音楽留学、実際にかかった費用は?経験者に聞く

音楽留学 費用

今回から、留学についてのお話を何回かに分けて掲載していきます。

留学していたのは2011年から3年間。ニューヨークにあるニュースクールという音楽学校で学びました。

留学を通して学んだものは沢山あり、とても意味のあるものだと思います。

特に、ニューヨークでジャズを学ぶということはジャズが進化してきたところに身をおいて、今もなおジャズの進化をさせている最先端のミュージシャンと関わりながら学ぶことができます。

自分が行っていた「ニュースクール」という大学に関してもかなり恵まれた場所で、ジョンコルトレーンと演奏してた人が先生だったり、マイルスやエルビンと一緒にやっていた人が先生として教えてくれるのは、それはもう刺激的な毎日でした。

そんな場所で勉強して、夜は有名なミュージシャンのライヴを見に行ったり、そういう人たちとジャムセッションをしたりと、今思い返せば夢のような生活を送っていましたね。

そんな、ニューヨークのような場所に留学してみたいと思う人も多いでしょう。

そして、そう考えた次に思い浮かぶのは、お金の悩みですよね。

いくらくらい学費がかかるの? 毎月どのくらい生活費がかかるの?

今回は、私のケースを例に、実際にどの程度の費用がかかったのか説明していきます。

そこから比べて、自分にいるものいらないものを考えて参考にしてみてくださいね。

入学するために必要なお金

留学センターへの費用

留学センターとは入試のために必要な手続きや書類などを調べて日本語でアドバイスをくれる施設です。

もちろん、留学センターを通さず自分でやろうと思えばできますが、大学のホームページを見て受験するのに何がいるかを調べないといけないので、それなりに英語の理解ができなければ大変な労力が必要となります。

「いやいや、そんなの自分で頑張って調べればいいじゃん」と思う方はニュースクールのホームページを試しにのぞいてみてください。

https://www.newschool.edu/admission/prospective-undergraduate-students/apply-undergraduate/

ニュースクールは音楽だけでなく、ファッションやデザインも世界的に有名です。いわば総合大学のような大学ですので、まずジャズコースを見つけるのも大変です。

また、そこから受験要項や学費のことをたどるのも、英語がスラスラ読めないとかなり大変ですので、留学センターが近所にあれば使ってみるのがいいでしょう。

私も留学センターを通して受験したので、センターが提出してくださいと言ったものを用意して記入することで問題なく留学できました。

そして、そのほかに必要なことなどもちゃんと教えてくれるので、失敗したくない、周囲に留学について相談できる人がいないなら、一度利用してみるのがオススメです。

ただ、相談してアドバイスをもらうのにそこそこの金額がかかります。英語ができる人や周りに留学経験者がいれば、ここのコストは抑えられると思いますので、要検討です。

かかった費用:30万円

TOEFLの受験費用

英語ができなければ大学に入学させてもらえないので、大学入試の前に英語が母国語じゃない人たちはTOEFLという試験を受けてパスしないと、そもそも試験を受ける資格を与えられません。

120点のうち79点以上取ればニュースクールを受けられるのですが、相当勉強しても難しいものでした。。

リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4項目に分かれていて、トータル4時間くらいのテストを受けます。

6回くらい受験しましたが、なかなか思うような成績を取るのが難しかったです。そして1回の受験に25,000円くらいかかるので、気軽に受ける、というのはなかなか…。

かかった費用:15万円

ESL

ESLとは「English as Second Language」の略で英語が第2言語の人たちのためのプレスクールです。

一応TOEFLがきつい人たちのために救済措置があって、ニュースクールのESLのレベル5のクラスをクリアすればTOEFL免除というものがありました。そして私はESLの試験を受けてなんとかギリギリレベル5で入ることができて大学受験の資格を得ました。

1番の壁は乗り越えられましたが、ちろん費用はかかります…。。

かかった費用:50万円

学校でかかった費用

学費

一番まとまったお金がいるのはここですね。結論から言うと半期180万円です!

