モジカル読者からジャズドラマー野澤さんへ聞きたいこと9選

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こんにちは、編集長のじさとしです。野澤さんの記事ですが、冒頭は私から。

いつもモジカルをご覧いただきありがとうございます。

読者の方にお店に来店していただいたり、モジカルの運営である野地サイクル喫茶部でジャズを聴きながらお茶やお食事を楽しんでいただけて嬉しいかぎりです!

かねてよりジャズ関連記事を執筆していただいている野澤さんへの質問などをお店でも聞いておりましたが(募集していた訳ではなかったのですがw)、今回一定数たまりましたのでQ&Aでお答えいただきます。

ある程度内容を編集し、同じような質問は1つにまとめたり、文章量の問題から添削させていただいておりますので、あしからず。

それでは、野澤さんへのQ&A、スタートです。

Aさんの質問

Q.いつも記事を楽しく拝見させていただいています。自分は学生時代から社会人23年目ごろまでトランペットを演奏していましたが、その後仕事が忙しくなるにつれ演奏から離れていました。

最近少し時間ができたので10年ぶりにまたセッションに行こうかと思っているのですが、この10年くらいでよく演奏されるスタンダードなど変わっているでしょうか。

自分のころはアナザーユー、アイルクローズマイアイズ、定番の枯葉、グリーンドルフィンストリート、グレーターラブ、ソフトリー、キャンディーなどが多かったと思います。

この曲は10年前くらいはそんなでもなかったけれど、今は覚えて転調して譜面を用意しておいたほうがいい、というものなどありましたら教えていただけると幸いです。

アンサー

自分も20代の最初の頃は毎週イントロやコットンクラブへジャムセッションへ通っていました。最近はコロナ以降セッションホスト含め数回しか行っていないのですが特に10年前と変わった印象はありません。

アナザーユー、枯葉、アウトオブノーウェアーやオールザシングスなど伝統音楽のようにみんな同じ曲を演奏しています。

選曲は納浩一さんが監修している「スタンダードバイブル」という通称”黒本”または”納本”を使ってジャムセッションの曲を選んでいるのでもしお手元になければ揃えてよさそうですね。

難しい曲でいうとStablematesやBud Powelなどやることがありますがこのへんは昔も演奏していた記憶があります。

違うところといえば、最近のジャムセッションの空気感でしょうか。

私が学生時代にジャムセッションに行っていたときは叩き上げのようなプレイヤーの方も多くいるように感じていました。

割と厳しめの意見を言われたり、初心者帯には意地悪するような演奏がセッション内で起こることもありましたが、最近は初心者にもやさしくみんなが楽しめるような雰囲気を感じることが多いでしょう。

セッションホストの人がいい雰囲気を積極的につくっていて、ジャムセッションの敷居は相当下がっています。

黒本から新しい曲を選ぶもよし、今までのレパートリーをブラッシュアップして挑んでも良さそうですので自分のペースでジャムセッションに参加してみるのがいいですね。

Bさんの質問

Q.ジャズを聴き始めて半年ほど経ちました。最初はサブスクで聞いていたのですが今はレコードを少しずつ集めています。

ディスクユニオンなどに行っては、1枚ずつ参加ミュージシャンなど確認しながら購入していますが、なかなかいい盤に出会いません。

野澤さんは前知識のないレコードやアルバムなどをどういう基準で集めたり、聞いたりしているのですか。

アンサー

私も同じようにディスクユニオンに行っては知っているミュージシャンから買うアルバムをピックアップしていました!

なのでもちろんハズレというかあまり自分に引っかからないアルバムもいくつかありましたが、何かしら意図があってこのアルバムを作ったのだろうと無駄に深読みして何度も聴き込んでいることもありましたね笑

前知識がない場合ディスクユニオンだと中古CDは視聴ができるのでそれを使うのがC失敗しない方法かもしれません。

さすがに気になるもの全部を聴くと大変ですが曲のテーマをいくつか聴けば良さそうかどうか判断できることが多いでしょう。

新譜コーナーもたまに視聴コーナーがありますのでそこで選ぶのもよさそうです。

ジャケ買いしたいときもたまにありますが予算と相談しながら買うようにしています。

新宿のユニオンは特にジャズコーナーが色充実しているのでオススメです!

