来日したらライブ必見 プロのオススメするジャズドラマー

最近のジャズシーンで活躍しているドラマーは数多く、来日したら是非見たい! と、思えるドラマーを何人か挙げられます。

誰を紹介するか迷いますが、僕自身、ライブではかぶりつきで観たいドラマーばかりです。

ケンドリック・スコット

実は私の師匠ですが、これは忖度などなく(笑)本当に素晴らしいドラマーです。

何が素晴らしいかというと、なんといってもバンド全体をつつみ込む唯一無二の音色。

ソリストやボーカリストをサポートする力がとても強く、聴いててとても気持ちいいドラマーです。

また、リズムのモチーフの使い方をとても考えていて、曲のメロディから一部リズムをピックアップしてソロの部分で独自の発展をさせます。

元々努力家で、理論的に組み立てなが音楽をやっている感じだと思っていましたが、実際に教わってみると感覚的に昇華できる人だと痛感したものです。

サイドマンとしてオススメのアルバムとしてはGretchen Parlatoの「The Lost and Found」とWalter Smith IIIの「Still Casual」は必聴です。

最近日本には自身のバンドで演奏しに来ることが多いのでリーダーアルバムも聴いてライヴに行くとより楽しめるでしょう。

おすすめのアルバム: “Conviction”“We Are The Drum”

ブライアン・ブレイド

数年前まではよく来ていましたが、最近頻度が少なくなってお目にかかるのがレアになってきました。

来るときは大人気ピアニストのチックコリアトリオで来日していることが多いので、チケットが完売しないうちにすぐ予約しましょう。

本人ももう大御所と言っていいですが、昔から共演ミュージシャンは大物ばかりでボブ・ディラン、ウエイン・ショーター、ハービー・ハンコックなど、音楽の歴史に名を連ねるようなミュージシャンばかりです。

プレイスタイルのルーツとしては、マックスローチ、アートブレーキーなど、トラディショナルなスタイルを継いでいる感じですが、音色やフレージングは現代に合ったドラミングです。

音楽も流動的で、他のプレイヤーのやっていることをつねに把握してどこまでも新しい展開に導いてくれる神みたいなドラマーとも言えます。

ほぼ好みが分かれることなく、見て間違いのないドラマーといえばこの人ですね。

おすすめのアルバム: “Season Of Changes”“Trilogy”

マーカス・ギルモア

偉大なジャズドラマーであるロイ・ヘインズの孫のマーカスギルモア。

歳は現在(2019年)33歳にしてチックコリア、マークターナー、ギラッドへクセルマンほか、現役として活躍しているミュージシャンから引っ張りだこ。今現在世界一売れているだろうトップドラマーです。

近しいロイ・ヘインズから教わることはなく、独学で今のスタイルを築いたというのは驚きですが、トラディショナルな物からコンテンポラリージャズ、ヒップホップまで幅広く活動しているドラマーです。

ギルモアは音の立ち上がりが鋭くも、後から柔らかい響の音色で包んでくれるいつまでも聴いていたくなるような音をしています。

一見ふわふわしているようなフレーズを叩く印象ですが、本人の中に流れているタイム感が恐ろしく正確なため、他のプレイヤーと自然に混ざるようなアンサンブルが実現できています。

おすすめのアルバム:“This Just In”“The Vigil”

ユリシス・オーエンスJr

マーカスギルモアよりも少し下の世代ですが、プレイスタイルとしてはトラディショナルなジャズに精通しているドラマーです。

ベースのクリスチャン・マクブライドトリオで頭角を表し、現在はさまざまなバンドで活躍しながらジュリアード音楽院大学(ジャズの名門)の先生もやっています。

ダイナミックでワイルドなイメージですが、実際に生で聴くと思ってる以上に音が小さく、出るとこは出るという音量感で叩いているのでそのコントロール力にびっくりすると思います。

この部分はCDでは実感できないので、ぜひ間近で体験したいですね。最近は日本でワークショップを行ったりしていたので、もしかしたら直接教わるチャンスもあるかもしれません。

リーダーアルバムもコンスタントに出して活動しているので、今、脂がのっているドラマーといってもいいでしょう。

おすすめのアルバム: “Out Here” “Unanimous”

ジミー・コブ

今度は変わってベテランドラマーです。

生きる伝説、マイルスデイビスのアルバム「Kind Of Blue」で一躍有名になったドラマーですが、プレイもそれまでやっていたドラマーとは違って淡々と4ビートを刻んでいくドラマーです。

淡々と演奏する中にも、音楽的で推進力のあるグルーヴを出すのがジミーコブのすごいところですね。

このプレイスタイルがマイルスのソロやコンセプトと合わさって、あの名盤が生まれた1つの要素となったのかもしれません。

そんな生きるレジェンドは未だ元気らしく、共演している日本人ピアニスト海野雅威さんが、この歳で海外ツアーもまだ全然行けていてポテンシャルがすごいと言っていました。

なので日本に来た際には拝みにいく勢いでライヴに足を運びたいところです。

おすすめのアルバム: “This I Dig Of You” “Peter Bernstein Quartet-Live At Smalls”

ジャーミー・デュートン

タイムリーなことに、この記事を書いているときに日本のブルーノートでJames Franciesのバンドで来ていました(笑)。

ニュースクール時代のクラスメイトだったんですが、入ってきた当時は才能あるやつだなぁ的な感じで、大物感はありませんでしたが、日を追うごとに進化し続け、数年後には学校でトップクラスの存在になっていました。

卒業後はピアニスト ヴィジェイアイヤーのドラマーに抜擢され、今ブルーノートから若手として推されているJames Fracies(Pat Metheny,Eric Harland, Chris Potterのバンドで活躍中のピアニスト)とJoel Rossのア

ルバムでブルーノートからメジャーデビューしています。

マーカスギルモアやエリックハーランドの影響を凄く受けている印象で、独自のプレイスタイルがもっと出てくるのは数年後でしょうが、明らかに音楽性もあって上手いです。

今はまだ目をつけている人は少ないと思うので、これを見ている方はライブ会場に行ってこれからの活動を追っていきましょう。

おすすめのアルバム: “Flight” “Kingmaker”

まとめ

もしも知らないドラマーばかりであれば幸いです。

Youtubeでも凄さが伝わりますが、生で見た空気感だったり、微妙なタッチだったり、直接体に響く音を感じると、まったくちがう印象を受けるはずです。

どれもブルーノート、コットンクラブ、ビルボードなどの大きなジャズクラブでしか見られないミュージシャンですが、聴きにいってまったく損はないドラマーたちなので、定期的にライブハウスの情報をチェックするのがおススメです。

ブルーノート東京: http://www.bluenote.co.jp/jp/

東京コットンクラブ: http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/index.html

ビルボード東京: http://www.billboard-live.com/pg/shop/index.php?mode=top&shop=1

毎回のチェックが面倒にならないように直ぐにブックマークしておきましょう!

それとドラマーの手元を見るために、ドラムの目の前に行くとドラムしか聴こえなくなるときもあるので、いくら演奏の参考に、と思っても、席選びは要注意ですよ(笑)。。

ABOUTこの記事をかいた人

野澤 宏信

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。