先日、富士総合火力演習見学のオススメの服装について書きました。僕が取材に行ったのは予行演習だったので、毎年、あまり変わりはないと思うんですが、ネタバレ防止に本演習まで感想記事公開を控えることにしました。
※オススメの服装の記事はこちら。
本演習はすでに終了したので、さっそく公開。
さて、富士総合火力演習は陸上自衛隊の行う実弾使用演習。ミリオタのみならず、近隣住民など、市井の人々も大勢訪れることで有名です。チケットは抽選ですが、僕は知り合いのツテを頼り潜り込みました。
いざ、東富士演習場へ
時刻は朝7時。前日夜遅くに飲み会があったのでキツイ! 今回演習の入場などを手配してくれた友人の車を待ちます。
車に乗り込み一路、会場のある御殿場へ。
箱根駅。朝早いこともあって人が全然いません。というか、1人もいません。
ちなみに、これがチケット。戦車の大砲がぶっ放された瞬間がのっている。ちょっとワクワク。
今回は火力演習の予行です。本演習ではないんですね。
駐車場への入場券は、この駐車場券となっています。
駐車場の場所は分かりにくく、間違えて施設の中央ゲートまで行ってしまいました。
入り口に自衛官が立っているのに通り過ぎる…。
図らずも演習場施設を横目に今来た道を戻ります。
施設内樹木の、この剪定感。大事なのは景観ではないと言わんばかりの姿に、陸自の気概が見てとれますね。
駐車場に到着。おそらく、演習のために舗装されたと思う地面。めちゃくちゃ広い駐車場だ。
車も大量に止まっていた。まるでディズニーランドの駐車場。
駐車場から演習場までバスで移動。もちろんバスは無料です。
私道上には射撃中と電光掲示板に表示されていたりしています。徐々に感じる異質な空気。
富士総合火力演習の会場が見えてきた。パッと見ると野球の応援みたいだ。
バスの降車場から、また少し歩きます。この道、若干勾配もある。動きやすいスニーカーで来て正解。
会場到着。こちらはシート席。スタンド席もありますが、この辺りの話はこちらにまとめてあります。
すごい人の数…。
富士総合火力演習スタート!
演習開始!
きた! 意外と速いキャタピラ走行に驚く。
砲弾の発射音はけたたましい。体全身にビリビリとくる衝撃、鼓膜に感じる痛みのような破裂音。端的に表すと、怖い、と思った。
標的とした遠くの山。爆発、衝撃波、煙幕、随分小さく見えるにも関わらず、ビリビリと感じる暴力的な光景。
スケールの大きさに現実感がありません。
まるで映画でも見ているよう。
戦車なんかも出てきます。非常に無駄のない演習。訓練の練度の高さは日常生活では見られないほど。
演習場よりも遠方の砲台からの射撃訓練も。
着弾前にアナウンスが着弾を告げます。「着弾5秒前、今!」その瞬間に火の手が上がり、少しして音が襲ってきます。
自衛隊員の正確なカウントには目を見張るばかりです。
(画像中央のちょっとだけ赤くなっている部分が着弾ポイント)
ヘリの降下訓練もありました。ローターの風圧とはこんなに強いのか。
普通乗用車よりも俊敏な駆動のような。想像以上のスピード、小回り。
その後ヘリが飛来したり…
煙幕をはったりして演習終了。
迫力がある、という言葉にするとどうも安っぽくて。
戦場にいる気分という訳ではないですが、一種特異な空間であるのは間違いないです。
緊張感が蔓延しているというか、砂埃のせいではなく、とにかく喉が渇きました。
自衛隊の必要性
実は、この記事ではもっとたくさんの画像を用いて、迫力満点であることを前面に押し出そうと思っていたんですが、どうしてもうまく表現できません。
画像からはあの瞬間に感じたものを見てとることができないんです。
自分の力不足で申し訳ないんですが、是非とも現場で体感して欲しいと思います。
そして演習を見学して感じたのは、自衛隊の必要性。
戦争を起こすことには徹底的に抗う、という前提で考えて、もしも、万が一他国の軍に侵攻を受けた場合、明日僕が徴兵されたとして。
小銃でも持たされて戦車や装甲車に突っ込んでいけば、生きて帰ることはできないでしょう。
演習を見学した人なら分かると思うんですが、例え人間10人が集まったとしても、戦うことも逃げることも敵うスケールではありません。
兵器と戦えるのは、高度に訓練された兵器を扱える人間だけだと強く感じました。それほど、人間の力とは比べることもできない、圧倒的な差があります。
その意味で、自衛隊は必要です。
また話は少し逸れますが、災害時における、あのマンパワーを超えた重機を徹頭徹尾規則正しく扱える技術は、本当に必要な力だと感じました。
実際に災害現場で目にした彼らの活躍は、とてもテントで寝起きし、缶詰で生活しているものとは思えませんでした。ひとえに、辛い訓練を乗り越えてきた精神力のたまものだと思います。
会場をフラフラと歩いて驚いたのは、非常に親切な自衛隊員。
車イス専用のお手洗いなども設置され、ホスピタリティも高い。
普段お客さんを迎えるような訓練はしていないはず。それでもあれだけ優しいのは、一体何に起因するのか。
会場にいる間はまるでコンサート会場に来たような雰囲気に気づかなかったんですが、帰りの車中で気づきました。
守る、ということを目的に作られた組織は、何も戦争だけを目的にしている訳ではないんですね。この1日で、自衛隊に関する考え方は大きく変わりました。
(2019年8月19日に「です・ます」調に加筆修正しました。)