男性物の肌襦袢の着物リメイク ついに完成!

男性物の肌襦袢のリメイクシリーズ。いよいよ生地を裁断。

型紙は市販の洋裁の本を利用したり、アレンジしたり。作りたい! って思った感じの服に、できるだけ近い既成の型紙を利用しながら工夫しています。

そもそも、ど素人の私は自分で型紙がおこせない。

最初、洋裁を始めた頃は既成の型紙を使いたくなくて大胆にも自分の気に入ってる服に紙をのせて、テキトーに型紙を作って仕立てていました。

いくつか作っていくうちに型紙の重要性が分かってきて、市販のプロがおこした型紙を上手に利用するようになったんですが。

同じように見えるデザインでも型紙をおこした人によって微妙にセンスが違うことも分かってきたんです。できるだけイイトコどりしながら自分の作りたいカタチを探していく。

考えてみれば‥、裁断を専門にきちんと学んだ母は、家族みんなのサイズに合わせた基本の型紙を厚い紙で作っていて、それを元にその時々に合わせたデザインの型紙を基本型からおこしていたんですね。

私にはそんな真似はできないけれど、それでもできるだけ自分の思いどおりに仕上がるように工夫しています。

今回は衿ぐりと身頃、袖付けが別々の型紙だったものを組み合わせて自分のイメージに合うように作ったもの。

着物リメイク
いつもこんな感じ!洋裁屋さんで売ってる型紙用の紙は高いから100円ショップで買った障子紙を利用! えんぴつで簡単に印を書いて生地と合わせて、マチ針でとめて裁断

着物リメイク
私の必需品。100均の障子紙と小学校低学年の時に母に買ってもらったえんぴつ、チビタチャコペン、年期の入ったヘラ。全部、亡くなった母の洋裁箱に入ってた物。引き継いで今は私が大事に使っています。

着物リメイク
前身頃、後ろ身頃、袖二枚を裁断し、まずは肩を縫い合わせる。

最初は衿ぐりと袖口にリブテープを付けてTシャツ感覚に着れるものにしようと思っていたのだけれど、肩線を縫って、被ってみたらリブ付けずにそのままの方がサラッと着れて…。

上品! 悩んだ結果、リブテープは却下することに。出来上がりまで何度も自分で着てみながら納得できるものを作っていきます。縫ってる時間より、考えてる時間のが長い感じですね。

着物リメイク
せっかく用意した黒のリブテープ。1mで1,200円也。また今度、他のものに活用しよう!

残念! いいアイデアだと思ったんだけどね。シルク生地とは合わなかったかなぁ〜

着物リメイク
完成!!

前の身頃にだけ、龍の幾何学柄の生地を柄が縦長の菱形になるよう、横布で利用!

衿ぐり、袖口、少し丸みを出して後ろを長めにした裾は、結局紺色の巻きロックで仕上げてみました。

切りっぱなしにしようかって随分と迷ったんだけど、防水加工が幸いしてほずれてきそうになかったからサラッといいかなぁって…。結局、洗濯を考え巻きロックにしてみた。

テーブルに置いて写真撮ると 平面だからイメージわかないけど…、自分でいうのもなんだけど…着ると数倍いい感じ! オシャレな個性的な一枚に生まれ変わりました。まさか男物の長襦袢とは! 言わなければ誰も分からないよね!

さあ、次は何作ろう!!



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多摩美術大学染織科を卒業後、1970年代後半から日本のテキスタイルデザイナーとしてパリのオートクチュールにも採用された松井忠郎の四季ファブリックハウス、刺青プリントTシャツで話題になった坂井直樹が帰国後に設立したウォータースタジオなどで腕をみがく。その後、仲間と共にデザイン事務所 スタジオ'K3を立ち上げファッションからインテリア、日常のファブリックにいたるまで幅広くデザインにたずさわる。出産を機にフリーに。以降しばらくの間デザインの世界を離れ、フルオーダーの洋服制作を行うかたわら、母の死をきっかけに着物の価値を再認識。着物リメイク作家としての活動を始める。