日本のジャズドラマーの頂点 大坂昌彦が叩く超オススメアルバム6選

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こんにちは、野澤です。

前回に引き続き日本で活躍しているミュージシャンをピックアップしてみようと思います。

今回は私の師匠でもある大坂昌彦さんにスポットを当ててオススメ作品を紹介していこうと思います。

大坂昌彦(Drummer)

秋田県出身、1966年生まれで現在56歳ながらも日本のジャズシーンのトップで活躍し続ける超一流ドラマーです。

大学はアメリカのボストンにあるバークリー音楽院を主席で卒業。

その後ウィントン・マルサリスの兄弟のデルフィーヨ・マルサリスのバンドで叩いたりロイ・ハーグローブとも共演を重ねます。

英語もペラペラなのでエルビン・ジョーンズが来日した際には通訳をしていたり他の海外ミュージシャンとも対談するような場面もよくあったそうです。

現在は洗足学園音楽大学の客員教授の他にオルタードジャズミュージックスクールなどジャズの指導にも力を注いでいます。

ドラムだけでなくジャズ全般において知識が豊富です。ピアノやベースも弾けてコンポーザーとしてもずば抜けているので他のドラマーとはジャズへの理解度が段違いです。

その才能が大坂さんのリーダーアルバムでどれもしっかり聴けるのでセルフプロデュース能力も高くプレイヤーとリスナー間でバランスが取れた作品を世にたくさん出しています。

大坂さんのプレイスタイル

大坂さんはとにかくスイングジャズがずば抜けて気持ちいいです。オーソドックスなプレイをすれば唯一無二のグルーヴと音色で他の楽器を巻き込んで勢いよくスイングしていきます。

アートブレイキーのようなダイナミクスの付け方、フィリージョージョーンズのような正確さ、エルビンジョーンズのような転がっていくような3連のフレーズ、ジェフワッツのような豪快さを合わせたような圧倒的バランス力のあるドラムを叩きます。

ジャズが好きだっていうのが滲み出ているプレイなので一度大坂さんのプレイを(特に生で)聴けば圧倒されること間違いなしでしょう。

もちろんスイングだけではなく変拍子やイーブン系の今流行りの音楽をやってもそこに自分をしっかりチューニングできるのがすごいです。

若いプレイヤーで技術的にすごい人も今増えていますがベテランの力は圧倒的ですね。

それでは過去の作品と最新版をピックアップしてみたのでぜひ最後まで見てください。

参加作品

・The Jazz Networks「The Tokyo Sessions」

メンバーはロイ・ハーグローブ、アントニオ・ハート、椎名豊、嶋友行、大坂昌彦の日米混合グループです。

当時かなり勢いのあったメンバーなので1曲目の”Bohemia After Dark”でいきなり最高潮を出し惜しみなく見せてきます。

2曲目はジャズの渋いところをついた選曲でアントニオハートのサックスがいい味を出していますね。

このアルバムは他にも”Work Song”や”Alone Together”に”Lotus Blossom”などマイナーキーの曲が多く上の世代の日本人の好みにかなり刺さりそうな選曲になっています。

全編通して大坂さんのスイングのドライブ感が気持ちよくソリストにピッタリくっついていくようなバッキングがいいですね。中でも”Lotus Blossom”のスイングはとてつもなくかっこいいです。

