丼にもOK 見た目にもこだわるまぐろの漬け

まぐろ 漬け

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まぐろの漬け

実は、僕はまぐろがあまり好きではないんです。

半年に1回食べるかどうかに等しいんですが、漬けだけは別格。

今日はビールでも飲みたいな、と思うと、まぐろの漬けを仕込みます。

江戸前寿司では定番のメニュー。

冷蔵技術の整っていなかった時代の、日持ちをよくすることを目的とした調理方法です。

寿司ネタとして知っている人も多いと思いますが、ツマミでもご飯のあてにも結構いけます。

まぐろの下ごしらえ

まぐろ 漬け
まずはたっぷりお湯を沸かしましょう。まぐろ 漬け
まぐろのサクです。サク、というのは血合いなどを除いた、お造りにする前の状態。

スーパーなどでも売っています。

お魚屋さんでは、お造りになってしまっている場合も多いですが「サクでください」とお願いすれば切り出してくれます。

今回はスーパーで買ってきました。そう! 漬けにすると、スーパーのまぐろでも問題なし。十分、人にだせる一品になります。

もちろん、いい素材であれば仕上がりは大いに変わりますが。
まぐろ 漬け
まぐろのサクを霜降りにするためにキッチンペーパーをかけます。霜降り、とはお湯でサクの周囲に一仕事すること。

食感もよくなり、漬けにしても旨味が外に抜け出さなくなります。

今回はお湯で行う霜降りですが、皮目を焼く焼き霜という方法もあります。

まぐろ 漬け
キッチンペーパーをきっちりかぶせます。手でぎゅうぎゅう押しちゃいましょう。

なぜキッチンペーパーを必要とするかというと、熱の通り具合を均一にするためです。サクに直接お湯をかけると、お湯がかかったところだけが白くなり、見た目にムラができてしまいます。

