来日したらライブ必見 プロのオススメするジャズトランペッター

今回は来日したら必見のトランペッターというお題です。

最近は僕、学生時代とは異なり最新のジャズをそこまで積極的には聴かない方です。

最新のジャズのプレイヤーに関する知識なら多分AOI JAZZ編集部の方が詳しいでしょう。

しかしまあそんな僕でも、もし来日したらぜひ多くの人に聴いてほしいトランペットプレイヤーは何人か挙げることができます。

よく来日するトランペッターからそうでもないトランペッターまで、下手すると今後来日するかどうかも微妙な人も含まれますが、それでも、もし興味があれば現地まで飛んでいってみましょう(笑)。

ウィントン・マルサリス

トップバッターは当然このお方でしょう。ウィントン・マルサリスです。

今年5月にクインテットでは23年ぶりの来日を果たし、素晴らしい演奏を繰り広げました。

当然僕も観に行きましたが、席代をケチったのは失敗でした。最低でもS席を確保すべきです(笑)。

今さら僕が書くまでもありませんが、圧倒的テクニック、太くて暖かな音色、他にはない柔軟で独創的な発想による演奏の組み立てなど現代のジャズトランペットではナンバーワンのプレイヤーと言えるでしょう。

各プレイヤーのおすすめアルバムを挙げろといわれているのですが、全ておすすめです(笑)。

しいて挙げるとすれば”Black Codes(From the Underground)”と”Live at the House of Tribes”あたりでしょうか。

クリス・ボッティ

最近来日したつながりで言えば、クリスボッティは今年(2019年)2月に来日していたようです。

以前クリスボッティというトランペットプレイヤーを初めて聴いたとき、チェットベイカーの二番煎じかと思っていたのが全くの勘違いであることに気づきました。

確かにイケメンだし(笑)、演奏スタイルはチェットベイカーから影響を受けているのは明らかですが、二番煎じどころかそれを大きくブラッシュアップしています。

クリスボッティといえば彼の愛機、マーティンハンドクラフトコミッティから紡ぎだされる音色はダークで甘く、歌声のような生々しさを備えており、ボッティ自身の歌心と相まって大変魅力的に感じます。

実はしっとりとした演奏だけでなくシャウトするような音色も非常に魅力的なのですが、それでもなおバラードの演奏の際には大いに参考にしたくなるような演奏です。

おすすめアルバム:”Impressions” “When I Fall In Love”

ニコラス・ペイトン

若い頃はトラディショナルなスタイルのジャズの演奏が主でしたが、近年ではものすごい速さで独自の世界を突き進んでいっているような気がするニコラス・ペイトン。

あまりに進化のスピードが速いため、僕は正直言って追いかけきれていません。

今回、最新のものをチェックしてみましたが、到底ストレートアヘッドなジャズとは呼べるようなものではなく、一般的なジャズファンの方にとっては少しがっかりするようなものかもしれません(僕は大好きですが)。

トランペットプレイヤーとしては昔のように輝く音色でバリバリ縦横無尽に吹きまくるスタイルが若干懐かしくもありますが、その音楽性自体はどんどん突き進んでいっていますし、このまま地平線のかなたまでぶっ飛

んでいって僕たちに新しい世界を見せて欲しいものです。

2008年のアルバム”Into The Blue”以降音色がガラッと変わったのですが、何か大きくセッティングの変更したのでしょうか……

おすすめアルバム:”Fingerpainting – The Music of Herbie Hancock” “Into The Blue” “#BAM (Live at Bohemian Caverns)”

トム・ハレル

ニコラスペイトンが自分の世界を突き進んでいくように、トム・ハレルも彼とは全然違う方へものすごい勢いでカッ飛んでいっているトランペットプレイヤーの1人でしょう。

僕が学生だった10年以上前はたびたび来日していたようですが、ちょっと調べた限りでは最近は来日していないようです。

名機コーンステレーションから生み出される小さな宝石のように美しい音色と、それらが流れるようにどこまでも繋がっていくような非常にスムースなラインが特徴です。

その音色やフレージングの美しさから、トランペッターが憧れるトランペッターといっても良いのではないでしょうか。

演奏だけでなくオリジナル曲も非常に独特で、73歳(1946年生まれ)となる今年もアルバムを発売するなど精力的に活動を続けています。

年齢的に厳しいかもしれませんが今後もし来日するようなことがあれば絶対に聴いておくべきです。

おすすめアルバム:”Tom Harrell: Live at the Village Vanguard” “Prana Dance”  “Labyrinth” “Moon Alley”

アンブローズ・アキンムシーレ

(※Ambrose Akinmusireというスペリングで本来はアキンムシアとかアキムシアと発音されるのですが、アキンムシーレと表記されることが多いので見出しはその表記に従います。)
2007年、セロニアスモンク国際ジャズコンペティションとカーマインカルーソー国際ジャズトランペットソロコンペティションで優勝するという、凄すぎてもはや凄いのかすら分からないことをやってのけています。

アキンムシアといえばなんといってもその縦横無尽にぶっとぶフレージング。

テクニック的なこともさることながら、よくそんなストーリーが頭の中で鳴るな…と思ってしまいます。

ニュースクール在学中、一度だけ学校の練習室からアキンムシアみたいな演奏が聞こえてきたことがありました。

当時僕は、彼が他の学校出身だということを知っていましたし、ニュースクールにも鬼のように上手いトランペッターが何人かいたので「ああ、さすがはニューヨーク。アキンムシアのスタイルすら完璧にコピーする奴がいるんだ…」と思ってなんとなく窓から覗き込むとなんとご本人(笑)。

僕の知り合いのピアニストとデュエットで楽しそうに遊んでいるところでした(笑)。

その後は次の授業の時間までその部屋の前で演奏を聴いていましたが、もう本当に圧巻でした。

おすすめアルバム:”When The Heart Emerges Glistening” “Rising Grace”

アヴィシャイ・コーエン

アヴィシャイ・コーエンというとベーシストの方を思いつく方が多いかもしれませんが、同姓同名のトランペットプレイヤーの方です。

何だこのメガネ! と思ってこの動画を採用(笑)。

アキンムシアとはまた違った意味でとんでもないストーリーが頭の中に鳴っている人です。

コーエンもアキンムシアも一見するとジャズとはかなりかけ離れたような音楽を演奏していますが、彼らがスタンダードを演奏するとその曲では今まで見ることのなかった世界を見せてくれるので大変勉強になります。

あくまで個人的にはですが、アキンムシアの場合は「その曲を彼が演奏するときっとこうなるだろうな」という予想ができます(とはいえあんまりスタンダードやってるところ見ませんが…)。

しかしコーエンの場合は「えぇぇ、そこまでやるんスか…」と良い意味で予想を裏切ってくれるような気がするんですよね。

おすすめアルバム:”Dark Nights” “Triveni II”

まとめ

というわけで、来日したらぜひ聴いておきたいトランペットプレイヤー、6人挙げてみました。

トランペットという楽器は、レコーディングした音と生の音では大きな差の出る楽器です。

ぜひ、みなさんも会場へ足を運んで素晴らしいトランペットの演奏を聴いてみてください。

本当はあと何人か挙げておきたい人がいるのですが、もう練習に行きたくなっちゃったのでご勘弁を!

それではまた来週!

先週の練習問題の答え

問題はこちらの記事の末尾。

1の答え

コードトーン

2の答え

コードトーン

 



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。