ジャズドラムを始める人のための、ドラムセットの選び方

今回は主にスネアとドラムセットのオススメをご紹介していきます。(前回の記事はコチラから)

スネアもドラムセットもいわば太鼓なので、両方ともメーカーやシリーズで統一されているものが多いのが特徴です。

まずは、材質によってアタックの耳障りや音色に関わってきますので多少予備知識があるといいでしょう。

  • (メイプル): アタックに丸みがあってあたたかい明るいサウンド
  • (バーチ) :響きがドライでとても明るいサウンド
  • (マホガニー): アタックに丸みがあって少しダークなサウンド
  • (ブラス) :金属的な響きでかなりソリッド。ギラギラしたサウンド
  • (アルミ) :物理的にも音的にも軽め。丸みがあって抜けるサウンド

あとはメーカーごとにキャラクターが違います。

  • Gretsch :音色がごつい。だけど音はそこまで抜けない
  • YAMAHA :良くも悪くも標準。叩きやすく扱いやすい
  • Pearl :ロックポップスの感じが強くジャズドラマーで使っている人は少ない
  • CANOPUS・ 扱いやすく繊細。他のメーカより鳴りすぎない
  • SONOR :音色がゴツいけど抜けがいい。物によっては鳴りすぎる
  • Ludwig :あたたかく太めのサウンド。個体差が激しい
  • DW :明るくハイブリッドなモダンな音
  • Craviotto: 繊細に反応してくれるけど鳴った時の深みも十分ある。独特な音で高級感があるが鳴りすぎるので注意

あくまでジャズセットでの話なので、メーカーのシリーズやサイズによって特徴は異なってきます。

そして、これはとても個人的感想なのでスネアやセットを買いたい人は、必ず、それぞれで試奏して感覚を味わってから購入してくださいね。

それでは前置きが長くなりましたがスネアの話からいきましょう。

スネア

ロックやポップスのドラマーならまっ先に買う楽器ですがジャズでは揃える優先順位が実は低いアイテムですね。

プロのドラマーでもスネアは持参せず、お店のスネアを使う人もいるくらいです。

ということは、スネア選びとしては実際のことを言うと、

なんでもいいです。

本当になんでもいいのです。

ですが、そこはこだわりたいという方に向けてオススメのスネアをあげていきたいと思います。

まずは前回のタイプ別のおさらいから

タイプ1:ビバップ、モダンジャズのいわゆる王道なジャズを演奏したい人

タイプ2:明るくはっきりした音色でジャズを演奏したい人

タイプ3:今はやりの音色も出したい人

今回も上記の3つのタイプごとに、楽器をご紹介していきます。

タイプ1を選んだ方

・Gretsch USA Custom 価格相場6万円

王道といえばGretschでしょう。Max Roach, Art Blakey, Philly Joe Jonesを筆頭に、名だたるドラマーがGretchを使っています。

ですが、わりと好みで分かれるため、必ず試奏してから購入してくださいね。

実際、個人的な印象としてはボタッとしていて、いなたいサウンドがするのでそんなに好きではないです。

・Ludwig LM400 価格相場5万円

Ludwigは50年代から誇るLM400。名前は時代に合わせてマイナーチェンジしていますがコンセプトは変わらずいい音がします。

ジャンル問わず愛される名器ですね。GretchのUSA Customと違って材質が金属です。

・Premier 価格相場4万

プレミア? と首をかしげるひともいるかもしれませんが、実際なかなかに使用されているメーカーです。

材質がブラスのものもありますが、ウッドでできたものもあります。

詳しくはPremier snare 60’sと調べれば色々中古で出回っているので調べてみてください。
https://www.sekaimon.com/s/premier+snare/-/181227

Vintage drum guideというサイトにもカタログが載っています。
http://www.vintagedrumguide.com/premier_snare_drums_catalog_pages.html

