僕の住む小田原では、実は他県の同程度市町よりもたくさんの種類の野菜や果物が作られています。
これは気候が関係していて、日本列島の南北の気候の変わり目に位置するからです。
小さな市なのに、天気予報などでときおり気温などの表示がでるのはこのため。
そして、気候の変わり目に位置することから栽培できる野菜や果物の種類が多いそうです。
しかしだからこそ、通常名産として栽培されるものと比べてみると少し小ぶりであったり大ぶりであったり、味わいに微妙な違いがあったりと、食べ比べてみると楽しいです。
今回は、そんなうちの1つ。
小田原産のニラ
香味野菜の中で、そこまで常備されることのない野菜がニラですよね。
タマネギや柔白ネギなどと比べるとそもそも食卓への登場頻度も少ないと思います。
関東で販売されているニラでよく見かけるのは茨城県産ですが、北海道から南は高知くらいまでは栽培がさかんなので、時期によって産地はさまざまではないでしょうか。
小田原産のニラは秋頃が旬であったかと思いますが、ハウス栽培のものか通年見かけることも。
小ぶりでやわらかで、実はかなりおいしいです。
茨城産と並べて置いてみました。
画像の上が小田原産、下が茨城産です。
ご覧の通り、小田原産の方は一回りくらい小さいですよね。
ちなみに葉や芯も細いです。こちらが小田原産。
こちらが茨城産。
太さのそろった小田原産に比べて、茨城産は太さもいろいろですね。
小田原産は線が細く、それぞれの葉の太さも同じくらい。
見た目はとってもキレイです。
ニラは熱を通すとすぐにシンナリとするので、そこまで太さをそろえなくてもいいでしょうが、もしも同じ太さで揃えたい、仕上がりの見た目にもこだわりたい、という場合は小田原産をオススメします。
しかし、改めてみるとすぐに分かるほど太さがちがう。
小田原産ニラと茨城産ニラを食べ比べる
さて、外見はこのくらいにして食べ比べてみましょう。
なるべくシンプルな調理のほうがいいのですが、ニラはニンニクと同じ香りの成分があるため、おいしく食べるなら強めの味付けが必要です。
また、先述の通り熱を通すと食感が大きく変わるため食べ比べの調理方法に難を発します。
そこで、熱を通さず強めの味付けにて食べ比べるため、ニラキムチを作りましょう。
まずはニラを適当な大きさに切ります。
それを別々のボウルに入れます。
なるべく大きめのものがいいですね。
そこに豆板醤、オイスターソース、すりニンニク、醤油、塩を加えます。
塩は少しでいいです。少量でも大分味わいがよくなりますので。
それぞれ量は適当で大丈夫です。
そして一番重要なのがこちら。甘酒。
野菜を漬け込むタイプの調理に甘酒を使用すると、甘っぽいような味わいは感じず、野菜本来の味や香りが親しみやすくなります。
オススメ。量としては今回のニラ1束程度なら、小さじ3くらいかな。
そしてそれを揉みこみます。
あまり強めでなく、調味料をまんべんなく和えるように。
なにせ今回は食感の違いを比べたいので。
普段食べるようでシャキシャキした繊維質があまり好きでなければガシガシにぎるように揉むとやわらかになります。
ちなみに、こちらが和える作業を終えた、茨城産のニラ。
こちらが小田原産のニラ。
ね、別の野菜ではないかと思うほど違うでしょ。
これが小田原産のおもしろいところですね。
そして1日冷蔵庫でなじませます。
大分水分出ましたね。いい感じ。
気持ち小田原産のほうが水分少ないかな。
葉が細いからかな。
2種盛り。
もう分かりますね。画像左が茨城産。右が小田原産です。
茨城産は繊維質な見た目ですね。
水分がよく出て素材だった頃の見た目があまり残っていません。
小田原産はそこまで形が崩れていません。
葉の部分もしっかりしています。
まあ、見た目はどうでも。どっちがうまいかな〜。
まずは小田原産。
お、うまい。シャキシャキしているけれど、筋っぽさはありません。
あまり葉の形もつぶれていなかったのでもっと筋を舌に感じるかと思っていた。
それから香り。強すぎず、ふんわりとしています。
こりゃうまいな。
そして茨城産。
香り強めですね。ニンニクのような香りがかなり強いです。
それから筋はわりと感じます。ただ、小田原産と比べてという意味で。
口の中で水分の抜けた葉の部分がまとわりついてくる感じです。
こちらもおいしいです。
うん、小田原産のほうが香りもいいしやわらかです。が、これは好み分かれるな。
ニラの強い香りやパンチの効いた味が好きな人は茨城産のほうが好きかも。
ただし、食感に関しては小田原産の圧勝。茨城産は噛み切れない感じが多々ありましたが、小田原産はシャキッと噛み切れます。
僕の好みは小田原産かな〜。ふんわりとニラの香りがして。茨城産は濃厚なラーメンとか、クセの強すぎる食材に合わせる用。
単品で食べるには、もろもろの要素がちょっと強すぎに感じます。
ニラを湯がいて卵黄を添え、醤油をひとたち。おひたしのようにして食べてもおいしいですが、こういう食べ方のときは小田原産のほうがうまいっすよ。
茨城産と小田原産では、食感の似た別の野菜と言われてもそう思ってしまうかも。
冷麺に合わせてみる
非常に偶然にも冷麺をいただいたので、小田原産ニラキムチを合わせてみます。
では、ずるずるずる。
うっっま!!
冷麺のやわらかな香りの汁と麺に、香りふんわりのニラ独特の香味。
合う! シャキッとした食感が残っていることで、麺と一緒に噛むとうまい。
強すぎず、弱すぎず、こりゃあうまいな。
ということで、小田原産ニラのご紹介でした。
これはぜひ一度お試しいただきたい。なかなかの逸品ですよ。