Keyon Harrold(キーヨン・ハロルド)というミュージシャンはトランペッターであり、いわゆるモダンジャズの曲をあまり演奏しない印象です。
どちらかといえばコンテンポラリーな、ジャンルレスな演奏をするミュージシャンだと思うんですが、マイルスに似ているなんて話を聞きました。
こういうのがスタイル。
わりと好きなのでアルバムも持っていてよく聞きますが、マイルス…??
そうでもなくね(追記:いや、聞き込むとマイルスの要素たっぷりだった)?
なんでだろうと思ったら、マイルス・デイビスを題材とした映画で演奏をしていたんですね。
それが「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」という映画。
映画中の音楽監督はロバート・グラスパーですが、マイルス・デイビスを演じるドン・チードルの演奏シーンの吹き替えがキーヨン・ハロルド。
へー、と思って映画を視聴。
結果、マジ、マイルス。
これマイルス本人じゃねえの、というくらいマイルス。
そもそも、電子楽器ではないトランペットで、音色ってこんなに似せられんの!?
というよりも、マイルスの映画でマイルスの演奏の役割与えられるってすごくねえ!
しかも、映画おもしろいし。
脚本、監督、主演がドン・チードル。
ホテル・ルワンダかウォーマシンだと思っていたら、マイルスでした。
僕は音楽好きだけれど音楽知識は軽薄です。そんな僕から見ても歴史的にも、一般リスナーとしての視点からもマイルスはすばらしいミュージシャンです。
もしもあと少し長生きしていたら…、と思わざるをえません。
そんなマイルスの映画、音楽についての話だけではなく、彼の人柄についても描かれた作品です。一見の価値あり。
そして、キーヨン・ハロルドは一聴の価値あり。
ネタバレは大嫌いなのであまり書きませんが、冒頭、映画中でのマイルスへのインタビューの終わり方。
マジっで! かっこいい!
最近になってよく思い出す一節。
「ジャズって呼ぶな。ジャズは嫌いだ。」
マイルス、ほんとに、あなたの言っていた世界になってきているよ。