また、霜降りをすると調味料のしみこみ具合も変わります。

霜降りにムラができるこで、味にもムラができると寂しいので、キッチンペーパーをかぶせ、お湯をまんべんなく行き渡らせるようにしてください。

まぐろ 漬け
横部分にもしっかりとかぶせます。

まぐろ 漬け
キッチンペーパーの上から、お湯を細く垂らしていきます。1箇所だけでなく、全体にかけまわすようにしましょう。

まぐろ 漬け
お湯が白っぽくなります。30秒ほどそのまま置き、熱を通しましょう。

まぐろ 漬けお湯とキッチンペーパーを捨て、裏返しましょう。

さきほどと同じようにキッチンペーパーをかぶせ…

まぐろ 漬け
またお湯をかけ回します。

まぐろ 漬け
霜降り完成。これでサクの下ごしらえは終了です。

まぐろ 漬け
深めの、蓋のできる容器に移しておきましょう。本来、霜降りを終えたら氷水でサクを締める必要があります。お湯で身がゆるくなりますからね。

このままお造りにするなら氷水にとってまぐろの身を締め、包丁で切ってください。

今回は醤油に漬けるのでその過程でサクが締まってしまいます。

そのため、氷水は必要なし。保存容器に入れたら、少し常温にさらしてあら熱をとります。

漬け汁

まぐろ 漬け
まぐろのあら熱を冷ましている間に、漬け汁を作りましょう。日本酒を火にかけアルコールを飛ばします。

日本酒の量ですが、保存容器3分の2くらいに、日本酒:みりん:醤油を1:1:1の分量で漬けたいので、そこから判断しましょう。今回は、カップ1杯半くらい。

まぐろ 漬け
日本酒が沸いてきたら、鍋のヘリを火に近づけ火を移しましょう。

この火が消えればアルコールがしっかり飛んだということです。結構大きな火がでるので、ちょっと…。

ということであれば、顔を鍋に近づけてみて、アルコール独特のキツさがなければ大丈夫です。

ただし、火を近づけなくても熱で発火することがあるので、お気を付けください。

まぐろ 漬け
日本酒が少し冷めたら容器に入れます。一緒に、ミリン、醤油も入れましょう。

分量はミリン、醤油ともに日本酒と同量いれます。

日本酒・ミリン・醤油を同じ鍋で一度煮詰めてもいいですよ。

特に、ミリンを開封してから時間が経過している、そもそもミリン自体の風味がいいものではない場合は、煮詰めたほうがクセがとんでおいしいです。

今回使用したのは開けたての本みりんなので、そのまま使用します。

まぐろ 漬け
入れ終わるとこんな感じ。

まぐろ 漬け
蓋をして冷蔵庫にいれましょう。このまま3〜4時間漬ければ食べられますが、僕はミリンと日本酒の香りを濃いめに漬けたいので一晩漬けます。

さらに、仕上がりをよくするため、もう一手間かけましょう。

まぐろ 漬け
4時間後、冷蔵庫から取り出しました。

まぐろ 漬け
画像の通り、サクの下側だけに漬け汁が染み、上の方はつかっていません、このムラをなくすため、裏返しましょう。

まぐろ 漬け
蓋をして冷蔵庫に戻します。

まぐろ 漬け
1晩経過して、こんな感じ。

そぎ造り

まぐろ 漬け
実は、我慢できなくて夜中にツマミ食いしちゃいました。

そのため、端が既に切れています…。

まぐろ 漬け
さて、お造りにしていきましょう。

お造りとは、読んで字のごとく形を造るだけ。

のこぎりのようにギコギコ包丁を動かさず、できるだけ少ない動きで切りましょう。

ただし、家庭の包丁は職人の柳刃包丁のように切れないので、おおむね、2回包丁を引いて切るようにしましょう。

まぐろ 漬け
最初は大きめでいいので、ななめに造ります。

その後、画像のように上部に斜め部分をもっていき、上から右斜め下に包丁を入れると、切りやすくなります。

これは、そぎ造りと呼ばれる作り方、の簡易版。

そもそも右側に切っていってるし、職人さんならこの切り方では怒られてしまいますが、前述の通り、家庭用包丁なら2回は包丁を動かさなければいけない上に、かなりむずかしい。

そのためちょっとの不作法には目をつぶってください!

まぐろ 漬け
今回は、薄く造っていきます。

漬けまぐろは味濃く仕上がるのであまり厚い造りにすると、ちょっと塩気がキツイという人もいます。

僕は気になりませんが、薄くしたほうが食感もいいので。

まぐろ 漬け
向こうが少し透けるくらいが好きです。

このくらいの薄造りで2回包丁を引く作業をすると、半分くらいで切り分かれそうになってしまうこともあります。

それでも気にしなくて大丈夫。食べるときにはあまり気になりません。

この調子でサクサク造っていきましょう。まぐろのサクとかけました。つまんないですね、はい。

角造り

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今回は、そぎ造りの他に角造りで、もう一手間かけたものを造ります。

半分くらいそいだら、斜めになった部分を画像のように切り離します。

まぐろ 漬け
その後、サイコロ状にしていきます。本来、角造りは長方形の、少し大きめの造りです。

これ、角づくりって言っていいのかな…。

あれに似ている、ポキの切り方…。ポキ造りにしよう。

まぐろ 漬け
ボウルに入れます。小さいやつで十分。

まぐろ 漬け

大葉を用意しました。こいつを使いましょう。

まぐろ 漬け
大葉は、手の平にのせ、かるくたたきましょう。

強くたたきすぎると葉に穴が開いてしまったりするので注意。

その後、画像のように少し太めの千切りにします。

何故太めにするかというと、漬け汁の風味が強いので、細いとあまり大葉の香味を感じないからです。

白身魚や普通のお刺身なら細くしないとお魚の風味を消し過ぎてしまうので、血の強い赤身で漬け用です。

まぐろ 漬け
ミョウガも千切りに。こちらは大葉よりもずっと香味が強いので、できるだけ細くしましょう。

太いと食感も強すぎてまぐろのもっちりした部分を味わえなくなっていまいます。

まぐろ 漬け
まぐろ、大葉、ミョウガをボウルに入れたら、ゴマをかけます。白ゴマがいいですね。

 

まぐろ 漬け
今入れた薬味で醤油の塩味が少し薄くなりますので、漬け汁をほんの少し加えて混ぜ合わせます。

特にミョウガは塩味をだいぶやわらげるので、この時点で一度味見を。

ポキ造り盛りつけ

まぐろ 漬け
お皿に盛りつけて完成です。

大葉、ミョウガの香りが夏らしく、赤身のまぐろのクセが消えます。

そしてなんといっても、ゴマが合う。

まぐろの赤身は天然・養殖などを問わず、ゴマがとにかく合う。

すりごまに吸い地を加えたものに、まぐろを合わせてもおいしい。

今回は、霜降りの食感もよく、ミリン・日本酒の香りが薬味の香りと合わさって、複雑な味わいに仕上がっています。

まぐろ 漬け
ビールを1本抜きたくなっちゃうなー。

そぎ造り盛りつけ

まぐろ 漬け
そぎ造りは、長ネギの千切りをあしらいに使用しました。ネギを中央に盛り、醤油をひとたちかけて完成です。

長ネギは、千切りした後に氷水にとると辛みも抜け、シャキッとします。

氷水にとった場合は、キッチンペーパーにネギをのせ、水気を取り除きましょう。

触って水分を感じないくらいにするといいですね。

ただし、あまりぎゅうぎゅうと押すとネギのぬめりが外に出てしまい、ネギもシナッとしてしまいます。

あくまで、水分をしっかりと吸い取るまでに留めましょう。

まぐろ 漬け
そぎ造り、もしくは薄造りにしたものは、ピンと張った状態で盛りつけると美しくなります。

フグのお刺身なども一緒ですね。

今回、角造りで使用したのでかけませんでしたが、ゴマを上からふりかけても味・見た目ともによくなります。

酢飯の上に丼とするときにも、画像と同じようにピンと張って盛りつけ、ご飯を隠すようにすると、おいしそうになります。

完成

以上です。3人前くらいなら、1つのサクで2品は造れるので、うれしいですね。

まぐろ 漬け
さあ、ビールも用意しちゃったのでここまで。
いただきまーす。



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大学卒業後に新聞社に入社、その後ビジネス書の制作を得意とする編集プロダクションに転職。フリーでWEBや紙媒体での企画、編集、執筆、撮影などを担当し、現在はモジカル編集長。趣味の料理が高じてレシピ記事なども制作。