ハギレ生地の桜柄を着物リメイクTシャツに

着物リメイクの安藤です。
引き続き、7月の着物リメイクTシャツの販売会に向けて製作を続けています!
着物リメイク
今回の連載のお題は、波模様に桜と松の柄⋯色味は地味目ですが大胆な春の柄行きの着物生地です。

こちらは長さはありますが風景画的な大きい柄の展開なので、柄を切らずにどう活かしていくかが問題です。

写真では生地幅がそのままある部分だけを見せていますが、実は隠れている部分はカットされていて幅が細くなっています。どう生地を使っていくか⋯。生地の使い方にかなり工夫が必要です。

この生地から「2着のTシャツ」を作りたいと思っています。

まずは、長さを利用できる部分をできるだけ無駄のないようにカットし、ロングTシャツの前身頃に利用することにしました。

合わせるのは紺色のジャージ生地です。

前身頃の中心に入れこむよりも桜の枝ぶりからして脇の方から出したいと思い、前身頃の中心から無地部分と柄部分を左右で二分、右半分だけを桜生地にしました。

かなり大胆な切り替えにはなりますが優しい柄行きなので、どなたにでも似合いそうな日本らしい、けれども、どこにも売っていない貴重な1枚になったと思います。

後ろ身頃ですが⋯紺色の無地だけになるのはつまらない気がして、遊び心を加えたくて「ワンポイント」を付けることにしました。

ワンポイントはよいけれど、利用したい柄部分をカットすると二着目を作るのが厳しくなりそうなので、とりあえず二着目の利用生地を先にカットし、その余り生地から活用しました。

結局、利用したかった柄の所は使えなかったけれど、後ろ身頃を無地にしておくよりはいいと思い、桜の花の部分を付けてみました。

イメージよりチョット可愛い色使いになってしまいましたが⋯、ないよりはよかったかなと思います。いかがでしょうか?



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多摩美術大学染織科を卒業後、1970年代後半から日本のテキスタイルデザイナーとしてパリのオートクチュールにも採用された松井忠郎の四季ファブリックハウス、刺青プリントTシャツで話題になった坂井直樹が帰国後に設立したウォータースタジオなどで腕をみがく。その後、仲間と共にデザイン事務所 スタジオ'K3を立ち上げファッションからインテリア、日常のファブリックにいたるまで幅広くデザインにたずさわる。出産を機にフリーに。以降しばらくの間デザインの世界を離れ、フルオーダーの洋服制作を行うかたわら、母の死をきっかけに着物の価値を再認識。着物リメイク作家としての活動を始める。