小田原産ほうれん草と牛コンソメのスープのレシピ

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こんにちは、モジカル編集長のじさとしです!

野地サイクル 店内

さて、2024年11月から開始した喫茶店、野地サイクル喫茶部では、なるべく小田原産食材を使用してお料理を提供したいな、と、考えております(自転車屋さんの中に喫茶店を作りました。詳しくはこちらへ)。

そこで、そのときどきで手に入る素材で、なるべく小田原に関連したものをセレクトする、というのがコンセプト。

セレクト、なんて言いましたが八百屋さんやお肉屋さんや、地場の専門業者の方たちに選んでもらってオススメされたものを仕入れているので、セレクト、というよりも「いただいてきて」が正しいですかね。

横文字でかっこつけたいと思って使ってしまいました・・・。

さて、こういったスタイルでの仕入れのため日替わりとまでいかないもののしばらくするとメニューが変わったりします。

今回ご紹介するのはそんな、ウチのスープ料理の1つ。

特に秋冬においしい、ほうれん草と牛コンソメのやさしい味のスープです。

スープの下準備

食べに来ていただけるとうれしいですが、なにぶん駅から遠い上に田舎にある店舗なもので。

よかったらお家で作ってみてください。

まずは下準備。

小田原産 ほうれん草

小田原産のほうれん草。今回のメインキャストです。

ほうれん草は種類もいろいろなので一概には言えないのですが、やはり小田原産は関東近郊物やほか産地のものより一回り、ないしわずかに小さめなような。

小田原の野菜の特徴だと思うのですがこういうの言い切れないところがまだ野菜に触れきっていないところでお恥ずかしい限りです。

小田原産 ほうれん草

最近はスーパーで購入すると茎の根元などに土が全然ついておらずビックリします。

ウチのほうれん草は地場の農家さんのものを八百屋さん経由で仕入れて使用しているため、スーパーのものとちがって泥や土など付いていることもあります。

もちろん、虫さんも。

そのため、めちゃくちゃよく洗います。

スーパーで購入するとほんとに土も虫もいなくて、あの量をどうやってあそこまで入念に洗っているのか。

農家さんの不断の努力には頭が下がります。

小田原産 ほうれん草

さて、面倒ですが大切な工程。

全体を大きなボウルでざっくりと洗い水にひたしておき、その後ほうれん草を一本ずつ根からはがして土の付着などないか見ながら流水で洗います。

時間かかるんですがウチはスープ料理がメインなので土の風味が入るとお鍋全体に回ってしまいます。

あえて野趣あふれる感じにしたいときもありますが今回は淡口なので、特に気をつかって洗います。

こうやって見ながら虫さんもチェック。

さて、おわったら葉、茎、根の3つに分け、茎は少し長めにザク切りします。分ける作業も切る作業もざっくりで大丈夫です。

根の部分はよく洗って、土汚れがどうしてもとれないところはペティナイフなどで鉛筆を削るように薄く除去します。

それから根と茎の境目は土が残りやすいので要チェック。

よく洗っておいてなんですがこの部分を使用するとスープにうっすらと鉄分ぽい色味がつくのと、風味が強くなりすぎるので今回は使用しません。

でも、根は甘くておいしいですよね。

4つくらいに縦に裂いて下茹でしてオイル系のお料理にいれてもいいし、軽めに茹でたものに塩コショウしてオムレツで包んでもうまいです。

素材がよければ単純に茹でたものをよーーーく水切りして、いいオリーブオイルをかけ、コショウ、粗塩を散らしてやると結構いいつまみにもなります。

さて、ほうれん草のあとはジャガイモをむいてタマネギと長ネギを刻み下ごしらえは完了です。

そんなに気にしなくていいですがあまり細かくしないほうが最後の風味がいいような気がしたりしなかったり。おまじない程度の効果があるような。