タイプ2を選んだ方

・YAMAHA maple custom 価格相場5万円

今出ているメーカーの中で一番間違いないのは、このYAMAHAのメイプルカスタムでしょう。

扱いやすくクセがほとんどないスネアです。裏を返せば個性が少ないですが、耳障りがよく誰もが気にいるスネアです。

・DW  Jazz Series 6万円

DWはアメリカのメーカーの中でも比較的新しい方ですが、作りがしっかりしていてとてもブライトです。

ラグも丸くて一発でDWとわかる見た目なのもいいですね。

・CANOPUS  The Maple 価格相場7万

CANOPUSのメイプルはあたたかみもあり明るく抜ける音がします。

DWと系統が似てるようですがこっちの方が繊細さを感じます。

タイプ3を選んだ方

・Craviotto 価格相場14万円

僕が絶大な信頼を置いているメーカーです。

この動画はwalnutの間にmapleを挟んだハイブリッドスネアになっていますが、walnutやmaple単体でできている物もあります。

見た目もとてもカッコいいですが、木も単板で製造的に珍しいです。

鳴りはもちろんリッチで深く、cravittoという個性もありながら他の楽器の音とブレンドします。

ただし、もちろんそれなりにお高いです。

・YAMAHA Recording custom aluminum snare 価格相場7万円

物理的にすごく軽量のスネアです。

程よくパンチがあり音も重すぎず使い勝手が良いです。

一般的にスネアのサイズは14×5.5インチです。

他にも深さが深めの6.5インチの物も、浅めの4.5インチの物もありますが、どれもジャズで使われます。

深めの方がトレンド寄りで浅めの方がオールドスタイルな印象です。

もちろん音色や打感の好みもあるので叩き比べたいですよね。

ドラムセット

揃える物としてはだいたいハイタム(12×8)、フロアタム(14×14)、バスドラム(18×14)の3点セットです。

基本的にはメーカーの持っているキャラクターはさっきあげたスネアと一緒なので似ている感じになると思います。

タイプ1を選んだ方

・Gretsch Brooklyn Series  価格相場30万円

・Canopus Neo Vintage 価格相場30万円

https://canopusdrums.com/jp/product/neovintage-nv60m1/

CanopusのNeo Vintageは、ニューヨークの有名ジャズクラブsmallsにも置いてあってミュージシャン内ではかなり評判いいです。

Gretschの感じを追いながらも少し新しいサウンドも混じっています。

タイプ2を選んだ方

・YAMAHA Maple Custom 価格相場27万

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/200896/?gclid=CjwKCAiA_MPuBRB5EiwAHTTvMQ2IfFKLGpwTj8hlU0ADPkrDJtfh7AjoUMT-HIRedd_wm7eLfTrBGxoCe7UQAvD_BwE

・TAMA STAR Drums 価格相場55万円

意外にも、最近TAMAのドラムセットがアツいのかもしれません。

ピーターアースキン、ユリシスオーエンスがこのStar Drumsを使っています。

動画のユリシスが言うには、鳴りがジャズのサウンドにしっかりフィットしていて、かつパワフルなところがいいと言っています。

https://www.tama.com/jp/products/drum_kits/star_maple_drumkit.html

タイプ3を選んだ方

今から紹介するドラムセットはハイブリットな部類なのでお高いです。よく財布と相談して購入しましょう。

・YAMAHA PHX 価格相場70万

YAMAHAのPHXはハイブリッドモデルです。詳しい仕様はYAMAHAのホームページで。

https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/drums/ac_drums/drum_sets/phx/index.html

・Craviotto 価格相場110万円

Craviottoは色んな材質のモデルですがどれも同じキャラクターなのでどれ選んでも間違いないです。ただ輸入代理店を通すと3点で100万越えです。

https://www.nonaka.com/shop/

海外の代理店を使って英語でやり取りできれば半額くらいに抑えることができます。

http://www.maxwelldrums.com/craviotto-craviotto-sold-kits-c-22_373.html

コンパクトセットが欲しい、安くで抑えたい方

コンパクトなドラムセットの方が運びやすかったり安かったりするのでここではお手頃なセットを紹介します。

・Ludwig Breakbeat Kit 価格相場4万円

https://www.nonaka.com/ludwig/products/drumkits/index_breakbeats.html

・SONOR Aq2 Safari 価格相場10万円

https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/559973

・Gretsch Brooklyn micro kit 価格相場32万円


https://kcmusic.jp/gretschdrums/drums/brooklyn/

値段はメーカーによって異なりますがどのセットも運びやすい一品です。

この辺のシリーズだと値段で音の差が出るかと言えば、一概にそうでもないことがあります。

自分が好きなカラーやメーカーを選んでもいいかもしれませんね。

ドラムセットと一緒に買いたい物

 

以上ではスネアとドラムセットの話をしてきました。せっかく買ったマイセットを持ち運ぶために用意しないといけない物といえば、まずはケースですよね。

楽器はしっかり守りたいですが、ハードケースは頑丈すぎて重すぎるという難点があるので、canopusのbeatoがオススメです。

https://canopusdrums.com/jp/product/beato/

軽くて側が厚手なのでしっかり保護してくれます。

そしてマイセットでフル装備するならスタンドも必要になってきます。

シンバルスタンド、スネアスタンド、ハイハットスタンドです。

今は軽量のものが各社から出てますがオススメはDW6000のUltra LightシリーズとYAMAHAのアドバンスドライトウェイトです。

http://gatewaydrumline.shop-pro.jp/?pid=106648926

YAMAHA HW3 アドバンスドライトウェイト ハートウェアセット https://www.amazon.co.jp/dp/B07G75NHBN/ref=cm_sw_r_cp_tai_aIv0DbANRNKDY

あとはペダルと椅子ですね。オススメのペダルはDW5000です。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/173122/

