焼いた肉の下に敷いたパスタで飯を食う

大学生のときに通っていた定食屋さん。久しぶりに行こうと思ったら、閉業されていました。

ここで食うニンニクを効かせて焼いた牛肉、皿盛りのご飯、うまかったんだけどな−。

もうあれを食べられないのか…、と思ったらちょっと悲しい。

しようがないので記憶を頼りにレシピを再現したらかなりの完成度でしたが、なぜか満足感が足りない。

なぜだ。

分かった。

パスタがねえからだ。

焼いた肉の下にパスタを敷く

思い出のお店では、お肉の下にパスタが敷かれた状態でサーブされていたんですよね。

よくよく考えてみると、焼いたお肉の脂、この脂を含んだコッテリとした醤油(お肉を醤油で炒める上に卓上のニンニク醤油をかけて食べるタイプだったのです)、これらの染みこんだパスタこそ最高のおかずだった。

お肉よりもこちらのがうまかったのではないだろうか。

一口目はお肉で最後の方はパスタでご飯を食べていたと思う。というより、最後にパスタでご飯を食べるのが楽しみだった。

こうなると、メインはお肉ではなくパスタということになりますね。

食いてえ、でも、自宅の近所にこのような一皿を出すお店はない、ならば作ろう!

焼いた肉 パスタ

ということで晩ご飯。お肉を焼きました。

パスタはあえて少量にすることが重要。

多すぎると見栄えが悪いし、あくまで脇役ぶらせることが食欲を湧かせる。

ま、最後には主役を食っちゃうんですけれどね。食事だけに。

ううん、パスタはお肉の脂でテラテラです。

なんというか、このパスタを食べるのに、背徳感を感じる…。

以前、僕の食事メニューを見た友達が「山寺の坊さんが食う飯」と称したほど肉類を食卓に上げないため、このような高カロリーかつ高炭水化物なものを食べるのは久しぶり。

なんか悪いことしているみたい…。

食べますけれどね。

ズルズル。うん、パスタだけで食べてもうまいわ。あえてズルズルと音をたててすするのがおいしい。

肉の旨みの詰まった脂醤油(あぶらしょうゆ)に塩、コショウ、醤油が効き、小麦のうまみが最高に際立っている。

こうやって書くと、ラーメンだな。

焼いた肉 パスタ

ご飯もお茶碗ではなく皿盛りにしました。

雰囲気抜群だぜ! お肉、パスタをご飯にバウンドさせ、食う…。

ああ、これだ。これを食べていたんだ。貧乏大学生のころ、バイト代が入ったら必ず通ったあの店…。

肉だけではない、パスタだけではない、ご飯だけではない、この3すくみの組み合わせこそ腹をすかせた学生時代のごちそうだった…。

焼いた肉 パスタ

ご飯とパスタだけでもおいしい。

炭水化物で炭水化物を食う。ジムのトレーナーが見たらぶち切れて家までおしかけてくるでしょう。

焼いた肉 パスタ

あえて最後まで脂に浸しておいたパスタ。

焼いた肉 パスタ

を、ご飯の最後の一口と共にかきこむ…。

コッテリ!

うっま。

満足感、感じさせていただきました…。

汁気の多いお肉でパスタを食べる

これ、もっと汁気の多いお肉料理にしたらおいしいのでは。

生姜焼き パスタ

今度は豚ロースの生姜焼きにパスタを敷いてみました。

ちなみに、ロースにかかるタレは僕が1年くらいつぎ足しては冷凍し、を繰り返しながら作っているタレです。

生姜焼き パスタ

見た目はこちらのほうがいいですね。

やっぱりちょっと茶色がかったタレの色味がパスタに合います。

生姜焼き パスタ

では、ご飯にバウンド後、いただきまーす。

うん、うん、うん?

なんか、この前のほうがおいしいかも。

確かに見た目もよくなったのですが、なんというか、こう、パスタにまとわりつく脂の感じがさらっとして。

スープパスタ、というとおかしな表現ですが、おかずになるパスタっていう感じがない。

ご飯なしで豚ロースの生姜焼きとパスタという一品料理になってしまっている。

生姜焼き パスタ

決して味が薄い訳ではないのだけれど、なんかさっぱりしていてパンチがない。

パスタをおかずに飯を食うには、もっと肉の脂をまとわせないといけないのか。

よし、では次はこいつだ!

ハンバーグとデミグラスソースにパスタを敷く

ハンバーグ パスタ

牛のハンバーグにパスタを敷き、デミグラスソースをたっぷりかけました。

このデミグラスソースも2年ほどつぎ足しながら自家製したものです。

つぎ足す際にはワインや野菜のコンソメのほかに牛、豚、鳥などの肉類を焼いた脂、骨を煮込んだ汁などを加えているので、結構コッテリです。

これならパスタもごはんのおかずになるだろう。

ハンバーグ パスタ

では、パスタを、いく…。

ズルズルズル!

なんかそうでもない。なんつーか、デミグラスソースをかけたパスタ。

いや、まさにそのままなのですが、最初の焼いたお肉に敷いたもののようにご飯のおかず感がない。

パスタ料理としておいしいけれど、おかずパスタではない。

ハンバーグ パスタ

崩れたお肉なんかと一緒に食べたらまたちがうかな。

ズルズル!

うーーん、なんかちがうな。

これ、香りが良すぎるんだ。

デミグラスソースは野菜類やワインなどの香りがするので、かなりお上品です。

これがどうもおかずパスタになりきれない要因のよう。

もっと肉そのものの香りでないとご飯と合わない。

こちらも、ハンバーグとパスタで一品料理になってしまっている。

そういえば、生姜焼きもショウガや煮きりなどで香りがよかった。

つまり、パスタを敷いた肉をたべるには、あまり香りをつけてはいけないということだ!

勉強になりました。

みなさんも肉に敷いたパスタでご飯を食べる際はなるべく香りのいい食材を合わせないように!

肉々しいのが、いちばん合うようです。

 

実際作ってみると、思い出のお店の味は計算尽くされた味わいだったのだと分かる…。

またちょっと、寂しくなった。



ABOUTこの記事をかいた人

大学卒業後に新聞社に入社、その後ビジネス書の制作を得意とする編集プロダクションに転職。フリーでWEBや紙媒体での企画、編集、執筆、撮影などを担当し、現在はモジカル編集長。趣味の料理が高じてレシピ記事なども制作。