初めてジャズドラムを始める人がそろえるべきアイテムはこれ

今回はドラムの選び方というお題ですが、実際にドラムセットを買って練習したり、ライヴハウスに持っていくという環境が近くにある人はかなり少ないと思います。

ドラマーの練習環境はとても厳しく、家で演奏するとなると防音設備が必要だったり、一軒家で隣の家が離れていたりしないと相当難しいのが現状です。

そこで、今回はまずドラムセット以外にジャズのセッションにいったときや、バンドメンバーとジャズを演奏するときに必要になるものからお話します。

次回、どうしても自分のドラムセット買って練習したい人向けに、ドラムセットの選び方と練習環境の改善策を書いていきますね。

必要な道具の優先順位

ジャズを演奏するドラマーとして持っておかないといけない物は、

  1. スティック
  2. ブラシ
  3. シズラー
  4. シンバル(特にライドシンバル)
  5. スネア
  6. ドラムセット、フットペダル

です。

1から順によく使用するものなので、ジャズを演奏するとしたら番号順に揃えていくのがいいと思います。

1、2番はマストで、3番以降は経済的な余裕とモチベーションによって、というそろえかたでもいいでしょう。

あとは、スティックやシンバルにしても、それぞれジャズに特化したものを選びたいですよね。

しかし、実を言えば、ジャズに特化と一口でいってもいろいろなタイプがあるんです。

今回は、以下の3つのタイプごとに絞って紹介していきます。

タイプ1:ビバップ、モダンジャズのいわゆる王道なジャズを演奏したい人

タイプ2:明るくはっきりした音色でジャズを演奏したい人

タイプ3:今はやりの音色も出したい人

人それぞれ好みがあると思いますが、自分の目指すタイプを想像しながら、以下の記事を読んでみてください。

記事内では、タイプごとに実際にオススメの楽器を紹介しています。

スティックの選び方

基本的にスティックを選ぶときには、2点に気をつけましょう。

ここでいう2点とは、“重さ”“チップの形”です。

重さというのは、スティック自体の重さのこと。1本で、重くても60gのもの、できたら50g以下のものを選ぶのがいいと思います。

多くの楽器屋さんのスティックコーナーには計りが置いてあるので、そこで計測するといいですね。

あとはスティックの先のチップの形で音色が決まるので、冒頭のタイプごとに話していきます。

タイプ1を選んだ方

※記事冒頭に記載したタイプ別に紹介していきます。

  • Vater 7A
  • Vater Jazz
  • Vater TearDrop
  • Zildjan 7A
  • Vic Firth 7A

ドラム ジャズ
割とチップの形が涙型、卵型と呼ばれるスティックを選ぶといいです。鋭いスピード感を狙うタイプです。

タイプ2を選んだ方

  • Vic Firthピーターアースキンモデル
  • Vic Firth American Custom SD2 Bolero
  • Zildjan大坂昌彦モデル

ドラム ジャズ
チップの形が丸型や樽型になっているスティックが中心です。均一な明るい音が出しやすいタイプです。

タイプ3を選んだ方

  • Vater Swing(ナイロンチップ)
  • Regal Tip Jazz E series
  • Vic Firth AJ6
  • Vic Firth 8DN

ドラム ジャズ
チップがナイロンチップになっているものが中心です。ナイロンは音が硬いイメージがありますが、他の楽器とアンサンブルしたときに4ビートが埋もれずクリアに出せます。最近のドラマーはナイロンチップを使っている人が増えています。自分も最近はナイロンチップを使用しています。

個人的に振りやすさも大事ですが、音色や音量感を優先する方がいいです。

あとは実際に楽器屋さんに行って、実物を見ながら選んでみてください。

実際に手に取って、スティックコーナーに置いてある練習パッドで試打するのをお勧めします。

本物の楽器で試したい場合は、そのスティックを購入してからになりますのでご注意ください。

ブラシ

ブラシは選択肢がそこまでありませんが、大きく分けて2種類です。ナイロンブラシ、ワイヤーブラシの2つです。

ナイロンブラシは毛先部分がプラスチックで、色がすき焼きに入れる白滝みたいな色をしています。演奏するには扱いやすく、少し明るく軽い音がします。

一方、ワイヤーブラシは毛先が鋼になっています。

演奏するには少しコツがいるので練習が必要です。

それから、練習時にスネアのふちに毛先をひっかけて数本ダメにしてしまうこともしばしばあるので、買い換えることも覚悟しておきましょう(今まで何本ダメにしてきたことか…)。