椅子はドラムスローンで安定すれば大丈夫かと思います。

http://ヤマハ YAMAHA ドラムスツール エントリーモデル DS550U 安定性、耐久性、操作性を上位機種から受け継いだドラムスツールのエントリーモデル

https://www.amazon.co.jp/dp/B0009RNASI/ref=cm_sw_r_cp_tai_eWv0DbQ2Q3HVD

ここまで集められればどこでやるにしても困らないはずです。

ケースもスタンドもなるべく軽量のものを揃えられると持ち運びがかなり楽になると思います。

ドラムを練習する場所選び

前回の記事からジャズをやるのに必要なものをあげてきました。セットまで集められると、あとは練習場所です。

先述のとおり、場所はかなり限定されてきますがマイセットを使うことのできる施設がいくつか存在します。

音楽スタジオ公民館などの公共施設です。

当たり前の場所のようですが、自宅付近のスタジオと公共施設をよく調べてから利用しましょう。

選ぶ際に2点ポイントがあります。それは、階段駐車場の有無です。

まず、駐車場を無料で貸してくれるスタジオもありますが、公民館にはなかったりすることがあるので、場所を見つけたらまずはそこのホームページから、または電話して駐車場があるか確認しましょう。

ドラムセットを1人で持つのは至難の技です。

そして階段です。

階段があると、セットをひとつひとつ持って上がって、それを帰りにはふたたびおろすと、かなり苦労します。階段がないところかエレベーターがついているところがいいですね。

そんなところが果たしてあるのかというと、ショッピングセンターに入っている島村楽器のスタジオはその条件を満たしている所が多いです。

運ぶ際にはカートや台車が必要になってきますね。

http://MAGNA CART マグナカート 折りたたみ式 ハンドトラック MC2 https://www.amazon.co.jp/dp/B0010XS5PS/ref=cm_sw_r_cp_tai_Pqw0DbHAT0TYM

http://TRUSCO(トラスコ) 樹脂台車 こまわり君 省音G車輪 600×390 ブラック MP-6039N2-BK https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4WNQS6/ref=cm_sw_r_cp_tai_Uow0DbJJF0E8H

ドラムセット 選び方

カートではスタンドをくくりつけて、そこにトラベル用のバンドでシンバルをくくりつけています。

ドラムセット 選び方
台車にはドラムセットを乗っけて運ぶ感じです。

私も練習時にマイセットを必ず持っていく生活をここ5年くらいやっていますが、この感じが運びやすくベストですね。

運んでいるときに色んな人に見られたり、エレベーターに乗っているときにこの荷物はなんなのか聞かれたりすると思いますがだんだん慣れてきます(笑)。

ここまでするにはだいぶ労力いりますよね。

もし都内に住んでいる方であれば唯一ジャズのセットが置いてあるスタジオが大塚にあります。

https://www.beats-paradise.info/

ここはスティックだけ持っていけば十分な機材が置いてあるので、近くにあればかなりラッキーです。

自分の楽器で練習する理由

スネアとシンバルをロックのスタジオに持ち込んで練習することもできます。

ですが、ジャズならではのトーンやフレーズのイメージはジャズセットでないと本当の練習にはなりません。

そこら辺は脳内補正できるようだったらありだと思いますが、ジャズのセットに触れている時間が長くないとそこまでいかないと思います。

それから、ちゃんとジャズのセットで練習していると、不思議と新しいフレーズが思い浮かんだり、今までのフレーズを発展させたりするアイディアを、ドラムセットから発見できたり、自分のインスピレーションを引

き出してくれる瞬間が訪れます。

しっかりジャズが叩けるようになりたい、ジャズドラマーになりたいというのであれば、ある程度の労力と楽器への投資は必要になってきます。

ジャズを仕事にするにしても、趣味にしても、本気であれば突き詰めることは一緒です。

充実したジャズドラムライフを送るなら、とことんやれることをやりましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

野澤 宏信

野澤宏信 1987年生。福岡県出身。12歳からドラムを始める。2006年洗足学園音楽大学ジャズコースに入学後ドラムを大坂昌彦氏、池長一美氏に師事。在学中には都内、横浜を中心に演奏活動を広げる。 卒業後は拠点をニューヨークに移し、2011年に奨学金を受けニュースクールに入学。NY市内で演奏活動を行う他、Linton Smith QuartetでスイスのBern Jazz Festivalに参加するなどして活動の幅を広げる。 NYではドラムを3年間Kendrick Scott, Carl Allenに師事。アンザンブルをMike Moreno, Danny Grissett, Will Vinson, John Ellis, Doug WeissそしてJohn ColtraneやWayne Shorterを支えたベーシストReggie Workmanのもとで学び2013年にニュースクールを卒業。 ファーストアルバム『Bright Moment Of Life』のレコーディングを行い、Undercurrent Music Labelからリリースする。 2014年ニューヨークの活動を経て東京に活動を移す。現在洗足学園音楽大学の公認インストラクター兼洗足学園付属音楽教室の講師を勤める。