ジャズのジャムセッションで覚えておくといいこと

さて前回は思い切ってジャムセッションへ行こうという内容の記事を書きましたが、今回は実際にジャムセッションへ参加するにあたって覚えておくと便利なことを書いておこうと思います。

レパートリー

何はともあれ演奏できる曲がなくてはいけません。 まずはFブルースの曲を練習しておきましょう。 Fブルースはジャムセッションの最後に全員で演奏されることも多く、覚えておいて損はありません。

テーマがシンプルで演奏するのが簡単なものはBag’s GrooveとかNow’s The Timeです。

まあシンプルなだけに本当にかっこよく演奏するのは至難の業ですが、初心者ならそんなこと気にする必要はありません。

楽器の演奏技術に自信のある方はBillie’s BounceAu Privaveにも挑戦してみましょう。

その次に練習しておく曲ですが、基本的には自分の好みや思い入れのある曲を選択するのが良いと思います。

一応ジャムセッションでの演奏頻度が高く、難易度は低めのものを以下にリストアップしてみました。

ほとんどが、黒本、つまりジャズスタンダードバイブル内に掲載されている曲です。

多少僕自身の好みも表れているかと思いますが参考にしてみてください。
※メジャーキーのブルースは除く。カッコ内は同書中該当ページ。

All Of Me (p.12)

Autumn Leaves (p.20)

Beautiful Love (p.23)

But Not For Me (p.34)

Bye Bye Blackbird (p.35)

Candy (p.37)

The Days Of Wine And Roses (p.54)

Fly Me To The Moon (p.65)

I’ll Close My Eyes (p.98)

It Could Happen To You (p.112)

Mack The Knife/Moritat (p.136)

Mr. P.C. (p.142)

My Little Suede Shoes (p.146)

Oleo (p.160)

On Green Dolphin Street (p.162)

On Sunny Side Of The Street (p.163)

Rhythm-A-Ning (p.178)

Satin Doll (p.183)

Softly, As In A Morning Sunrise(p.192)

Solar(p.193)

St. Thomas (p.207)

Summertime (p.216)

There Is No Greater Love (p.223)

There Will Never Be Another You (p.224)

What Is This Thing Called Love (p.235)

You’d Be So Nice To Come Home To (p.252)

楽器の種類や店の混み具合にもよりますが、一回のジャムセッションで演奏することができるのはせいぜい3〜4曲程度でしょうか。 一度他の人がやった曲を再度演奏することはないという暗黙のルールがあるところが多く、あなたがコールした曲が演奏できないということもおこりえます。

ですから最低でも1曲、せいぜい5曲もレパートリーがあれば上出来でしょう。

前編でも少し書いた通り、初めから1曲1曲の質を追求する必要はありません。 テーマを演奏することができ、ギリギリロストしないかなという程度であれば初めてのジャムセッションには十分です。

曲のスタート

前編で書いた通り、初心者ジャムセッションや前もってジャムセッションは初めてということをホストミュージシャンに伝えておけば多くの場合は曲をどうスタートさせるか提示してくれることが多いかと思います。

そうでない場合はカウントインか、誰かにイントロを演奏してもらう必要があります。

まずはあなたがコールした曲で、大体このくらいのテンポでやりたいという希望があればそのテンポを提示しましょう。

希望のテンポに乗って2拍目と4拍目を指パッチンでできればパーフェクトです(笑)。 指パッチンができない方は手を叩いても足を踏み鳴らしても構いません。

テンポの提示は実は重要なことです。 恥ずかしがったり遠慮して「あ、テンポはお任せします…」なんて言うと普段練習していたより大分アップテンポで曲が始まってしまったり、思わぬ痛い目にあう可能性があります。

慣れない人は曲のテーマを小さく口ずさみながらテンポを提示すると良いでしょう。 カウントでスタートしたいのならその旨を伝えておき、テンポの提示とともに「1、2、1234…」とカウントしてスタートしましょう。

何かイントロが欲しい場合はホストか上手そうな見た目の人にお願いしましょう。 楽器でいうならば、ピアノやギターに任せるケースが多いです。

そもそもカウントをホストに任せるのもありですから、初めてのジャムセッションでは無理をせずベテランにお任せしてしまいましょう。

一部の曲では一定のバンプバースと呼ばれるものを演奏してスタートするものなども存在しますが、また別の機会に。

エンディング

曲のエンディングにはさまざまなパターンがありますが、演奏頻度の高さから逆循環と3回リピートは知っておくと便利です。

具体的説明は他のウェブサイトで散々されているでしょうからここでは割愛します。

ここで重要なことは何度も言うように、初挑戦のジャムセッションではそこまで気にする必要はないということです。

もちろん上手にできることに越したことはありませんが、そんなことはなるべく気にせず実際に参加してみるのが上達への最短ルートです。 特に曲のエンディングに関しては少しでも気の利くホストであれば、あなたがもし大失敗してもどうにか着地させようと頑張ってくれるはずですから心配はいりません。

There Will Never Be Another Youなどのように暗黙の了解となっている定番エンディングが存在するものも稀にありますが、そういう曲で大失敗するのもまたジャムセッションの醍醐味でしょう(笑)。

曲のエンディングだけに限られず、大失敗をした経験は後できちんと練習をする動機にもなります。

失敗に学べと言いますが、失敗を恐れるよりは失敗する機会を得られないまま時間が過ぎていくことをより恐れるべきです。 さあジャムセッションへ行ってたくさん失敗してきましょう!



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。