ジャズにおけるボサノバにおいてのドラムの役割の解説

ジャズをやっているならば4ビートのスイングだけではなくファンク、ラテン、ボサノバなどいろんなフィールで演奏する機会がありますね。

その中から、今回はボサノバについて取り上げていこうと思います。

ボサノバといえばゆったりな雰囲気で楽に演奏しているイメージですが、いざやってみるとドラマーはかなり四苦八苦するフィールでもあります。

なので今回は少しでもボサノバができるようなアイデアをあげてみますので是非参考にしてみてください。

ボサノバにおけるドラムの役割

まず覚えておきたい役割の1つとしてはリズムを作り出すことです。

実のところ、本家ブラジルの音楽は(ボサノバはブラジルの音楽です)ドラムが入っていることがあまりなくパーカッションがメインだったりします。

特にサンバではスルド、シェイカー、スネア、クイーカ、パンディーロ、タンボリン、トライアングルという楽器で複数人で演奏します。

え? そもそもサンバとボサノバの違いは? と疑問に思われる方。

サンバはカーニバルでの音楽と連想されますが、サンバのテンポがゆっくりになるとボサノバと呼ばれます。テンポの速さで名前が違うんです。

もちろんサンバかボサノバの間で楽器の編成は多少変わりますが、根本的なリズムのルーツは変わりません。

ここでは深くは取り上げませんがブラジルの音楽にまつわるリズムの動画のリンクを貼っておくので参考にしてみてください。

・スルド

・シェイカー

・カイシャ(スネア)

・パンディーロ

・タンボリン

・アンサンブル

まあジャズのライヴやセッションでサンバやボサノバになった時にこんなたくさんの人数を召喚するわけにはいかないので自然とドラムに役目が回ってくるわけです。

なのでこのパーカッションでやっているようなリズムをイメージできるといいですよね。

そしてもう1つの役割は曲を色づける役割です。

ドラムがいないボサノバもよくありますが、聴き比べてみると曲の明るさや雰囲気が違うのがわかりやすいです。

ドラムなしのボサノバ

ドラムありのボサノバ

ギターでリズムを出してくれるので正直ドラムなくても成立しますが、こうやってみるとドラムが入っているボサノバはキラキラしていてよりリズミカルですよね。

この動画でのドラマーもテーマの最初の部分はハイハットで、曲の後半少し盛り上がるところやソロの部分はライドシンバルで演奏していてハイハットとライドシンバルで雰囲気を分けていています。

なのでボサノバを演奏する時は曲のカラーをつけるという役割を頭においているとよりいいボサノバがたたけそうですね。

では実際ボサノバのリズムと叩き方をどうやるのかをみていきましょう。

ボサノバのリズム

まずは手と足、別々で考えてみましょう。譜面も掲載するので参考にしてください。

手のリズム

右手はトライアングルやシェーカーの役割を担当します。8分音符で刻みますが、特に強弱はつけずにイーブンに叩けるようにしましょう。

左手はカイシャやタンボリンのリズムが元になっています。

決してクラーベではないので注意してください! リズムが似ていますがクラーベはキューバの方のラテンのリズムなのでこちらと勘違いしないようにしておきましょう。

ある程度最初はパターンでやっていいと思いますが、左手のいれるタイミングは慣れたら変えていきたいですね。

まずは手だけで練習して、慣れたら足のほうも見ていきましょう。

足のリズム

最初に音量の注意点です。足を踏むときは音量が大きくなるとベーシストの音を消してしまうのでヒールダウンで軽く踏みましょう。

それでは実際の足のリズムを見ていきましょう。

これが基本になります。ベーシストもこのバスドラのリズムで弾いているので人と演奏する時はシンクロするように意識したいですね。

足だけでやるとまだ大丈夫かもしれませんがこれに手をつけると一気にハードルが上がります。

どうでしょう? 初めてボサノバのリズムをやる人にとってはかなり難しく感じますね。

なので手足一緒に演奏する時は順を追って練習していくといいです。まずは左足のハイハットなしでやってみましょう。

右手の刻むシンバルはライドシンバルでもハイハットでもできたほうがいいので、まずはハイハットからやってみましょう。

右手をハイハットで演奏する時は左足を踏みっぱなしでクローズサウンド演奏することが多いです。

これで一度左足は封印して練習できますよね。慣れたら両足をつけて右手はライドシンバルで練習してみましょう。

練習の手順

なかなか一気に全部はできないので、使う手足を限定して組み合わせで練習していきましょう。

下に書いてある順番で練習していき、できたら次の番号に移るようにして練習していきます。最後の完成形ができなければまた手順1から戻って練習しましょう。

左足なしで練習する時

1.両手

もう一度両手でパターンの確認をしておきます。

2.右手+右足

シンプルに右手と右足ですね。リズムの出音がしっかりそろうようにしましょう。

3.左手+右足

自分の出している音に集中してみてください。特に左手のリズムが気づかない間に変わっていることがあったりするので譜面を見ながらしっかりコンビネーションの練習をしましょう。

4.両手

もう一度両手での練習をはさむことで全部合わせて練習する時に効果が出やすいです。

5.両手+右足

最後に全体で練習してみましょう。最初は1フレーズを叩いたら一回止まって大丈夫です。慣れてきたら続けて2回、その後3回、4回と少しずつ長く叩けるように回数を増やしていきましょう。

左足入れて練習する時

1.右手+両足

これもリズムの出音がしっかりそろうように練習です。体のバランスが取れるようにしましょう。

2.左手+右足

コンビネーションを確認しながらしっかり練習しましょう。

3.左手+両足

これも全体のバランスが取れるように練習しましょう。

4.両手

全体で練習する前にもう一度手の確認です。

5.両手+両足

最後に全体で練習しましょう。先程の左足なしの練習の時と同じように慣れないうちは1フレーズで切って練習するほうが体に覚え込ませやすいです。

コツ

コツとしては、まずは体のバランスです。両足を踏んだ時に頭が左右に揺れないように注意しましょう。

体重のかけ方としては右足はかかとに重心を置き、左足は踏んだ時につま先に体重がかかるようにするといいです。

最初に言ったようにバスドラムはヒールダウンなのでここに体重が乗っかるようにすると上体のブレが減ります。

できたらサウンドにも気をつけてみましょう。スネアのクローズドリムショットの音色、ライドシンバルの音(叩く場所)、バスドラの音量など気をつけていないとボサノバの雰囲気が崩れてしまいます。

パターンを追うだけでなくしっかり耳で自分の出している音を聞きながら練習するのがコツです。

ハイハットのリズムにひと工夫

もうこれができる人や慣れた人は下のフレーズで練習してみてください。

左足のオープンクローズを入れて伸ばす音を入れます。この時左足もヒールダウンで演奏するほうがバランスがとりやすくオープンサウンドを作りやすいです。

参考音源

最後に参考音源をご紹介しておきます。是非聴いてボサノバのリズムとサウンドを体で覚えていきましょう。

・アントニオカルロスジョビン「Wave」

・ボブミンツァー「Blue Bossa」

・アントニオカルロスジョビン「Corcovado」

・フランクシナトラ&アントニオカルロスジョビン「The Girl From Ipanema」

 

ボサノバ以外のフィールについて解説した、続きの記事はこちらから。

 



ABOUTこの記事をかいた人

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。