分量はスーパーで売っているほうれん草なら一把に対して小さめのジャガイモ2個、長ネギ半分、タマネギ半分くらい。

長ネギとタマネギの分量は6:4で、長ネギの青い部分は入れないでください。ここだけ注意してもらえばあとの分量は結構適当で大丈夫です。

スープの調理

まずは鍋に長ネギとタマネギを入れ、その上からおおさじ1くらいのオイル、底味に塩少々を入れます。

塩はお店では5種類くらいを使い分けていますが、今回は細かい海塩。

オイルもオリーブオイルを使用していますが、風味が弱そうな長ネギとタマネギならもっと風味の弱いひまわりオイルなどの方がいいかもしれません。

素材全体にオイルが行き渡るようによくかきまぜながら弱火で炒めます。

なるべくオイルは少なめで。

炒める、というよりもうっすら火をとおして野菜の水分を外に出す感じです。

長ネギとタマネギが収獲から時間が経過していると水分がすくなくすぐにコゲがでてしまうので、その場合は大さじ1~2程度の水を加えてあげます。

蓋をしながら火を通し、1~2分に1回くらい蓋を開けてかき回してコゲを防ぎます。

蓋の裏についた水分はお野菜から出たもので風味豊かなので鍋に戻しつついきましょう。

素材を出したあと、あえてちょっとこがしてみました。

これ、たしかに鋭い味わいでおいしい部分なのですが今回はこういう状況になったら一度鍋を軽く洗ってコゲを落としましょう。

スープに色味がついてしまうのと、なるべく味わいにトゲを出したくないので。

うっすらコゲがある程度なら続けて調理をしても大丈夫です。

八分程度火が入って少しぺっとりとしたらジャガイモを加えます。

また同じように蓋をしながら火を入れジャガイモに透明感が出るまで面倒をみます。

このあたりでほうれん草の葉の部分と茎を下茹でしておきます。

塩少々にオリーブオイルを少し入れて茹でると葉の色が落ちにくくキレイに仕上がります。

茹で上がったらすぐに水にとっておきましょう。

やりすぎると栄養が抜けてしまうとも言われますが、なにぶんいいほうれん草は味がつよいんです。鉄分のうまみを前面に押し出しすぎてしまいます。

とくに、ウチのような淡口のスープはほうれん草に支配された一杯になってしまいがちなので。このあたりのゆで加減と水へのさらし加減は慣れが必要です。

水にとったほうれん草は葉の部分のみ半々にして別々に置いておきましょう。

茎と葉の半分をお鍋に入れてやんわりと火を通し、牛のコンソメを入れます。

このコンソメはできればコンソメスープを自分でとりたいですが結構手間がかかるので、ブイヨンのキューブをお湯に溶かしたものでも大丈夫です。

コンソメの取り方はかなり長くなるので割愛しますが、ウチは骨を使用せず牛ひき肉と卵白でとります。

これ、ちゃんと作ったとしても家庭でやるとほぼ確実に余るんですよね。しかも思ったより日持ちしない。

それにチキンストックに比べて汎用性もそこまでありません。

お家で作るならコンソメキューブが楽だと思います。

ここで全体の味を均一にするようなイメージで10分程度煮こみ合わせます。

小田原産 ほうれん草

この間にもう半分のほうれん草に塩をひとつまみ加えたものをハンドブレンダーでペーストにします。

隣で煮ているスープも少し加えてペーストにしてください。味なじみがよくなります。

これが彩りと、味のムラを出すので結構重要です。

さて、煮込み合わせているお鍋のほうがそのままスープとして食べられるくらい火が通ったらハンドブレンダーやミキサーで潰し混ぜペースト状にします。

結構ぼたぼたした感じになると思いますが大丈夫です。

耐熱シリコンのスパチュラなどで鍋底をなぞり、1秒程度底が見える状態くらいまでいくとベストです。

うまくできなければ少し粗めのザルで濾してもいいですね。