扱いにくいワイヤーブラシですが、音色はナイロンブラシより音の重心が低く、密度のある音が出るのでどちらかというとワイヤーブラシをお勧めします

オススメのワイヤーブラシはRegal Tipのブラシで、入れ物のキャップが緑のブラシです。昔は無印でしたが今はClassicという名前がついています(商品のリンクはこちら)。

他のワイヤーブラシも試してみましたが個人的にこれが一番しっくりきました。

シズラー

シズラーとはシンバルにつける鉄のヒモのことです。

これをつけることによって、シンバルを叩いた後にザーっという感じに余韻が残ります。

普段はリベットといって、シンバルに穴を開けて釘みたいなのをつけますが、もちろんその後取り返しがつきませんので(笑)。最初はシズラーでやっていくのもいいでしょう。

好みはあると思いますがバラードみたいな曲でシズラーを取り付けているクラッシュまたはライドシンバルを一音叩くだけでスペースを満たしてくれます。

サウンドがとても気持ちいいですが多用はくどくなってしまうので注意しましょう(商品のリンクはこちら)。

Promarkのシズラーもいいですが、MEINLの方が取り付けやすく音の粒も少し細かいです。自分はどっちも持ってますがその理由でMEINLを使ってます。

シンバル

一気に全部のシンバルを買えることが理想的ですが、1つひとつが高いので次の順番で揃えるのがいいかもしれません。

  1. ライドシンバル
  2. ハイハット
  3. クラッシュシンバル

それでは、タイプ別にどういう系統がいいのか見てみましょう。

こちらも、記事冒頭に記載したタイプごとに解説していきます。

タイプ1を選んだ方

  • Zildjan Constantinople Series

  • Zildjan Avedis

  • Istanbul Jazz Ride

タイプ2を選んだ方

  • Sabian Artisan

  • Paiste Signature Traditionals

  • Istanbul Mehmet Nostalgia 50’s

タイプ3を選んだ方

・Zildjan Bounce

  • Istanbul Turk Jazz

  • Istanbul Agop Signature

 

これだけでも、数ある中のまだ一部です。今はYouTubeで参考音源を聴けるので便利な時代になりましたね。

コンスタンチノープルシリーズは王道なシンバルなので、持ってて間違いはないですが1枚7万はします。なので慎重に選んだほうがいいですよ。

まずは、シンバルやそのほかの楽器がどういうサウンドなのか、youtubeなどで参考として見聞きしてみましょう。

好みかもしれないというものをピックアップして、そこから絞り込み、実際に試奏してから購入するのがかしこい手順だと思います。

実際に触ってみないとわからない部分であったり、楽器特有の個体差があります。

最後はお店の人と、好みの音色を相談してしっかり選んで買うとよいいいですね。優しい店員さんだと細かく楽器の詳細を教えてくれます。

ハイハットやクラッシュシンバルもシリーズは、統一されているものが多いものです。

Zildjanのコンスタンチノープルシリーズ、Istanbulだったらagopシリーズだったりするので、ライドの好みの音色の延長で選んでいってもいいでしょう。

逆に、ハイハットは明るくはっきりしたいとか、クラッシュは音が重い方がいいなど、自分でカスタムできるのでどういうサウンドで組みたいかを考えるといいですよ。

ちなみに自分の場合は、ライドは鋭く明るく、ハイハットはハッキリさせたいけど柔らかめ、クラッシュはライド変わり使うこともあるのでメインライドとキャラクターを変えて、より沈みこむ感じでクラッシュした時

に攻撃的に鳴る感じみたいなのをイメージして組んでいます。

全然思い浮かばないという方は好きなドラマーがどういうシンバルを使っているのか、映像やライヴ会場で見たりして参考にするのが、最初はいいと思います。

もちろん試奏してこれがいい! となるのが一番いいですが…。

長くなってしまったので、今回はここまでにして次回の後半編ではスネアとドラムセット、それと自分の楽器を使って練習できる環境の作り方を書いていこうと思います。

それでは、また次の記事で!



ABOUTこの記事をかいた人

野澤 宏信

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。