できると流暢に叩けるようになるのでまずはこの4人のイントロを参考にしてみましょう。

Max Roach「Au Privave」

  • アルバム「Max Roach The Complete Mercy Sessions」
  • アルバムアーティスト/Max Roach
マックスローチ イントロ

まずはマックスローチです。今回選んだ中では古い年代なのでジャズドラムを始めたみんなが参考にするプレイヤーでしょう。

聞いたことがないという人なら、ジャズを演奏するためにはマストなドラマーなのでチェックしておきましょう。

今回は譜面にして参考にできるフレーズもピックアップしているのでぜひ試してみてください。

このイントロは最初4小節はライドでリズムを刻んでから後半4小節は太鼓系でフレーズを作っています。

他の曲でもマックスローチは同じような流れでイントロをやっていることが多く、必ずしもまるまる8小節フレーズで埋めているわけではありません。

2段目の最初の部分はローチお得意の3拍フレーズで、このフレーズはバップフレーズとしてこの手順で練習しておきたいところです。他の3人も同じフレーズを使っているくらいなので要チェックです。

このフレーズを2回繰り返していますがスネアとタムでオーケストレーションを変えることによって同じフレーズでも変化をつけています。

参考にできるアイデア

前半4小節リズムを刻んでから後半フレーズにする

同じフレーズを繰り返すとき叩く楽器をかえて聞こえ方を変化させる

Philly Joe Jones「Got To Take Another Chance」

  • アルバム「Philly Joe’s Beat」
  • アルバムアーティスト/Philly Joe Jones
フィリージョー イントロ

フィリージョーといえばスネア3つとバスドラ1つのフレーズであるタタタド。これは最も使われるバップドラムフレーズの1つです。

同じリズムでもこれを普通に叩いたりクロススティッキングで叩いたりと音色を変えることでフレーズのバリエーションを変えています。同じ楽器でも音が変わると全く違って聞こえるのでこのアイデアは活かせそうですね。

参考にできるアイデア

クロススティッキングなどで音色を変化

Jimmy Cobb「Joe’s Avenue」

  • アルバム「Someday My Prince Will Come」
  • アルバムアーティスト/Wynton Kelly
ジミーコブ イントロ 譜面

ジミー・コブのイントロはマックス・ローチやフィリーの影響を受けたようなイントロになっています。

特に2段目最初の部分や6、8小説目のフレーズはさっきマックス・ローチで出てきたフレーズです。

フレーズの使い方はフィリーと似ていますが音の感じとしてはジミー・コブの方が少し重たさを感じます。

Art Taylor「Blue Interlude」

  • アルバム「A.T.’s Delight」
  • アルバムアーティスト/Art Taylor
アートテイラー イントロ 譜面

この曲はブルースなのでイントロのドラムソロも12小節です。アート・テイラーはしっかりブルースのフォームにのっとっていて、かつテーマのメロディのリズムにも沿っています。

1、2小節目のフレーズがメロディのリズムとリンクしていて歌うようにイントロを叩いています。テーマのメロディをモチーフとしてドラムイントロ、これも参考にできそうなポイントです。

モチーフが繰り返されると聴いている側は耳にそのフレーズが何回も入ってくるので何を伝えているのかが明確になってきます。

アート・テイラーは何回も繰り返すというこの手法をよく使うのでこれも参考にしてみてください。

参考にできるアイデア

テーマのメロディをリズムのモチーフにする

同じリズムを繰り返して何を伝えるか明確にする

丸パクリはOK?

これらのイントロを参考にしてフレーズを作ることはそう難しくないと思います。なぜならフレーズをコピペするようにつなげていけばフレーズが出来上がるからです。

何をやっていいかわからない人は最初は丸パクリして覚えたフレーズを繋げてもいいと思います。ジャズの言語を覚えるという意味で大事です。

しかし、それをやれば見栄え(聴き映え?)はいいかもしれませんが自分が本当にやりたいものではないですよね。

ある程度フレーズの感じがわかった人は自分のアイデアが混ざるようにしていった方が説得力が上がります。

自分のアイデアを足してみる方法

レンジェンドを参考にする時に大事なのは

  • リズム
  • フレーズの手順
  • 歌い方
  • ルーディメンツ

だと思います。規則的な音の組み合わせができているところがフレーズです。使えそうなフレーズにはチェックしてあるのでまずは譜面と音源を参考にフレーズを増やしていきましょう。

ルーディメンツとはフラムや3ストロークラフなど特定のドラムの技みたいなやつです。もし知らなければアラン・ドーソンの教則本があるのでここに載ってあるルーディメンツを参考にすると良いです。

このルーディメンツを元にフィリーやジミーのフレーズができているのでルーディメンツと彼らのフレーズを照らし合わせながら練習するとバップフレーズの秘密が見えてきます。

自分でこれらを使って

  • オーケストレーション -どの楽器を叩くのか
  • ダイナミクス -音の大きさ(pp~ffまで)
  • リプレイスメント -何拍目から叩くのか
  • 音色 -タッチや叩く部分
  • 音価 -音符の長さ

を変えることで自分のアイデアとしてフレーズが昇華されます。

ここから先はご自身で考えてみてください。参考にできそうなアイデアもヒントになっているので使ってみてください。

答えを自分で探すのもジャズの楽しみ方の1つなので今回のポイントをまとめてドラムイントロにトライしてみましょう。



ABOUTこの記事をかいた人

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。