Cさんの質問

Q.いつも興味深い記事ありがとうございます。野澤さんの記事でジャズに興味を持って、ジャズのライブに行ってみました。

地方住まいなので小さなお店でしたが、盛り上がっていて大変楽しいライブでした。

しかし、ライブ中の拍手のタイミングであったり、演奏中に喋りながら食事をしている人がいたり、料金システムがよく分からず、普通のライブと少しちがう雰囲気でとまどうときがありました。

今後また小さなライブハウスに行ってみようかと思っているのですが、ジャズのライブのマナーなどあるのでしょうか。

アンサー

ジャズライヴの経験いいですね! これからもライブハウスにもたくさん足を運んでもらいたいです。

ライブに行くための予約ですが個人経営でやっているお店なら基本的には予約しなくてもなくふらっと立ち寄って大丈夫だと思います。

地方のライブハウスだと東京や海外からくるミュージシャンは予約必須になってきますのでお店のホームページや電話で予約するほうが確実でしょう。

お店のホームページにはその日のミュージックチャージやオーダーの仕方が載っていることが多いので予約する時に確認しておくといいですね。

基本はミュージックチャージ+飲食代になります。ミュージックチャージは演奏者のその日の報酬になり飲食代はお店の利益になるので、そこでのミュージシャンやお店を応援するという意味でワンオーダー以上はしていた方がお店からもミュージシャンからも喜ばれると思います。

行く時間ですが開場時間より前にお店に着いても大変です。ギリギリまでミュージシャンがリハーサルをしていることがほとんどで、すぐにお店に入れるわけではないので開場時間に合わせてライブハウスに向かうといいと思います。

ライブハウスのマナーですが大声でのおしゃべりを避けていただければそんなに難しいルールはありません。

たまに酔っ払って大声で喋っている方がいますがミュージシャンは演奏に集中しづらく聴いている周りの方も気になってしまいます。

楽しみ方は人それぞれですが音を扱うお店ですのでその部分だけ気をつけてみてください。

写真を撮りたい場合は演奏が始まる前にミュージシャンに撮っても大丈夫なのか許可をとりましょう。

たまにミュージシャンからこの曲だけは撮っていいですよとアナウンスが入るときもあるのでそのときは大丈夫です。

静かなときにシャッター音が響いたりするとミュージシャンによっては嫌な気持ちになる方もいて、よくfacebookでミュージシャンやそのミュージシャンと繋がっているお客さんと討論的なことが起こっています。

繊細な問題ですので気をつけておいたほうがいいでしょう。

拍手のタイミングはソロが終わったらそのプレイヤーに向けて大きな拍手を送っていただけるとミュージシャンのモチベーションも上がり素敵なステージになると思います。

それとすごい! とか感動した! と思ったら拍手してもいいんですよ。

プレイヤーもリスナーもその場で起こっている音楽がよくなれば自由に楽しんでいいと思います。

Dさんの質問

Q.トニーウィリアムスの記事(編集部:こちらの記事)すごくおもしろかったです。昔のCDを何年ぶりかで聞き返しています。

ほかのドラマーとの違いを意識して聞くとおもしろいですね。

自分はソウルミュージックやファンクなども聞くのですが、ジャズのドラマー以外でこのドラマーが好き、という人はいますか。またオススメアルバムがあれば聞いてみたいです。

アンサー

ジャズを軸にして聴いているのでなかなか難しい質問ですね。

基本は心地よい音やスイングのファールを感じてイェーイとなりたいタイプなので他のジャンルの音楽を聴くことがあまりないかもしれません。

他ジャンルかわかりませんがトーマスプリジェンというゴスペル系のドラマーは爽快感があってたまにYoutubeで見ます。

オススメのCDはアンブローズ・アキンムシレイの「Prelude to Cora」やクリスチャン・スコットの「Rewind That」というアルバムです。結局ジャズ界隈のアルバムになってしまいますが笑

