このレシピは時短料理ではなく、ちょっと凝った食事をしたいときにオススメのレシピです。
“簡単”“パパッと”とはかけ離れた調理工程ですが、香りや見た目に気をつかって、お客様にお出ししたり、たまのお休みにご家族と調理してみてくださいね。
白子と豆腐の小鍋
今回取り扱うタラの白子の旬から、随分季節がずれてしまった。なぜかというと素材を撮影したのを忘れていた。
旬でなくても取り扱いのある食材だし、来年にでも是非試してみてほしい。
白子の下ごしらえをする
下ごしらえ前に、小鍋に水をはり昆布を加える。このまま水にひたしておく。
大葉がニセモノで驚いた。安く安く、という思想はこういう弊害を生むので、あまり好きじゃないな。
そして手でよく馴染ませる。塩を加えることで、周囲にデロリとしたぬめりが出る。
これを取り除かないと触感が悪くなる。
こういう筋の部分は手でちぎれるようならちぎる。熱を通した後に手で触れると身が崩れやすい。
こういう作業は生の状態でやる。
そして、スピード勝負! 塩に漬けすぎると白子の表面が固くしまってしまう。
丁寧にぬめりをとるが、作業は手早く。
塩とぬめりを水で洗い流す。このとき、決して水を白子に直接当てないこと。
魚の内臓は弱いので、崩れてしまうこともある。ボウルの端にあてるように注ぐ。
先述の通り、やりすぎると白子表面がぎしぎしと固くなる。スピーディーに2回くらいで済ませるのが大事。
下茹でする
次に白子を下茹でする。今回は小さい土鍋で提供するが、熱が通り過ぎると白子の食感がよくない。
かといって小鍋をあたためない訳にはいかない。
そこで、白子に軽く熱を通しておき、食べる直前に入れることで火を入れすぎるということをなくす。
水コップ2杯分ほどに大さじ3のお酒を入れて、白子を入れる前に一煮立ち。
白子に紅葉おろしとポン酢で、などという場合は気持ち長めに茹でて盛りつければ完成。
結び三つ葉を用意して小鍋を仕上げる
使用前にボウルで水に10分ほどさらしておき、キッチンペーパーでしっかりと水分をとりきる。
このときあまり強くおしつけたりすると葉や茎がつぶれてしまうので、あくまで表面の水分をぬぐいさるという心持ちで。
強火にすると出汁がうまく出ないので、沸騰させないように中火でクラクラと煮て、湯気をかいで昆布の強い香りを感じたら…
塩をひとつまみ。味をつけるためではなく、味のしまりをよくするためなので、味見して塩味を感じなくても大丈夫。
どんなお料理も、ほんの少し塩を入れるだけでぐっとしまる。
仕上げ
あたためた小鍋に入れ、豆腐を煮た後、サーブする直前に白子を入れる。
白子のツルンとして濃厚な味わい、お豆腐の優しい風味、そして三つ葉の香りと食感が一体となって、酒がうめえっす。
小鍋仕立てにすれば何人かで分け合えるので、楽。小皿にとって醤油、ポン酢、はたまた塩でも。
お好きな調味料でいただける。
白子は新鮮でないと生臭さが立つ。スーパーのものは大体新鮮ではないので、気持ち酒の量を多めにすると食べやすい。
それでは、いただきます。