ジャズフレーズの参考の効率的な探し方

ジャズフレーズ、もしくは単に省略してフレーズという言葉、聞いたことありますか?

初心者がアドリブを学ぶのにとても便利なものなのですが、そもそもジャズフレーズはどのようにして探していけばいいのでしょうか?

今回はそのためのアイディアをご紹介したいと思います。

そもそもジャズフレーズとは

ジャズフレーズ(以下省略してフレーズとする)とは多くの場合、ジャズで頻繁に用いられるコードチェンジであるトゥーファイブワンに沿ってアドリブに使えるメロディのことを指します。
※もちろんトゥーファイブワン以外のコードチェンジでもフレーズは成立し得ます。

ですからこのフレーズをいくつか演奏できるようにしておくことによってアドリブの演奏もスムーズにこなせるようになってきます。

これでは分かりづらいという方へ向けて、ちょっと例え話です。

あなたが海外旅行をするために英語を勉強するとします。

そういうときには文法や単語を勉強するのが一般的ですが、それだけではなく「旅先でとっさに使える例文集」みたいなものも実用的で助かったりしませんか?

フレーズを演奏で使えるようにするというのもこの例文を実際のシチュエーションで使うのに似ています。

とはいえフレーズ(例文)をとにかくたくさん覚えさえすればどんな曲(シチュエーション)でもアドリブ(英会話)がうまくいくというわけではありませんし、逆にフレーズなんて覚えなくてもアドリブはできる! なんてのも決して嘘ではないにしろ、上達する効率という面では問題を抱えているように感じます。

というわけでアドリブを上達するためにいくつか存在する手段の一つとしての「ジャズフレーズ」、どうやって増やしていけば良いのか考えてみましょう。

やっぱり王道はトランスクリプション

以前も書いたことがありますが、フレーズ習得のためには……というよりそもそもジャズのアドリブ上達のためにはトランスクリプション=耳コピは非常に有効です。

耳コピと言っても単に真似をするだけでなく、きちんと楽譜に書き起こすことによってより効果的にジャズのフレーズや音のニュアンスをものにすることができます。

確かに初心者の方にとってはアドリブソロを聴いて耳コピするなんて難しいかと思われるかもしれません。

しかし、トランスクリプションをするからと言って必ず一曲丸ごと取り組まなくたって良いんです。

気になった2小節や4小節だけとか、少し慣れてきたら半コーラスなど、その人のペースに合った分だけやれば良いのです。

頑張って2小節だけ耳コピしたフレーズを、ジャムセッションでたまたまうまく使うことができたらその次へのモチベーションも生まれますよね?

ですからトランスクリプションだといって大げさに考えるのではなく、できそうなところから少しずつつまみ食いしていくようにトランスクリプションを始めるのが良いと僕は思います。

Roy Hargroveからスタートするトランスクリプション

トランスクリプションにおすすめの参考音源

過去記事の通りロイハーグローブの音源なんかはおすすめですし、これも別の過去記事で書いたかもしれませんが、この音源のルイスミス(1分55秒~)なんかは「おめー何かのフレーズ集そのまま吹いてんだろ?(笑)」と言いたくなるような非常にトランスクライブしやすい音源です。

しかも各ソロの1コーラス目は原曲キー(Eb)、2コーラス目は全音上げ(F)ですから一つの音源で2度美味しい、大変素晴らしい教材です。

特にプレイヤーにこだわりはなく、とにかく何か一つトランスクリプションしてみたいという方はぜひこの音源からスタートされることをおすすめします。

フレーズ集

普段働いてるし、ちまちまと時間をかけてトランスクリプションなんてやってられない!

ジャズフレーズが手に入るなら既に書いてあるフレーズ集に頼った方が効率的だ!

と考える方にはオムニブックをはじめとするさまざまなフレーズ集に頼るという手段もあります。

しかし先に挙げた過去記事を読んでいただければ分かるとおり、トランスクリプションには単にフレーズを演奏できるようになる以上のメリットがあります。

しかしそれでも労せずに多くのフレーズを手に入れることができるフレーズ集は魅力的です。

見方を変えれば、他の事は置いておいてもとにかくフレーズを演奏できるようになってジャムセッションで切磋琢磨すれば良いんじゃないか!? という考え方も可能です。

ジャズの演奏を上達するための道筋は決して一つだけではありませんから、このような考え方だって大いにありだと思います。

そういった方にとってはフレーズ集は強力な武器となってくれるのではないでしょうか。

最近ではジャズフレーズが収録されている有料スマホアプリも出ていますが、もしお金をかけるのなら個人的にはチャーリーパーカーのオムニブックなどがおすすめです。

……ここまで書いてみて少し調べてみたら様々なプレイヤーによるオムニブックが出版されているということに気づきました。

マイルスやコルトレーン、最近の人ではウィントンマルサリスのオムニブックまで出版されています。

C,Bb,Eb各キーの版が出ているうえにキンドルにも対応しているので非常に便利です。

無料でジャズフレーズを手に入れたいなら

フレーズ集はたくさんフレーズが載っていて便利ですが、どうせ一度に練習できる数は限られていますし、いくつか覚えたら途中で飽きてしまうこともしばしばです(実体験)。

ジャズフレーズを演奏できるようになりたいけどトランスクリプションは嫌だ! フレーズ集も長続きするか分からない!という方はまずはこちらから始めてみてはいかがでしょうか。

@jazztrumpet_294

え、えーっとステマじゃないですよお? たまたまタイミングよくこのテーマで書いてくれって言われたから仕方なく(笑)。

先月から「スタンダード曲でそのまま使えるジャズフレーズ」と銘打ってジャズスタンダード曲からそのまま抜粋したコードチェンジに沿ったフレーズを演奏動画、そして楽譜と共にツイートしています。

基本的には初心者向けにシンプルなフレーズを中心に、たまにトゥーファイブワンというくくりから外れ、多くのプレイヤーを悩ませるようなコードチェンジで使えるフレーズも取り上げる予定です。

ぜひ参考にしてみてください。



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。