ジャズの持ち替え楽器って知ってる?

楽器の「持ち替え」という言葉をご存知でしょうか?

例えばトランペットプレイヤーであればメインとしているトランペットだけでなく、フリューゲルホルンなどを演奏することがあります。

サックスであればテナー、アルトだけでなく場合によってはソプラノ、バリトンなどと持ち替えることがあります。

このような楽器の持ち替えにはどのようなメリットがあり、そしてそのためにはどんなことに注意すべきなのでしょうか。

楽器を持ち替えるメリット

当然ですが音色や音域が変化することによって演奏にメリハリをつけることができます。

ビッグバンドでは演奏するメンバーが限られているときに1人2役を演じることも、ある程度は可能になります。

トランペットプレイヤーでよく行うのはバラードなどのゆったりした曲でのフリューゲルホルンとの持ち替えでしょう。

ジャズトランペットのレジェンド、クラーク=テリーなどはバラード以外の曲でも積極的にフリューゲルホルンとの持ち替えを行なっています。

ここまで来るとまさに名人芸です。

持ち替えで注意する点

・キーの違い

サックスであればアルトやバリトンはEb、テナーとソプラノはBbの楽器です。

たまーに見かけるソプラニーノはEbだったでしょうか。

サックスプレイヤーはフルートにも持ち替えることがありますが、フルートはCです。

演奏する楽器のキーが違うということは使用する楽譜も異なるため注意が必要です。

僕はキーの違う楽器の持ち替えをしたことがないのでどうやって演奏しているのか分かりませんが、頻繁に持ち替えをするサックスプレイヤー曰く「慣れれば大丈夫」とのことです。

決して楽ではないと思うので初心者の方がうかつにキーの異なる楽器に手を出すと痛い目を見ることでしょう。

・音色やニュアンスの違い

トランペットとフリューゲルホルンではキーは異なりませんが、その音色が異なります。

ざっくり言ってしまえばトランペットは直線的、フリューゲルホルンは暖かく柔らかい音色が特徴です。

しかしいくらフリューゲルホルンであっても、トランペットと同じような意識で演奏してしまうとその楽器の良さを活かすことができません。

トランペットとフリューゲルホルンに限らず、その楽器の持つ特性を理解した上で演奏することが重要です。

自分の専門領域なのでさらに書いてしまうと、トランペットとフリューゲルホルンを持ち替えるときはマウスピースのリムの大きさは合わせておいた方が違和感なく持ち替えることができるために良いとされています。

ちょっと変わり種だと・・・

クラーク=テリーので十分変わり種な気もしますが、その他にニコラス=ペイトンなどはキーボードを弾きながらトランペットを吹くこともあります。

片手で演奏することのできるトランペットならではの芸当ですが…この人の頭の中どうなってるんでしょう(笑)。



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。