アドリブを練習するためのちょっとした工夫5つ

アドリブ練習のちょっとしたところ

普段アドリブを練習していてなんとなくやりづらいと思ったことはないでしょうか。

その原因が練習方法の誤りや単なる知識不足、もしくは練習自体が足りないせいならまだいい(いやよくはないか…)のですが、練習時にちょっとした工夫をするだけで解決するとしたらいいですよね。

今回ご紹介するものは、僕自身は昔誰かに教わったりなんとなく気づいて実践してきたものなのですが、生徒さんにレッスンを行うにつれて案外気づいていない人が多いことに気づきました。

いずれもちょっとした工夫で練習がスムーズにいくようになりますので試してみてください。

iReal Proを買うのがもったいないならYouTubeで

iReal Proというアドリブを練習するために役立つアプリがあります。

僕もジャズをやりだした頃に練習で使ってきただけでなく、現在も「ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。」で大いに活用しています。

ただこれがちょっとお高いのです。

僕が購入したときは900円程度だった記憶があるのですが、これを書いている時点でアップルストアで1,700円です。

経済的に余裕のある大人なら迷わず購入して欲しいところですが、学生さんはそうもいかないかもしれません。

そこで活用していただきたいのがYouTubeです。

「練習したい曲名 backing track」で検索すれば大抵のジャズスタンダードならヒットするはずです。

例えばAll The Things You Areならこんな感じです。

デメリットはテンポを自由に設定できないのと、キーを変えることができないということですが、まあ最低限の練習に使うのには十分でしょう。

そもそも無料という大きなメリットがあります。 

曲によってはアプリが自動生成する演奏よりはるかにかっこいいものもあるので無料といえども決して侮ることはできません。

テンポをいつもよりゆっくりで

YouTubeのバッキングトラックで練習している場合は仕方ありませんが、自分が演奏しやすいテンポより少し速いテンポで練習する人が多いような気がします。

確かに同じ曲を演奏するならば速いテンポでも演奏できた方が良いのは分かります。

しかしテンポが速いということは細かなミスを流してしまいやすいものです。

その状態ではいい加減に演奏してしまったとしても、案外うまく演奏できているように聞こえてしまうこともあります(笑)。

決して速いテンポで練習してはいけないというわけではありません。

速いテンポで上手く演奏できるようにしたいのなら必ず余裕のあるテンポでも練習し、自分がそのハーモニーを把握できているのか確認してからテンポを上げるようにしましょう。

もしテンポを落としてもうまくいかないのなら迷うことなくどんどんテンポを落としていきましょう。

余談ですが、ここで書いたのとは逆に、たまにショック療法的にめちゃくちゃ速いテンポでやるのが何らかのブレイクスルーをもたらすこともあります。

また、そもそもアドリブの練習は何も必ず伴奏を流して練習しなければならないわけではありません。

伴奏もメトロノームもなしで、ゆっくりと一人でアドリブするというのも大変良いトレーニングになりますからたまにやってみましょう。

コードネームは略号を

多くの方はコードチェンジを手書きでノートに書き写し、さらにコードトーンやスケールを書き込んでアドリブの練習に用いるかと思いますが、手書きされたコードネームは見間違えたりすることがあります。

書いたときは間違えるわけないと思っていても、実際にアドリブしていて頭が演奏のことで一杯になると案外あっさりと見間違えるものです。

せっかく頑張って練習したのに間違えたまま覚えてしまって、それに耳が慣れてしまったら目も当てられません。

特にメジャーとマイナー、そしてマイナーセブンフラットファイブとマイナーセブン、テンションノートにシャープやフラットがつくものもよく見間違えることが多いようです。

例えば上の画像のようにCM7とCm7、Bm7b5とBbm7、Ab7とA7b13など。

こうやって比較してみても見間違えなんてしないと思うでしょう?

既にアドリブに慣れている方ならまだしも、初心者の方は案外こういったところでつまづきやすいんです。

略号の書き方は以下の通りです。

M7=△7

m7=-7

テンションノートはアルファベットの斜め上に書かず、横に小さめに書く。

さらにテンションノートのシャープやフラットはそれぞれ+や-と書いても良いでしょう。

#9だったら+9、♭13なら-13のような感じです。

ただし-はマイナーと見間違える可能性もあるので一長一短ですが。

マイナーセブンフラットファイブ(ハーフディミニッシュ)はφ7。

ついでにディミニッシュセブンは○7です

1段4小節で

コードチェンジを手書きで書き写す場合、1段を4小節ずつにするとすっきりと見やすくなります。

なぜかと言うと、多くのジャズスタンダード曲は4小節かその倍数で区切って構成されていることが多いためです。

例えばAABAやABACと呼ばれる構成ではそれぞれが8小節で1セクションとなっています。

またコードチェンジは4小節の単位で変化していくことも多いため、理解もしやすくなります。

もちろん例外は少なくないのですが、多くのシンプルなスタンダード曲ではこれが当てはまります。

繰り返し記号は必ずほどいて

慣れないアドリブをしていて頭が一杯に近い状態で繰り返し記号などに従って目線を上下させるのはなかなか大変なものですし、演奏の流れが切れてしまいやすいものです。

ですから手書きでコードチェンジを書く場合はちょっと面倒かもしれませんが必ず繰り返し記号をほどいて書き写すようにしましょう。

1曲がひと繋がりになっていれば演奏中の目線はそれをただストレートに追っていくだけで済みます。

というわけで5つご紹介してみました。

特に後半3つは本当に些細なことのように思われるかもしれませんが、実際に多くの人がつまずいていますし、困ったことにつまずいている理由として当人が自覚しづらいものです。

ちょっとしたことで練習がスムーズにいくようになりますので、練習するときにチェックしてみると良いですよ!



ABOUTこの記事をかいた人

金村 盡志(かねむら つくし)

1986年生まれ。中学生から吹奏楽を通してトランペットの演奏を始め、高校生からジャズに目覚める。その後、原朋直氏(tp)に約4年間師事し、2010年からニューヨークのThe New Schoolに設立されたThe New School for Jazz and Contemporary Music部門に留学。Jimmy Owens(tp)氏などの指導を受け帰国し、関東近郊を中心に音楽活動を開始。金村盡志トランペット教室でのレッスンを行いながら、精力的に活動を続けている。