created by Rinker
Concord

それとブラジルのアイザックジャンバというドラマーもジャズ系とは違うブラジリアンミュージックを得意としたドラマーでかなり惹かれます。

普段聴く音楽とは違うグルーヴに魅了させられるのかもしれません。しなやかな体使いと自分にはないフレーズを持ち合わせているので聴いていて個人的に勉強になります。

Eさんの質問

Q.ジャズ好きなアラフィフです(笑)。

個人的にドラムが好きです。

ときどきライブに行ったときにある最後のリクエスト。あのリクエストでドラムの方が特にうれしい曲などありますか。

ピアノやサックスが目立つ曲が多くドラムの方が前面に押し出されれて、リクエストできる曲があれば知ってみたいです。

アンサー

これもなかなか難しい質問かもしれませんね笑

なぜならドラマーと他の音程があるプレイヤーとではコード進行やメロディの関係で曲によって演奏する難易度が異なってきます。

なのでドラマーがもらったら喜ぶリクエストだけをピックアップするのは大変かもしれませんが、

ドラマーが目立つ曲を挙げるとすると

  • Cute
  • St.Thomas
  • Oreo
  • I’ll Remember April

個人的にリクエストをもらって本腰入れようと思う曲は

  • Pent up House
  • Nica’s Dream
  • black Nile
  • Four
  • Stablemates

ゆったりめの曲だと

  • Con Alma
  • I’ll seeing you
  • Sandu

バンドの全員が演奏できれば

  • Dona Lee
  • Cheryl
  • Cherokee

このあたりが会場が盛り上がりますがリクエストの前の曲が静かなのか盛り上がってるのかでミュージシャンの体力的な部分やモチベーションもあるので、しっとりした曲の後であればこのリクエストは通りやすいでしょう。

Fさんの質問

Q.海外へも留学されていたり、いろいろなミュージシャンの方と演奏していると思うのですが、これまでで一番面白い演奏経験はどんなことですか。

また、これは天才だと思った人はいますか。

アンサー

一番面白かった経験はquestのピアニストで知られるリッチー・バイラークとの授業とセッションですね。

最初は何も知らずたまたま資料室でリッチー・バイラークの演奏の動画を見ていました。

その動画のリッチーはデイブ・リーブマン、ビリー・ハート、バスター・ウィリアムスと演奏していたのですが頭の中どうなってるんだと(笑)、凄すぎて笑いが出るほどテンションが上がるような内容でした。

その後の授業でクラスに行ったらリッチーバイラーク本人が座っていて、何がどうなってるのか混乱してテレビから本人が出てきたかと思ったほどです。

しばらくしてから先生が教室に入ってきて今回の特別講師だと紹介してくれその日はリッチーと一緒に演奏してアドバイスをもらうという授業に。

強烈な音とスピード感でついていくのが精一杯。

突然のキメも無茶振りされ「威力が足りない!」と何度も叫ばれ、スパルタでしたが音楽への愛と一緒にアンサンブルしようとする気持ちがひしひしと伝わりリッチーの音楽の深さを体感しました。。

私がニューヨークで通っていたニュースクールでのアンサンブルの授業は先生がリッチー・バイラークの元奥さんのリーアンレジャーウッドという方で、この先生にかなりお世話になりました。

気に入ってもらってたのかドイツに拠点を置いているリッチーが、ニューヨークに来た際は必ず自分とアレックス・クラッフィー(今はカートローゼウィンケルなどのバンドで活躍中)に声をかけてくれてリッチーとのセッションをセッティングしてくれました。

2時間ほどぶっ続けで曲を弾いてくれてこっちが疲れてきてもリッチーはまだまだ余裕を見せてましたね。

リッチーのアドバイスで印象に残ったのは「スタンダードの曲たちは素晴らしいものばかりだから今も多くの人に演奏されているんだ。もしスタンダードに飽きたという思考が頭によぎったらそれはお前の実力不足、アイデア不足だ」という言葉。

普通、毎日同じものを演奏していたら飽きた、と思っても仕方なく感じますよね。

しかしこのリッチーの言葉はあまりにも深く刺さりすぎて、今でも鮮明に覚えています。

天才だなと思った人はたくさんいますがニュースクールの中ではジェレミー・ダットンとカイル・プールの2人。

当時はカイルの方が学校内でも外のSmallsなどの有名ライヴハウスでも活躍していてコンテンポラリーもスイングもこなすプレイヤーでした。

今のエメットコーエンのトリオで叩いている感じとはスタイルが全然違いますね。そんなに練習している感じに見えなかったですが当時からすごく上手かったです。

それをさらに超える素質を持っているだろうと個人的に思っていたのがジェレミー。安定したグルーヴ感や鋭い音色は当時から光っていました。それでもそんなにカイルほど活躍することもなく活動は学校の中でおさまる感じでした。

