男物の肌襦袢、ワンピースに仕上がりました

男物の肌襦袢、身頃だった宝船の生地を生かし、こんなワンピースが完成しました。

細いラインを加えるか太いラインだけにするかでずっと迷っていたんですが…。

太い方の1本のラインにすることに決めて前身頃を作りワンピースの形へと縫い始めていました。

作業が進むほどに何か物足りない気がしてきて、大きな円を出さないようにしたけれど逆に円を感じるようにした方がやっぱり面白いかな〜と。

迷ってやめにしていた細いラインを入れることにしました。

間の紺のラインも効いてくるし、円が繋がっていくのも面白いかなぁ〜と‥‥仕立て始めてから決めたため、上から付け足すしかなくなり縫い目を表に出さないようにするために、ミシンは使わずに針でまつり縫いで付けることに。

結局、私の苦手な手縫いをすることになってしまいました。

着物リメイク

衿ぐりは丸首ではなく四角に開けて、入れたラインが直線でスタートするスッキリとしたデザインに!

こちらは予定通りの仕上がりになりました。

ブローチ代わりに「寶」のロゴがくるように配置、アクセントとしては大成功!

と思っていますが…、出来上がってしまえば悩みぬいた本人しか分からない、きっと誰も気付かない苦労だとは思います…(泣)。

柄の出方で印象は随分と変わってきます。

着物リメイク

後ろ身頃は最初の予定通り1本のラインにしました。
前身頃と後ろ身頃の違いをつけることで、印象が変わって更に面白くなるかなぁ〜。
なんてアレコレ考えながら作りあげてく工程を楽しんでいます!
よく見ていただくと前身頃と後ろ身頃の柄は違っていて「寳船」と「龍の壽船」の2種類があり順番ではなく生地によって違っていました。
龍の柄は面白いけれど、眼にインパクトがありすぎて前身頃に使うと鏡の中からいつも睨まれそうで…。
着物リメイク
悩んだ結果、後ろ身頃に使うことにしました。
後ろ身頃なら眼が合うことはないでしょう? 実は作りながらも結構眼があってしまい気になって仕方なかったのです。
前回作った龍の柄の時などは、一度も感じることはなかったけれど…。これも現代的な機械作りではない着物ならではのことかもしれませんね。
作家の思いが生きているのでしょうか?
着物リメイク

龍の眼がいくつも入らないようにした結果、衿ぐりからは半分、薄眼で覗くことに!(笑)

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[番外編]
話題の龍ですが、ずっと見ていたら「PEZ(ペッツ)に見えてきました…。あの色々なキャラクターの口からラムネ見たいのが出てくるお菓子です。
なんか…そんな感じでしょ?
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今回組み合わせた生地はスムースニット。

厚すぎず薄すぎずサラッとしていて、カジュアル過ぎずに大人っぽい感じの生地です。

着やすいし、色もピッタリだったし良かったかなぁ〜と自己満足に浸っています。

四角く開けた衿ぐりも肩甲骨がチョット覗いて色っぽい感じ?

七分袖にしたので、タートルを下に合わせてみたら1枚で着るのとは違った感じでそれはそれでいい感じ! ちなにみに合わせたのはグレーのニットのリブタートルです!

 



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多摩美術大学染織科を卒業後、1970年代後半から日本のテキスタイルデザイナーとしてパリのオートクチュールにも採用された松井忠郎の四季ファブリックハウス、刺青プリントTシャツで話題になった坂井直樹が帰国後に設立したウォータースタジオなどで腕をみがく。その後、仲間と共にデザイン事務所 スタジオ'K3を立ち上げファッションからインテリア、日常のファブリックにいたるまで幅広くデザインにたずさわる。出産を機にフリーに。以降しばらくの間デザインの世界を離れ、フルオーダーの洋服制作を行うかたわら、母の死をきっかけに着物の価値を再認識。着物リメイク作家としての活動を始める。