こんにちは、グリットの伊藤です。
連載も第2回になりましたね。自分のお店のHPにも記事を書いているので、大分要領はつかめてきましたよ!
さて、今回は前回解説したトマト(前回記事は上記リンクからどうぞ)。こちらを実際にパスタソースに仕上げていきましょう。
最初にコツを言っておくと、材料を少なく使用することです。
トマト以外の食材を炒める
最初に必要となるのはこの3つ。
タマネギ、ニンニク、白ワインです。
まずタマネギをみじん切りにするんですが、ここで1つ。
ほとんどのご家庭で、タマネギを使いすぎです。
タマネギって、味も香りも強い香味野菜なので、入れすぎるとタマネギ味になってしまうんです。
トマトソースは、あくまでトマトが主役です。
なので、
トマト缶1つにつき、使うのはこの程度。
だいたい、トマトの10分の1くらいの量です。
今回のトマト缶は240gなので…
24g。うん、ぴったり!
※編集部注)撮影時、1発で24gちょうどにされていました。職人技!
さあ、タマネギをきざんでいきます。粗みじんですね。
完了。
次にニンニクです。今回、分かりやすいように芽の出たものを選んできました。
この緑になっている部分と、その根元に、台形型にうっすら色の違う部分があるのが分かりますか?
この部分はコゲやすいし、
味もよくないので取り除きます。
できました!
このうち、トマト缶1つに対して使用するのは4分の1程度。一片全部を使用されるご家庭も多いと思うんですが、こちらもタマネギ同様、ニンニクの味が強くなりすぎてしまうんです。だから、このくらい。
多すぎるとよくないのは、人のこととおんなじですね。
こちらも粗みじんにします。
そろそろトマト缶を調理しましょう。
ここではコツは1つ。このトマト缶の中身を、
手で粗く握りつぶします。この粗さがおいしいんです。
トマトをサラダで食べるときなどとちがってなにも取り除きません。
種ごと豪快に。これでおいしくなります。
続いてオリーブオイル。ここで1つ!
これまでオリーブオイルのことをよく知らずに使用していた、という人。是非お宅にあるオリーブオイルを確認してみてください。
もしも「エクストラバージン」と記載されたものしかなければ、それは炒め物に使用するのはちょっともったいないかも。
オリーブオイルには等級があって、エクストラバージンオリーブオイルからバージンオリーブオイル、そのまた下、そしてピュアオリーブオイルと配合などで名称が変わっていきます。
エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブのオイルの中のある基準をクリアしたものだけが名乗れる、高いランクのものなんです。
加熱するのに向いていないとか、いろいろ言われていますが、そもそもちょっとお値段も高いものなので、炒めたり煮こんだりして風味が飛びそうなら、最期にちょこっと加えるくらいのほうがいいですよ。
これがピュアオリーブオイル。炒めものなどにはこちらを使用するといいですね。
独特の黄色みがかった色味が薄め。オリーブの香りがふわっとする程度でねっとりしているというか、油! って感じが強いですね。
こちらがエクストラバージンオリーブオイル。
黄色の中に緑がかった色味に、強い風味。そしていくぶんサラッとしていますね。
今回はまずはピュアオリーブオイルを使用します。手鍋の鍋底に行き渡る程度たらして火をかけます。
オリーブオイルをあたためるんですが、あまり強い火だと粗みじんにした食材が入れた瞬間にコゲてしまいます。弱火くらいでいいですよ。
そこにニンニクを入れて香りをオリーブオイルに移します。
やべ、喋りながらやっていたらちょっと火を通し過ぎちゃった(汗)。
ここまで色が変わらないほうがいいんです。ま、今回はパパッとやっちゃいましょう。
皆さんはもうちょい早めに次のステップへ。
タマネギを加えましょう。ここでじっくり火を通して…、はい、これ、NGです。
タマネギは火を通せば通すほど辛みが抜けて甘みが強くなります。この甘み、強く感じすぎるとトマトのおいしさを越えてしまうんです。
そうすると、トマト独特の酸味や旨味よりもこの甘みばかり感じるようになって、トマトソースの味を邪魔します。
なので、とにかく火を通しすぎないこと。食感を残すくらいでも大丈夫です。
そして火を通しすぎないようにコンロからおろして、白ワインをお猪口2杯分くらい加えます。
火加減を調整するよりも、コンロからおろしてしまったほうが楽ですね。
いい香り。フランベするように強い火加減にする必要はありません。あれやると鍋の中のものにちょっと焼けた匂いがしてしまうので。
もっとクセの強いものとかであればいいんですが、トマトソースには必要ありません。
そしてさきほどの手でつぶしたトマトを加えます。
コンロに戻して中火くらいにかけながら、塩、コショウで味をつけます。
完成です! 塩味はそんなに強くつけなくて大丈夫。パスタの塩味もあるので、茹で上げたパスタと混ぜ合わせてから調整します。
今回はパスタのトマトソースと銘打っていますが、お魚と合わせたり、いろいろな食材と組み合わせてもおいしいですね。
基本のトマトソースです。
タマネギやニンニクなどは少なく感じるかもしれませんが、実際に食べてみるとそれぞれの食材の味わいがしっかり残っています。
1つが過剰になるとほかを凌駕してしまうので、全体を合わせてあげればちょうどよくなるんです。
それに、このトマトソースは常備菜のようなもので、パスタにするときにはまた少し食材を加えます。
次ページからは、実際にトマトソースのパスタを作ってみましょう。
ただあえるだけではありませんよ!
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