そうです、半期です! 1年に前期、後期と分かれているので年間授業料は360万円です。

とんでもない授業料ですよね。ただ、安心してください。

先生たちはその授業料に見合った分だけ、むしろ「いや、もう結構です」と言うくらい教えてくれます(笑)。

そして学んだことを、その後に自分で考えさせられるので、文句なしです。ただ、高いです。。

私の場合はラッキーなことに返さなくていい奨学金をいただき、半期に学費の半分くらい奨学金がでました。

これは入学試験の結果で決まるそうです。時期的に春入学で生徒が少ない時期だったためもらえるチャンスがあったんだと思います。

そして前の大学からちょうど半分くらい単位が持っていけたので2年フルで授業を受け、卒業するのに必要な必修科目を半期とって2年半で卒業できました。

かかった費用:4セメスター(半期)x90万円+40万円(最後半期)=約400万

日常でかかる費用

家賃・光熱費

私が住んでいたところはマンハッタンから出たクイーンズという街です。郊外なのでマンハッタンより静かで、少し家賃が安いエリアです。

とは言ってもニューヨークに1人で住もうと思えば、クイーンズでも最低15万はかかるでしょう。マンハッタンなら倍くらいです。。

なのでニューヨークの人たちは、基本的にルームシェアをしています。

私の場合はたまたま日本の友人2人が留学してきたので、タイミングよく3人でルームシェアをすることができました。

円でいうと月18万くらいのところを3人で割って1人月6万くらいで住んでいましたね。

私のようなケースは珍しいので、もし知り合いとルームシェアできない環境ならばニューヨークの日本人が使っているネット掲示板を使うといいかもしれません。

「MixB」:https://nyc.mixb.net/

「info-Fresh」:https://info-fresh.com/bulletin-board/All

私もこの掲示板を使って次のルームメイトを見つけていたのでわかりますが、安心して使えるサイトでした。

アメリカ人とルームシェアできなくはないのですが、生活スタイルの価値観が違うのでいきなりはあまりオススメしません。アメリカ人と住んでいる友人からよく話を聞いていましたが大変そうでした。

かかった費用:月6万

食費

できれば食事は自炊がオススメです。ニューヨークの外食はとんでもなく高くつきます。例えばラーメンを食べたいと思ってラーメン屋に入ると一杯1500円くらいです。高い…。。

それだけでなく店員にチップを払わないといけないので(水とラーメンしか出さないのに)2000円近くします。

こんなんじゃ気軽にラーメンなんか食べられませんよね。なのでニューヨークの(大して美味しくない)ラーメンを食べるのにも月1間隔でしかいけませんでした。

ラーメン屋だけではなくレストラン系はどこも1食これくらいするので、選択肢としては…

  • 日本のコンビニのようなデリという場所(1食1000円)
  • 1ドルピザx2(200円)
  • テイクアウトの中華料理(500円)
  • ケバブの屋台(500円)

のどれかを利用してました。

あとは日系スーパーとアメリカのスーパーを使って自炊ですね。ニューヨークに住んでいると日本食がどれだけ美味しいのか身にしみます。。

余裕があるときはサンドイッチを作って持っていって食費を抑え、大体これで1日に700円に収まるように生活していました。

しかし食材が不味すぎて気持ち悪くなっていたのを今でも思い出せるので、無理して作って持っていかなくても良かったんじゃないかなと、今では感じます。。

あとは友人と普通に外食する時もあるので月3万といったところでしょうか。

かかった費用:月3万円

交通費

ニューヨークの交通事情はとてもわかりやすく基本、徒歩か電車です。

そして地下鉄は定期券があるので月1回15,000円のチャージで地下鉄が通っているところ全部乗り放題です。

余分にかかることがないので安心ですね。ただ電車は時間通りこないし、止まって動かないことはしょっちゅうです。電車が動かなくなった時は徒歩かバスやタクシーを使います。

かかった費用:1ヶ月約15,000円

ライヴ鑑賞費

ニューヨークの音楽ライヴは安いところが多いので、ついつい毎週通ってしまいました。

ここでしか見られない組み合わせや、この街を拠点としている大御所などのレアなライヴを見れるのは大きいメリットですね。

通常2,000円くらいですが安いところであれば500円、高くても5,000円くらいなので日本で見るよりかなりお得です。

週1ペースで考えても平均12,000円くらいです。

かかった費用:月12,000円

 

学校以外の生活費だけでいうとトータル1ヶ月12万という感じでしょうか。年間140万は少なくともかかっています。

トータルでかかった金額

上記したものを足して2年半での留学でかかった金額は……..865万!

今働いている身になると、とてつもない金額だと分かりますね。。両親と祖父母に改めて感謝です。

もちろん、上記は平均金額なので、楽器を買ったり友達と遊んだりするのにもお金がかかっています。実際の費用はこれ以上にかかっているでしょう。

減らせただろうと思うもの

個人的にコスト減らせたとすればESLですかね。

TOEFLのスコアが足りなくても入れる方法があるらしいのですが、私はわかりませんでした。。

まあ、ここで英語をしっかり勉強してたからこそ大学の授業についていけてたのだと思います。

そして人によりけりですが大学卒業という経歴がいらなければ、1年だけ留学というのもアリでしょう。1年で取りたい授業だけとって日本に帰る方法です。

そもそも大学の1学期に取れる単位数が18単位しかありません。そんなにあるならいいんじゃない? と思うかもしれませんが卒業しようと思うと必修科目で12単位くらい埋まります。

なので自分が取りたいなと思う授業やアンサンブルのクラスは3つくらいしか取れません。これが唯一のストレスでした。

やりたい授業を選べないで長く過ごすよりは2学期分好きな授業を取りたいだけとって帰るのもかしこい選択だと思います。

という感じで2年半だけでもとんでもない金額になることが私自身も改めてわかりました(笑)。

留学したい方は覚悟してしっかり勉強しましょう!

次回は留学前に準備しておいてよかったこと、準備しておいたら良かったことを中心にお話ししていきますので、よかったら次回も見ていってくださいね!



ABOUTこの記事をかいた人

野澤 宏信

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。