料理中にハタと思い出したことがあります。
かれこれ3年ほど前。
恵比寿あたりを歩いているときに、女性2人がでかい声で「ペペロンチーノおなかいっぱい食べたい!」と話していました。
僕は、戦慄しました。
あんなもん、おなかいっぱい食べたら死ぬぞ…。
そこで気づきました。そうか、ペペロンチーノは、ニンニクを使用したオイルパスタの料理名だと思っている人がいたんだ! と。
実際はちがいます。ペペロンチーノという名前の食材です。
ペペロンチーノは唐辛子
こちらがペペロンチーノです。
イタリアで作られる小粒の唐辛子のことです。
辛さはビリッとくるんですが、油で熱を通すと甘みのある香りに香ばしすぎない風味、またこのサイズ感がお皿の上での存在感を演出してくれます。
中華料理なんかで使用する唐辛子と比べてみるとかなり小さいことが分かりますね。
薄い果肉で繊細です。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作る
では、パスタを作りましょう。
ペペロンチーノ、と、一般的に呼ばれるパスタ料理の本当の名前はアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノです。
アーリオはニンニク、オーリオはオイル、ペペロンチーノは唐辛子。
ニンニクと唐辛子とオイルのパスタ、という意味らしいです。
シンプル。
まずはペペロンチーノの種を抜きます。
唐辛子は種が一番辛いので。
ピュアオリーブオイルにペペロンチーノを入れてゆっくり熱します。
その間にほかの食材を用意しましょう。
イタリアンパセリをたっぷりきざみます。
ニンニクもきざみます。
こちらは自家製のアンチョビ。
カタクチイワシの内臓を取り除いて塩漬けにしたもの。
これで5カ月ほど塩漬けにしていますが、あと数ヶ月熟成が必要です。
今回は味を見るために早めにとりだしたものを使用します。
火加減を中火にして、唐辛子が真っ黒にこげてしまう前にニンニクとアンチョビを油に投入。
そしてまたニンニクとアンチョビがこげる前に…、
イタリアンパセリをイン。
軽く炒めてクセを飛ばします。
このときもこげないように気をつけて。
並行してパスタもゆでます。
ワインをブレンドしたお酒、シェリー酒を…、
フライパンにたらしてアルコールを飛ばします。
これでパスタにからめるソースが完成。
パスタが茹で上がる1分ほど前にフライパンにパスタをイン。
ソースをからめつつ火を通し、仕上げにエクストラバージンオリーブオイルをかけ回して再びあえて完成。
皿に盛ります。
食べる直前にグラナパダーノというイタリアのチーズをけずりかけるとより一層おいしくなります。
適度なクセとしっかりとした濃厚な味わい、塩味は若干強めで小麦粉を使用したものによく合うんです。
一度試してみていただきたい。
非常に手前味噌ですが、おいしい。
ペペロンチーノは小売店でよく見かける唐辛子よりも香りがよく辛みにも深みがあります。
ほかのイタリア料理にたびたび使用されるので、お好きな方は一度使ってみてください。
味わいが少し、本格的になりますよ。
種を取り出すのが面倒な人にはクラッシュしたものもあります。
グラナパダーノといい、やっぱりその国のものを使用するほうがおいしさが格段に上がりますね。