慣れてくると大丈夫ですが長ネギなどは結構残ったりもします。シノワだとなめらかになりすぎるので使わないほうがいいです。

これでスープのタネが完成。

我々の場合は食品衛生の観点からすぐに急冷して冷蔵庫で保存します。

ご家庭の場合はすぐ食べるのでそのまま食事で大丈夫です。もしも翌日などに持ち越す場合は氷を入れたボウルで冷やしてなるべく早めに冷蔵庫へ。

とろみのあるものは40~50度くらいの時間が長めになってしまうので。

さて、あとは提供前の仕上げをしましょう。

スープの仕上げ

今回は鍋ごといっていますが、1人分であればさきほどのスープのタネをおたま1つ分くらいとって小鍋に入れ火にかけ、そこに牛乳を入れましょう。

この分量はタネの味わいで変わるので、少しずつ入れながら味見して調整してください。

とろみもここでの具合が直接お皿に入るのでよきところで止めてください。

また、こういったスープは中心まで火が通りにくいので、ここでいいかな、とおもってからさらに2~3分温めましょう。

塩味についてもこちらで最終調整です。

ここで注意点です。あまりスープがあたたまっていないときに味見すると一口の量が変わります。

とろみのあるスープは口に運べるスープひとすくいの分量が熱さによって変わるので、なるべくしっかりあたたまってから味見をすると味のブレが少ないです。

ほうれん草の葉をペーストしたものを用意。

温めた器に盛ったスープの中央部に優しく置き・・・

完成です。

食べるときはこのペーストをくずしながらたべると味わいのムラができておいしいです。

ほうれん草を強くしすぎず、後口に残る程度に仕上がると素敵ですね。塩味は一口目は薄いくらいだと飲み終わる頃にはちょうどよく感じます。

ウチの場合は一緒にお出しするフォカッチャは少し塩味があるので、こちらとの兼ね合いで決めます。

それから手間はかかるのですが素材でつけた若干のとろみが重要です。

健康な方にはあまり関係のない話ですが、お体の具合が悪く飲み込むのがつらい人はサラサラしたスープだと気管に入ってしまって咳がでてしまうときがあります。

その方の体調にもよりますが咳き込むのは大きな体力を使用するので体の弱っている人は咳き込みを気にして食事がいやになってしまうんですね。

だから少しとろみがあったほうが飲みやすい、という方もいるんです。

健康であっても食事は体力を使いますから、飲み込みやすい、食べやすいというのは体が楽でいいです。

今回はジャガイモがとろみの基礎となっていますが、もしもジャガイモをあまり使用したくなければ炊いたお米をすりつぶしたものでとろみをつけてもいいです。

ほんの少量でも煮こむと結構とろみがつきます。長時間煮こむものであれば生米をざっとあらって一緒に煮こんであげてもいいですよ。

片栗粉や小麦粉でつけたとろみはどうしても重くなってしまうので。それこそ元気な人向けの調理方法です。

僕は結構元気なので、実は小麦粉でこってり仕上げたホワイトソースにパッケリという大きな筒型のパスタを絡めてフェトチーネアルフレードのようにパルミジャーノレッジャーノをたっぷりかけて食べるのとか好きですw。

ということで、小田原産ほうれん草と牛コンソメのやさしい味のスープでした。

いつもご用意しているメニューではなく、ほうれん草のおいしいのが入っているときのメニューです。

店頭に今日の野菜のポタポタスープのメニューは掲示してありますので、自宅で作るのは、という方がいらっしゃったらどうぞお気軽に食べにいらしてくださいね。



ABOUTこの記事をかいた人

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大学卒業後に新聞社に入社、その後ビジネス書の制作を得意とする編集プロダクションに転職。フリーでWEBや紙媒体での企画、編集、執筆、撮影などを担当し、現在はモジカル編集長。趣味の料理が高じてレシピ記事なども制作。