日本の歌い方とジャズを親近感でつなぐ綾戸智恵さんのアルバム

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こんにちは、野澤です。9月に入りだいぶ涼しくなってきましたね。

今回は今年新しくアルバムを出したジャズボーカリストの綾戸智恵さんにスポットを当ててお届けしたいと思います。

ジャズの英才教育で育った少女時代

両親の影響で幼い頃から映画音楽やジャズなどに触れたり、教会でゴスペルを歌うなど、いつもピックアップするようなレジェンドミュージシャンたちと同じルーツがあります。

しかも10代でクラブでピアノで演奏活動するなど、なおさらレジェンドジャズピアニストそのものですね。

その後17歳で渡米してジャズやアメリカの音楽文化にどっぷり浸かることになります。

そこから20年近くアメリカで過ごし1991年に帰国して大阪のジャズクラブで知る人ぞ知るジャズシンガーとして活動を始めました。

メジャーデビューになったきっかけ

帰国後すぐには自主制作CDを知り合いなどに売っていらっしゃったそうです。

そこからは歌唱力とパワーで圧倒する歌声が反響を呼び、さまざまな人へ口コミで広がっていき1998年にはメジャーアルバム「For All We Know」をリリースするまでにいたりました。

この当時、40歳ということでデビューは遅めですがバックボーンがしっかりしていてかなり仕上がったアルバムとなっています。

演奏力の高さを認められ、一気に有名になりテレビに露出する機会も増えたのでお茶の間で見かけたというかたも多いでしょう。

そこからはゴスペルを活かした歌い方で日本の曲をカバーしたり、日本を代表するビッグバンドの原信夫&シャープ&フラッツや山下洋輔さんなど、名だたるジャズプレイヤーとCDを作ったりするなど誰もが認知するジャズシンガーになっていきました。

今年(2026年現在)69歳になられたそうですが、いまだにパワフルで、関西弁のノリのあるMCも特徴的ですね。

演奏スタイル

ソウルやゴスペルをルーツにしているのでブラックミュージック的な歌い方ですが、完全なネイティブに寄せるのではなく日本人の持つ発音の仕方やコブシのような手法もあえて取り入れている印象を受けます。

人間離れしているような別世界のアーティストではなく親近感が持てるような歌い方で、リスナーとの距離が近く一度ライヴに行けば心が満たされるような感動を届けてくれるシンガーです。

メディアに出てからは自身のスタイルが確立されていますが最初のメジャーアルバム「For All We Know」はエラ・フィッツジェラルドやニーナ・シモンのような正統派ジャズの雰囲気があって個人的にはこれが1番好きです。

最新アルバム「UMAMI」をリリース

今年最新アルバム「UMAMI」をリリースしてまた話題を呼んでいます。

メンバーはベースとバンドマスターを西嶋徹氏、宮川純(Org)、天野清継(Guitar)、林正樹(Piano)、大嶋康司(Trombone)にドラムは日野皓正バンドで活躍中の高橋直希(Drums)というベテランから大活躍中の中堅、若手ミュージシャンで固めています。

曲は原点回帰なのか「For All We Know」の時と同じようにジャズスタンダードナンバーが多めのアルバムになっています。

1曲目の”Hallelujah”から教会を思わせる上質なオルガンサウンドから始まりバンドインでテンポが出てくるのですがカントリー感のある壮大な音楽がスタートします。

綾戸さんはやっぱりゴスペルが大好きな人なんだなと1曲目から感じさせる作りで、続く2曲目の”Someone To Watch Over Me”もジャズバラードでゆったりとsていますが本当に好きな歌を歌い上げている印象を受けます。

リスナーより自身の好きなものや自分らしいものをチョイスしてまさに綾戸さんの”旨味”の詰まった音楽を、リスナーに届けるようなアルバムになっているなと感じますね。

歌でバンドをまとめていますが綾戸さんが音楽の中心になるわけではなく、ある程度バンドメンバーにイニシアティブを渡して好きにさせておき、まとめるときはまとめる大人の余裕も見えます。

歌い方も日本人的な歌い方よりもっとネイティブな歌い方に寄せていてジャズ好きも気に入る1枚となるはずです。

“Smoke Gets In Your Eyes”や”A Nightingale Sang In Berkley Square”などの曲としても最高なバラードナンバーも雰囲気があって素敵なテイク。

“Route 66″はブルージーで落ち着いたテイクでギターの天野さんの味のあるギターソロも聴きどころです。

半分くらいはバラードなどスローな曲が多いですがアイディア豊富な歌い方を使っているのでバリエーションにあふれたアルバムとなっています。

全力ながらも余裕のある歌い方は綾戸さんのさらに一歩進んだ音楽が楽しめます。

綾戸さんの新しいアルバムをぜひ聴いてみてください。

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インディーズレーベル

衰えるどころかさらに進化する綾戸智恵さんの活躍ぜひ生のライヴで見るのもいいですよね。

綾戸さんのライヴ情報はこちらから。

説明不要な有名ジャズボーカリストですが改めて聴くとパワフルな歌声と繊細な表現を持った素敵なボーカリストだということがCDからもわかります。

ぜひ綾戸さんの最初のアルバムと新アルバムどちらも聴いてみて楽しんでみてください。



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野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。