・EQ「The Earth Quartet」

小池修(T.Sax)、青柳誠(Piano)、納浩一 (Bass)、大坂昌彦のカルテットです。日本人でジャズをやっているなら説明不要なくらい有名なバンドですね。

このアルバムはEQとして初のアルバムです。かなり攻めた内容になっていてメンバー全員がこのバンドに力を入れているのがよくわかります。

1曲目のタイムモジュレーションやキメが盛り込まれた曲から始まり2曲目もそのまま勢いを繋いでいくガツガツした内容で好印象です。今の時代にはなかなかないですね。

攻めた内容ですがアルバム全体を通して聴けるようにトラックの順番にもかなり注意をはらって選曲されているのもいいです。

リーダー作品

・「Hommage」

個人的ですが私が最初に大坂さんのアルバムをしっかり聴いた思い出深いアルバムです。

全然アルバムの内容とは関係ないですが大坂さんはアウディが好きすぎて今作のアルバムのジャケットにはアウディが登場しています。

アルバムタイトルは「オマージュ」ということでジャズレジェンドたちの曲を大坂さんなりにオマージュした作品になっています。

全編ライヴレコーディングとなっているので勢いやインタープレイが濃い内容となっていますね。

最初の”Cherokee”もピアノの海野さんのフリーのイントロで始まり、その後ピアノの海野さんが2小節でテンポを出すと大坂さんと安ケ川さんが瞬時に反応してバンドで曲を演奏していきます。

本人はこの時のことを想像よりはるかに速すぎてびっくりしたとインタビューで語っていたのを雑誌かライナーノーツで見たことがありますが本当に速いです。。

個人的には”E.S.P”や”Afro Blue”など勢いがあるグルーヴが好きでかなりリピートしました。

他にもよく知っているスタンダードナンバーだったりオスカーピータソンの名曲だったりアルバムを通しで聴いても最後まで十分に楽しめる内容になっています。

・「Funky 7」

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ポニーキャニオン

ジャズの代名詞としてでよく使われる”ファンキー”という部分をテーマに作られたアルバムです。

タイトル通り大人かっこいい曲をかなり揃えていて”Moanin'”や”The Sidewinder”、”Mercy, Mercy, Mercy”などどれもファンキーな選曲がされています。

“Blue In Green”も7拍子のグラスパーが連想されるアレンジで現代的なファンキーさを表現しています。

どれをとってもファンキーだなという感想が出てくるくらいコンセプトが一貫しています。個人的には”F.D.R”と”U.T.B.”がオススメです。

・「Assemblage」

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Forecast Jazz

このアルバムは過去の大坂さんのリーダーアルバムの中でもオリジナルが多く収録されたアルバムになります。

オリジナルはコンテンポラリーを感じられるものが多く1990年代のコンテンポラリージャズから最近流行りなサウンドがするコンテンポラリージャズまで意識したかのような曲が盛り込まれています。

メンバーは山田拓児(A.sax)、西口明宏(T.sax)、今泉正明(piano)、千北祐輔(bass)のメンバーでアルトとテナーの2フロントになっています。

繊細で綺麗な音色から野太くワイルドな音色まで幅広く出せるフロントのお二人なのでストーリーが感じられるようなアルバムに仕上がっています。じっくり日本のコンテンポラリージャズを楽しみたい方にはかなりオススメです。

•「Tricolage」

トリオの編成ということにこだわり抜いて作ったアルバムです。ベースは川村竜、パット・グリーンのお二人を軸にしてメロディを弾くプレイヤーを毎曲ごとに変えています。

アルバムトラックもスタンダードナンバーに絞られています。

特に1曲目の”A Night In Tunisia”はトランペッターの曽根麻央をフィーチャリングして強弱やリズムの緩急を使いながら絶妙なインタープレイをしてきます。聴き馴染みのあるスタンダードですがかなり面白いですね。

他にもピアノトリオの編成やギタートリオでリズムセクションでしかできないインタープレイをみせたり、トランペットやサックスとのトリオでコードに縛られない自由な演奏をしたりするなどトリオでしかできない楽しさを余すことなくこのアルバムで表現しています。

普通は小編成になればなるほどこじんまりしたりサウンドになり寂しくなってしまいますがそういうことが全く感じられません。見事に大坂さんのコンセプトが再現されたアルバムになっています。

以上大坂さんのおすすめ作品をピックアップしてみました。本当にどれもオススメなのでストリーミングで探したりアルバムを注文してぜひ手に取ってみてください。

普段は脂が乗ってて聴きごたえのある旬の人たちを追いかけがちですがベテランのプレイヤーも凄みがあります。要チェックです!

 



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野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。