12月にジャズクリスマスソングを演奏するなら今から練習 オススメの曲を紹介

クリスマスといえば当然12月のイベントです。アマチュアのジャズバンドが、12月にクリスマスソングを演奏するためにはその2、3ヶ月前から準備をしておく必要があるでしょう。

実際AOI JAZZ編集部によると10月頃からクリスマスソングの検索件数が増えてくるようですから、今回はちょっと先取りしてクリスマスソングについて書いてみましょう。

クリスマスソングのジャズアレンジといえばこの動画、ご覧になったことのある方は少なくないでしょう。

トランペッターのウィントン・マルサリスの動画です。

ウィントンも素晴らしいのですが、それよりも「この娘やべえ!!!」って思いません?(笑)。

Oni Marisalisという名前の通り、ウィントンマルサリスの娘さんだそうです。

英才教育おそるべし、です。

そもそもクリスマスソング、個人的に特に好き好んで聴いたり、演奏することがないので僕もクリスマスソング専門家という訳ではありませんが。

とりあえず今手元に2つの音源があるのでご紹介しましょう。

ウィントンマルサリス “Christmas Jazz Jam”

1.Santa Clause Is Coming to Town(サンタが街にやってくる)●
2.Mary Had A Baby
3.Jingle Bells●
4.Blue Christmas
5.Go Tell It On The Mountain(世界に告げよ)
6.O Christmas Tree(もみの木)●
7.O Little Town of Bethlehem(ああベツレヘムよ)
8.Rudolph the Red-Nosed Reindeer(赤鼻のトナカイ)●
9.The Christmas Song
10.Good King Wenceslas(ウェンセスラスはよい王様)
11.Have Yourself a Merry Little Christmas●
12.Greensleeves●

日本でも比較的知名度が高いだろうと思われるものは曲名の後に●をつけてみました。

さまざまなクリスマスソングがジャズアレンジされている作品なのですが、ウィントン節全開のアレンジで普通に聴いていても楽しめます。

アレンジそのものが大変凝っている分、これをそのまま演奏したい場合は採譜に苦労するでしょう。

逆に9曲目のThe Christmas Songはジャズスタンダードバイブルにも掲載されているので手っ取り早く演奏しようと思えばすぐにできます(笑)。

最後の曲、Greensleevesは多くの人が一度は耳にしたことのある曲なはずですが、この曲ってクリスマスソングだっけ?と感じられるかもしれません。

実際のところはもともとイングランド民謡であったこの曲に、いつからか別の歌詞を当てて“What Child Is This(みつかいうたいて)”というタイトルでクリスマスの曲として演奏されるようになったようです。

ケニヤータビーズリー “This Christmas”

1.Deck The Halls(ひいらぎ飾ろう)●
2.Silent Night(きよしこのよる)●
3.What Child Is This(みつかいうたいて)●
4.We Three Kings(我らは来たりぬ)
5.O Come All Ye Faithful(神の御子は今宵しも)
6.Away in a Manger(かいばのおけで)
7.First Noel(まきびとひつじを)●
8.Joy to the World(もろびとこぞりて)●
9.Twelve Days of Christmas(クリスマスの12日)

大変申し訳ないのですがこの作品、昔とあるジャズイベントに参加した際に手売りされていたもので、現在ネットで探してみても見つかりません。

ケニヤータビーズリーはニューオーリンズ出身のトランペットプレイヤーで、エリスマルサリス率いるNOCCAで学んだのちにニュースクールでも学び、現在は演奏活動だけでなく映画音楽のプロデューサーなどもしているようです。

ちょうど今年“The Frank Foster Songbook”という作品を出したばかりなので興味のある方は是非聴いてみてください。

パンチのある独特の音色が魅力のトランペットプレイヤーです。

さて、“This Christmas”に話を戻しましょう。こちらも知名度が高そうな曲には●をつけてあります。

これを読んでいる方は音源を入手できないので細かいことには言及できませんが、曲名を見るだけでも言われてみればこんな曲もあったなという感じではないでしょうか。

あまり知名度の高くないものは主に賛美歌の曲が多く、クリスチャンの多いアメリカでは一般的ですが日本では普段教会にでも通っていない限りあまり馴染みはないでしょう。

とはいえこうして見るとクリスマスソングとジャズというのは案外相性の良い組み合わせのようにも見えます。

どんな曲でもジャズになる?

……というか、そもそも何らかのメロディに対してコードチェンジを割り当て、ここからここまでが1コーラスという枠を設定してしまえば基本的にはどんな曲でもジャズアレンジと称することができてしまいます。

それがジャズらしいかとか、かっこいいかはさておき、です(笑)。

アニメやポップス、クラシックなどさまざまなジャンルの曲がよくジャズアレンジとして演奏されるのには、こういったジャズ特有のシンプルさと柔軟さが関係あるのだと思います。

今回のテーマであるクリスマスソングにしたって、上にご紹介した作品のように凝ったアレンジで演奏するのはちょっと大変です。

しかし、そうでなくとも単純にスイングのリズムに乗せてメロディを演奏するだけで結構ジャズっぽくなるものです。

さらに同じメロディに対してスイングだけでなくイーブン、ボサノバ、3拍子そしてダブルタイムなどというようにリズムを変えるだけかなり印象の異なる感じになり、超お手軽にバリエーションを増やすことに繋がります。

もしもこれを読んでみてピンとこない方は試しにGreensleeves、もしくは楽譜がジャズスタンダードバイブルに載っているThe Christmas Songをダブルタイムスイングやボサノバなどで演奏してみてください。

同じメロディでもガラッと印象が変わるのに驚かれるかと思います。
ところで、賛美歌がオリジナルであるWe Three Kings(我らは来たりぬ)もそんな曲の1つです。

曲の印象が変わるどころの騒ぎではありませんし、それ以前にこの時代のマイルスも賛美歌やるんですね(笑)。

ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。