ジャズのコンピレーションアルバムから聞きだすのも、いいよね。

お気に入りアーティストの増やし方

ここ数週間ほどElla And Louis”というアルバムにどはまりしてほぼ毎日3巡するくらい聴いています。

このアルバムのどこが素晴らしいかということは置いておいて、ジャズを聴き始めてあまり時間が経っていない人やジャズに興味はあるけどあまり聴いたことがないという方々は何から聴いたらいいか分からないということが多いかもしれません。

何から聴き始めるべきかというともちろん名盤と呼ばれる有名アルバムから聴き始めるのが王道なのですが、ジャズの名盤なんて一生かけても聴ききれないくらい存在します。

しかも一度聴いてイマイチだなと思ったものでも何年かして聴いてみると思わぬ発見があり、奥が深過ぎて本当にいつまで経ってもこの泥沼から抜け出すことができません。

ちなみに僕が今はまっているElla And Louis”もこのクチです。

ある程度ジャズについての知識がある人はともかく、ジャズ初心者はどのようにお気に入りアーティストを探し、この泥沼もといえるジャズの深みにはまっていくべきなのでしょうか。

僕自身のときはどうだったっけなと思い出しながら書いてみようと思います。

とりあえず聴くならコンピレーションアルバム

僕がジャズを聴き始めるきっかけは高校の先輩がジャズのコンピレーションアルバムを貸してくれたことでした。

おい、ジャズっていぞ! と言いながらスイングジャズ、ビバップ、ハードバップと非常に大まかにジャンル分けされた3枚のコンピレーションアルバムを貸してくれたのです。

そのCDはジャケットもどこかへいってしまっており、どんなアーティストによるなんていう曲が収録されているかすら分かりませんでした。

当時の僕にとってははじめスイングジャズのCD がとてもかっこよく聴こえたので家に帰ってパソコンで「スイングジャズ」と検索してさまざまな音源について調べたものです。

現在ではYouTubeなどが流行っているので、検索すればすぐに聴くことできますが、当時はCDアルバムを検索するのがせいぜいでした。

今思えば初めから名盤と呼ばれるものを聴くよりコンピレーションアルバムに触れたのはかったのかもしれません。

誰しも好き好みがありますから、たまたま初めて聴いた名盤がなんとなく合わないと感じてしまったら「うーんジャズって難しい。僕には合わないな」で終わってしまうかもしれません。

コンピレーションアルバムであればさまざまなアーティストの曲が収録されていますし、その全てが厳選された名盤からの1曲です。

僕自身もそれを聞いたとき全ての曲がいとは感じませんでしたが、いくつかかっこいいと感じる音源が入っていたために家に帰ってから調べてみようとなったわけです。

ですからジャズに興味はあるけど何もわからないという方は是非コンピレーションアルバムを聴くことをお勧めします。

アルバムアーティスト名以外から広げる

コンピレーションアルバムをそこそこ聴くようになるとそのうちいくつかお気に入りができてくるかと思います。

お気に入りアーティストが見つかったらその人の名前でネット検索すれば他のさまざまな作品に触れることができますが、ここでもう一歩踏み込むためにアーティスト名以外にも注目して欲しいことがあります。 

それは年代共演者です。

ジャズと言っても年代によって演奏スタイルは異なります。

ですから気に入った音源をみつけたらその音源がレコーディングされた年を調べてみましょう。

その年代に近い同じアーティストのアルバムでも良いですし、同年代の別のアーティストに手を伸ばしてみることによって気に入った音源と似たスタイルの演奏に触れることができるはずです。

ただし今回取り上げたElla And Louis”でトランペットを吹いているルイ=アームストロングは非常に長い期間にわたってディキシースタイルでの演奏を続けたプレイヤーですから少し変わった例かもしれません。

マイルス=デイビスなどは長い活動期間中、さまざまなスタイルでの演奏を行なっています。

年代ごとに分けて聞いてみると非常に面白いと思います。

ジャズの演奏に限ったことではありませんが、一人での演奏というのは少ない方です。

ですので大抵の場合は共演者がいることになりますが、この共演者に着目してお気に入りアーティスト探しをするのもお勧めです。

Ella And Louis”で言うならばこんなメンバーです。

ルイ=アームストロング(ボーカル、トランペット)

エラ=フィッツジェラルド(ボーカル)

オスカー=ピーターソン(ピアノ)

レイ=ブラウン(ベース)

ハーブ=エリス(ギター)

バディ=リッチ(ドラム)

このアルバムを聴いていて興味のある楽器が出てきたらそのアーティストを追っていけば良いわけです。

似たようなメンバー同士が意外なところで別のレコーディングをしていたのを知ったりすると、この人たちって仲良かったのかなとかそういう方向へも思考を巡らすことができます。

少しマニアックな探し方

優れたアーティストは共演者選びも優れていることが多いのですが、その最たる人はやはりマイルス=デイビスだと思います。

少し言い過ぎかもしれませんが、マイルスと共演したことのあるアーティストを年代ごとに追っていけば彼の登場以降のジャズ史のメインストリームを追うことができるのではないでしょうか。

古くはチャーリー=パーカー(これはマイルスがパーカーに見出してもらった方ですが)、ポール=チェンバース、フィリー=ジョー=ジョーンズ、果てはハービー=ハンコック、ケニー=ギャレット、キース=ジャレットに至るまで様々な年代に渡って多くの素晴らしいアーティストたちと共演してきました。

いろんな意見があるでしょうが個人的にはマイルスと共演したことのあるアーティストはほぼ間違いない! と思っています。 

奥の深すぎるジャズの世界のことですから他にもマニアックな探し方をしようと思えばいくらでもできると思います。

もちろんジャズは演奏してナンボという僕のポリシーは揺らぐことはありませんが、こういったジャズの探索の仕方も面白いかもしれませんよ。



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。