ジェレミーと仲がいいベースの友達と話していてジェレミーは上手いのになんでもっと活躍しないのかと話していたことがありました。

「ジェレミーはあまり自分から話すタイプではなく静かだからね。カイルの方が明るくて取り入るのも上手いからたくさん活躍できてるんだろうな」みたいなことを聞きましたが、自分が卒業した後でジェレミーは同じニュースクールのジェームズフランシーズというこれ以上ない強力なピアノトリオのメンバーとして活躍することで世間に認知されました。

現在ではさまざまなバンドに参加することとなり、世界中を飛び回るようになっています。

こういう本物のプレイヤーが上に上がっていかないとなと思っていたので彼の活躍は本当に嬉しいですね。

才能あるプレイヤーをさまざまに見てきて言えることがあるとすれば、圧倒的な実力もそうですがそのときの巡り合わせや運が必要な場面も複数あり、超実力派の友達が活躍していないこともあったり、逆になんでこの友達がこんなに活躍しているのかと思うこともあったりと、音楽の世界はよくわからないと思うことが多々あります。

さっき挙げたアレックスクラッフィーも気は合っていたし上手いんですが他にも才能溢れるベーシストが何人もいたので、そこまで活躍するとは当時思いもしませんでした。

どこかで化けたのかもしれませんが、何がどうなるかわからないですね。

Gさんの質問

Q.もともとジャズ喫茶などによく通っていて、いま本やネットの記事などでジャズについてまた調べているジジイです。

194060年代、70年代と調べていくといつもマイルスデイビスの話題が挙がります。

時代を代表するようなミュージシャンたちの多くがマイルスと共演したりしていますが、今もプロのミュージシャンたちの間でマイルスの話になったりすることはありますか。

また、マイルス以降で氏のような活躍をされている人はいるのでしょうか。

アンサー

マイルスはジャズを語る中で切っても切り離せないプレイヤーでしょう。彼と関わったジャズミュージシャンは紛れもなく才能を開花させて独自のスタイルを形成しています。

今はミュージシャン同士であえてマイルスのことを語ることは多くないですが、ジャズを教える側になると必ずマイルスの話は出しています。

ビバップ、クールジャズ、モードジャズ、エレクトロ、フュージョン、R&Bという流れでジャズの可能性を広げてくれたのは他でもないマイルス・ディビスです。

これと匹敵するほどジャズに革命を起こした人は今見てもいないかもしれません。

近年でジャズの時代の流れを変えたといえばウィントン・マルサリス、ロイ・ハーグローヴ、カート・ローゼンウィンケル、ロバート・グラスパーが挙げられるのではないでしょうか。

マイルスはウィントンのことをよくは言ってませんでしたがジャズ界全体がフュージョンに向かっていった時期に電子的なジャズをアコースティックに戻したプレイヤーは彼です。

また複雑な変拍子などのそれまでよりも高度なことを使ってジャズをリバイバルさせました。

ロイ・ハーグローヴはプレイヤーとしても素晴らしいトランペッターでしたが、いろいろなジャズミュージシャンを育てたという意味ではマイルスと共通点があるように感じます。

自身のライヴの後もジャムセッションに出向いては若者と混ざって骨のあるプレイヤーに自身のバンドに参加しないか声をかけたり、アドバイスを送ったりするなど若いプレイヤーを無償で育てることにかなり積極的でした。

カート・ローゼンウィンケルはコンテンポラリージャズを形成してアコースティックとエレクトリック、スイングとイーブンのバランスを保った新しいジャズの形態を確立させました。

ロバートグラスパーはさらにそのコンテンポラリージャズからヒップホップを混ぜ、現在のジャズの路線はヒップホップサウンドのブラックミュージックに寄っています。

そういった意味では今あげたミュージシャンがジャズを多様化させていますが、元を辿ればマイルスが実験的な音楽や取り組みで切り拓いた音楽が彼らを刺激したのは間違いないです。

唯一無二に近いプレイヤーと言えるでしょう。

Hさんの質問

ミュージックアプリやYouTubeなどでよくジャズを聞くようになりました。野澤さんが定期的にチェックしているYouTubeなどのアカウントやサイトなどはありますか。

アンサー

NPR Music(アメリカの公共ラジオ局NPRのコンテンツ、現在はラジオだけではなくさまざまなインターネットコンテンツの配信などでも有名)のサイトはよく見ていました。

そこにミュージシャンのライヴ情報やライヴしたときの録音がついた記事があったのでそれを聴いていたのですが、いつの間にかTiny Desk(NPRの人気コンテンツでNPRの局内フロアで、限られたライブセットで行われる小規模なライブの映像コンテンツ)がメインとなっていたので、数年前からはYoutubeでこのコンテンツをチェックしています。

