大雄山最乗寺をご存知だろうか。その歴史は600年と長く、神奈川県西北部の南足柄市に位置する。
この最乗寺は山間に建立され、霊場などとしても有名。最近ではパワースポットなどという呼び方をするんだろうか。
さて、2018年も明けて1月半ば(取材時)。なんとまだ初詣に行っていなかったので、いまさらながら出掛けることにした。
Mr.Iと。
Mr.Iは「モジカル」の工作記事担当。最近では得意な車の運転を駆使して、ローカル記事が枯渇しまくって、飢饉→農民一揆→藩主斬首 というような状態の我らが「モジカル」にローカルネタを提供してくれるのだ。
なかもら(モジカル所属ライター 最近サボリ気味)、マチュピチュ(ひともじ参加以来1記事も上げていない)とは大違いだ!
さて、モジカル運営会社である小田原じてんしゃ工房店舗に集合し、いざ出発。
小田原駅からなら車で40分ほどだろうか。電車であれば大雄山線の終点である大雄山駅が最寄りだ。
ただし、大雄山駅から最乗寺までは坂道が続く。ハイキングを目的としていない場合は、バスやタクシーなどの使用をオススメする。
大雄山最乗寺はその名の通り山間部にあるお寺だ。周囲をぐるりと山林に囲まれている。このほとんどが杉の大木であり、花粉症の人間がオンシーズンに訪問すれば、映画エイリアンのチェストバスターのシーンを再現するかのごとき惨状となるだろう。お気を付けて。
僕も花粉症持ちなのですが、1月であればなんの問題もなし。むしろ下界よりもキレイな空気に深呼吸も気持ちいい。
そして山間に位置することでもう一つ。このあたりの山では自然薯、つまり山いもがとれる。参道までの道すがら、この自然薯料理を食べられるお店もあるのだ。
今回はちょうどお昼時にさしかかったところだったので、この自然薯をいただいてから参詣することとした。
十八丁目茶屋で昼食
18丁目茶屋に推参。
最乗寺から車で数分の場所にある。店構えから分かる通り、歴史の深いお店。
お店の方に聞いたところ、現在6代目のご店主だそうだ。
店内はアットホーム感と呼ぶには振り切れている家庭っぽさ。これがいい。
床はホットカーペットなのか、注文からお料理を待っている間に山の冷気に当てられた冷えた体をじんわりと温められ、不覚にも眠気が。
雰囲気もあいまって、親戚の家でうたた寝、というような気分だった。
献立には自然薯を使用したものばかりではない。いかにも山間の茶屋といった感じ。
箱根なんかによく行くので見慣れたメニューだが、旅行者であればこんな字面も旅情を誘うのではないだろうか。ちなみにそばもおいしいらしい。
シンプルながら素材の味わいが抜群なので、他に何もいらない。引き算の美学。和食らしい。
次に到着したのはみそおでん。味噌は自家製とのこと。日本酒などで伸ばしているようで、強い旨味に熱燗でも欲しくなってしまう。
のど元まで出てきた言葉を、仕事という責任感と共にお茶で無理矢理飲み込む。あー、酒飲みてえ。
そして最後に麦とろ定食。麦ご飯にとろろ汁、山菜の小鉢に香の物、そして汁椀には小盛りのおそば。
主役であるとろろ汁には、山いもをすったもの以外に、魚をすった出汁、あとはお醤油なんかだろうか。いや、これはなかなか。
僕は麦飯の上にとろろ汁をかけて流し込む派だが、Mr.Iは混ぜ込んでから食べるそうだ。
意外と食べ方が分かれることに驚いた。これはこれでとろろ汁がふんわりとしておいしい。
最乗寺へ到着
最後にまた暖かいお茶を流しこみ、腹ごなしも完了。
一路最乗寺へ。樹齢を感じさせる杉の木の高さ、そして幹の太さ。
最乗寺の駐車場まで十八丁目茶屋からはすぐ。全254台という大駐車場だ。
ちょっと奥まった駐車場まで来てしまったので、一端くだります。
それにしても浮き世離れしたとはこの周囲の光景のことだろう。霊場、という言葉の真意を体感する。
さて、このあたりで靴の選択を間違ったことに気づく。この石段はなかなかに厳しい。ブーツなどでもいいくらいだ。
ぺらぺらのスニーカーは足に衝撃が…。とりあえず靴紐だけでもしっかり結んでおこう。
手水がキラキラと光を反射している。苔むした感じといい、車で40分ほど離れたところとは思えない。気持ち深呼吸も心地良い。
さて、ここから最乗寺の総受付、そして奥の院まで登っていきます。
が、今回はここまで。次回はこの記事でもちょこちょこ出現していた、天狗伝説にも触れながらご紹介します。
お楽しみに。
※第二弾記事はこちらから。