最近では日本人歌手の平井大が大林武のピアノトリオ(ベン・ウィリアムスとネイト・スミス)で演奏していてオススメです。

SF JAZZのYouTubeチャンネルもコンテンツが充実していて最近はケンドリック・スコットがリーダーでサックス、ピアノ、ベース、ドラムに加えてストリングスが入った演奏が聴けます。

他にも色々なミュージシャンの演奏が聴けたりジャズについてミュージシャン自身が語っている動画もあるので、映像コンテンツはアカウントに限らずさまざまに勉強になりますね。

それとこれもYouTubeですがヨーロッパのライヴハウスの「musig im pflegidach」で行われているライブの1曲をいい音質で投稿してくれています。アカウントはStephan Diethelm。

ニューヨークのミュージシャンもここで演奏しているらしくかなり定期的に新しい動画がアップされます。

今はアリ・ホーニグのバンドがアップされていますね。

しかもここのライヴハウスはクラビオットのドラムセットが置いてあり、多くのミュージシャンがクラビオットのセットを使ってくれているので耳が幸せです。

他にもそこのライブハウスに来てくれたドラマーに別室でソロで演奏してもらい、こちらも動画をアップしてくれて、ドラムソロも普段の曲とは違ったテイストで演奏してくれているのでドラマー目線でかじりついて見ちゃいます。

あとは大坂昌彦さんのチャンネルもドラマーに有益なフレーズやアイデアを教えてくれるのでチェックです。

面白さでいうと二見くんの「天才ピアニストゆうこりん」もたまに見たり、川村竜さんの「ミートたけし」チャンネルもミュージシャンとしてタメになるので見ますね。

新作を追うときはアーティストのSNSをフォローしておくといち早くアルバムとライブの情報をゲットできるので、FacebookやInstagramのアーティストをフォローして毎日チェックしています。

Iさんの質問

野澤さんが好きな演奏曲を教えてください。

アンサー

まずは好きな演奏曲をパッと挙げていきますね。

  • Prelude to a Kiss
  • Isfahan
  • A Flower is A Lovesome Thing
  • Chelsea Bridge
  • Upper Manhattan Medical Group
  • In Walked Bud
  • Well You Needn’t
  • Epistrophy
  • Stablemates
  • Isotope
  • Drifttin’
  • the Song Is You

きっとまだまだあるんでしょうが思いつく限りだとこんな感じでしょうか。

ドラマーはアップテンポの曲が好きと思われがちですが、ハーモニーが綺麗な曲や仕掛けがあるような曲が好みなのかもしれません。

まず上の5曲はビリー・ストレイホーンの曲でどれもコード進行やハーモニーが美しいです。

しかもメロディもそれに合わせると複雑でなんとも言えないハーモニーになるのでバラードでも好きな演奏曲になります。

それとセロニアス・モンクの曲ですね。

“In Walked Bud”や”Epistrophy”,”Well You Needn’t”の3曲はモンクの曲ですがモンクの曲をやるとクリエイティブな発想をしようとする傾向があります。

それはモンクの曲のメロディにはモチーフがたくさん散りばめられていて、それをうまく使いたいという心理が働くからでしょう。

スイング感が強いけど落ち着いた”Drifttin”や綺麗なメロディだけどアップテンポな”The Song Is You”は原曲やキースの演奏が素晴らしいのでそういう演奏を目指してやりたくなるのかもしれません。

ブルースだけどちょっと凝ったメロディになっている”Isotope”なんかもやってて楽しいです。

まとめ

皆様いつもご愛読ありがとうございます!

どうやったらジャズの良さがダイレクトに伝わるのか試行錯誤していますが、伝わっていると幸いです。

私自身も記事を書きながらジャズの凄みを再確認したり、新しい発見をしたりして、ジャズの奥深さを毎回のように感じています。

ジャズという音楽は、そもそも知識がないととっつきにくい音楽とは言われますが、裏を返せば知れば知るほど楽しくなっていく音楽ですよね。

これからもいろいろな情報をお届けできたらと思いますので今後とも楽しみにしていてください。

私もライヴをやっていますのでぜひ直接お会いしてお話しできればと思いますのでぜひこちらからチェックしてみてください!



ABOUTこの記事をかいた人

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野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。